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文化映画研究 全5巻

文化映画研究 全5巻

[監修] アーロン・ジェロー [解説] アーロン・ジェロー 佐藤 洋 森田のりこ

揃定価86,900円(揃本体79,000円) 
ISBN 978-4-8433-6093-4 C3374
A5判/上製/クロス装/カバー
刊行年月 2021年09月(予定)

関連情報

本書の内容

1930年代後半、日本映画界の 中核的な存在となった「文化映画」。 国家プロパガンダなのか? はたまた、真実の記録なのか? その討論の中枢の場として機能した 『文化映画研究』全号を収録。

*一部底本の号数に誤植があります。第2巻第4号(正:第3号)・第5号(正:第4号)・第6号(正:第5号)・第7号(正:第6号)・第8号(8月発行分・正:第7号)です

【本書の特色】

●「文化映画」論壇の中枢
『文化映画研究』は、大村英之助が1935年に創立した製作会社・芸術映画社の関連雑誌として創刊。映画法執行により文化映画上映が映画館で義務付けられ、文化映画が国家と映画の折衝の場となった当時、文化映画は国家プロパガンダなのか、真実の記録なのか等、多様な面を持つ文化映画を論じるための中枢の場として機能した。

●批評、技術から文化性まで、幅広い内容
内容は芸術映画社の機関誌の範疇を遥かに超え、自社作品の紹介にとどまらず、他社の作品の批評、撮影や録音から興業まで、記録映画やアニメーションを含む広い意味での文化映画の現状と実践、そして映画の本質や社会性・文化性についての論考も際立っている。


●錚々たる執筆陣
文化人や映画論壇の大家等が文化映画のみならず、映画とは何か、とりわけその現実性について討論。文化映画関係者:円谷英二・厚木たか・石本統吉・荻原耐ほか 農村文学:和田伝・鑓田研一・藤森成吉ほか 映画音楽:早坂文雄・深井史郎・服部正ほか 文化人:柳田国男・佐多稲子・村山知義・佐々木基一・三浦つとむ ほか 映画論壇:津村秀夫・上野耕三・関野嘉雄・亀井文夫・三木茂等々、豪華執筆陣。
●最終巻末に詳細な解説を附す

★特にお薦めしたい方  映画史、メディア史、歴史学、思想史、社会史、政治史、近代史、文化史、風俗史などの研究者・研究機関。大学図書館。映像・メディア関係専門学校。海外の日本学関連研究施設など。

刊行にあたって        アーロン・ジェロー

 一九三〇年代後半において「文化映画」というジャンルが、日本の映画界の中核的な存在となった。一方では、ドイツのkultur filmを語源としたこのドキュメンタリー映画が、まず政治と映画、とりわけ国家と映画の折衝の場となった。映画法執行によって文化映画上映が映画館で義務付けられていることからも、総動員体制のメディア戦略の重大な役割を担っていたのは疑いの余地がない。他方では、映画論壇において、映画の本質は虚構を作るよりも現実を記録するという主張が優勢となり、文化映画こそが映画の未来を担うものとして注目された。
 国家プロパガンダなのか、はたまた真実の記録なのか、その相反するかのような両面を持つ文化映画を論じる中枢の場となったのが、一九三八年三月から一九四〇年十二月まで刊行されていた『文化映画研究』であった。大村英之助が一九三五年に創立した芸術映画社という製作会社の関連雑誌でもあったが、内容は『雪国』や『或る保姆の記録』といった自社の名作の紹介にとどまらなかった。他社の作品の批評、撮影や録音から興業まで、記録映画やアニメーションを含む広い意味での文化映画の現状と実践、さらにはそれらのテーマを円谷英二、厚木たか、石本統吉や荻原耐といった著名な文化映画関係者が追求した。映画法の規定、特に映画製作現場と官僚の関係も特に議論の的となった。また、和田伝、鑓田研一や藤森成吉等の農村文学の名手が参加する農村映画や、早坂文雄、深井史郎や服部正を囲む映画音楽等をめぐる座談会をも主催した。
 プロレタリア文化運動の経験者が多く投稿した『文化映画研究』の誌面では、映画の本質や社会性・文化性についての論考も際立っていた。海外映画論の紹介の他に、柳田国男、佐多稲子、村山知義、佐々木基一、三浦つとむ等の文化人や、津村秀夫、上野耕三、関野嘉雄といった映画論壇の大家等が文化映画のみならず映画とは何か、とりわけその現実性について討論した。レベルが高い議論も多く、その中には、おそらく戦前で最も有名な映画論争、つまり亀井文夫と三木茂の間に繰り広げられた、映画の倫理についての「ルーペ論争」があった。
 地味にも見える『文化映画研究』こそが、まさにこの時代とメディアを反映させた貴重な雑誌である。  (イェール大学教授)

文化映画研究 1 文化映画研究 第1巻第1号(1938年3月)〜第1巻第6号(1938年12月)

刊行年月 2021年09月(予定) 定価17,380円 (本体15,800円) ISBN978-4-8433-6094-1

第一巻 第一号  一九三八年三月発行
我が国文化映画の動向(増谷達之介) 文化映画数言(村山知義) 娯める文化映画と云ふこと(大村英之助) あまりに『独善的』であるな(南京二) 最近の世界文化映画(来島雪夫) 文化映画が生れるまで(村山英治)ほか

第一巻 第二号  一九三八年八月発行
日本文化映画の進路(来島雪夫) 文化映画管見(関野嘉雄) 当面の育児映画作製に就て(中鉢不二郎) 英国ドキュメンタリー十年史(ベジル・ライト) 焔を鋏で切るなど(松田解子) 文化映画の観客(大村英之助)ほか

第一巻 第三号  一九三八年九月発行
文化映画時代と理論研究の意義(田島太郎) 産業組合と映画事業(笠原綱夫) 科学の啓蒙と科学映画(石原辰郎) 文化映画から(小野芳之助) えいぐわ・せんでん談義(水上鉄也) 記録映画説明者の仕事(松井翠声)ほか

第一巻 第四号  一九三八年十月発行
鉄道省映画の過去と未来(村尾薫) 記録映画の歴史性に就て(伊豆公夫) 前進の方向(大村英之助) 英国ドキュメンタリーの一転機(ポール・ルータ) ”ユーゲント“撮影報告(水木荘也・橋本龍夫) ニュース・リールほか

第一巻 第五号  一九三八年十一月発行
文化映画に於ける劇的なもの(熊木喜一郎) ドイツの宣伝映画(林文三郎) ミッキイ・マウスの微笑(八木仁平) アメリカのドキュメンタリー映画”河“について(厚木たか訳編)   ”黄浦江“撮影報告(伊東寿恵男)ほか

第一巻 第六号  一九三八年十二月発行
カメラの眼と人間の眼(桑山龍蔵) 小河内貯水池建設記録映画について(小出峻) 「我等今日に生く」について(厚木たか訳編) 観客と業者と文化映画を語る 映画宣伝誌上コーチ 商品拡売巡回の巻(三山児)ほか

文化映画研究 2 文化映画研究 第2巻第1号(1939年1月)〜第2巻第6号(第5号)(1939年6月)

刊行年月 2021年09月(予定) 定価17,380円 (本体15,800円) ISBN978-4-8433-6095-8

第二巻 第一号  一九三九年一月発行
本年の宿題(大村英之助) 文化映画といふ名称(上野耕三) 文芸映画と芸術映画(窪川稲子)『満鉄三十年』を作って(芥川光蔵) キャメラマン読本(三)(ウラヂーミル・ニルセン/石本統吉訳) 内外情報 小型映画界ほか

第二巻 第二号  一九三九年三月発行
新たな寄与へのため(森喜一) 音楽短篇について—主として音楽の表情を中心に—(掛下慶吉) 文化映画のテーマと表現技術(坂斎小一郎) アングストと共に働いて(三木茂)
”雪国“撮影中間報告(石本統吉)ほか

第二巻 第四号(三号)一九三九年四月発行
文化映画の「興行価値」(関野嘉雄) 映画に於ける快適と真実(本田喜代治)文化映画の再出発(来島雪夫) ”彼等は土地を造った“(サイト・アンド・サウンド誌より/大島辰雄訳) 作品合評『はたらく一家』(栗原・岩崎・厚木)ほか

第二巻 第五号(四号)一九三九年五月発行
逓信省の映画製作について(長谷川孫助) 生活と映画—主として北方の生活と子供を中心として—(加藤周) 文化映画と民間伝承(柳田国男) アメリカ・ドキュメンタリィ映画の動向(グットマン/シュスタック/厚木たか訳)シナリオ『淡煙燃焼』(東宝第二製作部)ほか

第二巻 第六号(五号)一九三九年六月発行
『抽出し』(八木仁平) 記録映画の課題二三(岩佐氏寿) エヂプトに於ける映画製作(A・P・パーカー/厚木たか訳) シナリオ『鰯列車』(芸術映画社製作部) 夏場所大相撲・撮影記(藤波次郎) 国際情報 小型映画界ほか

文化映画研究 3 文化映画研究 第2巻第7号(第6号)(1939年7月)〜第2巻第11号(1939年12月)

刊行年月 2021年09月(予定) 定価17,380円 (本体15,800円) ISBN978-4-8433-6096-5

第二巻 第七号(六号)一九三九年七月発行
土の作家と農村映画を語る(座談会)(出席者 藤森成吉 新居格 和田伝 有馬頼義 打木村治 田辺耕一郎 鑓田研一 橋本英吉 和田勝一 中本たか子 丸山義二 染谷格) 日本農村の姿(丸岡秀子) 農村映画問題と其の実際化(古瀬伝蔵) ほか

第二巻 第八号(七号)一九三九年八月発行
文化映画と音楽(渋谷修) 映画に於ける音楽(デ・ショスタコヴイチ/多田恒夫訳) 世界に於ける記録映画の動向(ゼームス・ミラー/大内義夫訳) ソヴエト・ドキユメンタリーフイルム(山川幸夫訳) 国際情報ほか

第二巻 第八号  一九三九年九月発行
宣伝映画の再出発(野元伊太郎) 映画法と農村への映画配給(一問一答)(宮城孝治 隅山四朗 染谷格) 一度経験(上野耕三) シナリオ「輝く協同」(栗原有蔵) 同心ケーブル製作報告(浅野辰男) 映画時報 小型映画界ほか

第二巻 第九号  一九三九年十月発行
映画法と官庁映画(椎名道雄) 文化映画製作所とその態度(渋谷駿介) 映画法と文化映画(山川幸三) 映画法関係記事 イギリスを描く文化映画(H・ホブンス) イタリアの文化映画政策(K・ラッファエーン)ほか

第二巻 第十号  一九三九年十一月発行
有馬頼寧氏と映画を語る(出席者 有馬頼寧 豊福保次 岡崎一夫 稲村喜一 村山英治 小出峻) 文化映画認定の問題—三橋認定官との一問一答— 映画法と映画館(大久保龍一) 事前検閲について(三木茂・外) 映画法実施と官庁 映画法要綱解説 ほか

第二巻 第十一号 一九三九年十二月発行
文化映画一年の回顧(時実象平) 文化映画の今後の問題(青木文象) 一年の製作と企画を見る(皆川滉) 農村文化映画の一年(村田英雄) ドキユメンタリー映画と検閲(ジョン・グリーアスン) 大戦と英国の映画検閲(英紙)ほか

文化映画研究 4 文化映画研究 第3巻第1号(1940年1月)〜第3巻第6号(1940年6月)

刊行年月 2021年09月(予定) 定価17,380円 (本体15,800円) ISBN978-4-8433-6097-2

第三巻 第一号  一九四〇年一月発行
新時代に処す文化映画の企画(大村英之助) 虚構の理論(高木場務) 昨年度の最も印象深かき文化映画(各家) 新年度を迎えて文化映画に望むもの(各家) どんな映画が認定されたか(山村静夫) 文化映画製作月報ほか

第三巻 第二号  一九四〇年二月発行
日本文化映画の初期から今日を語る座談会(出席者 亀井文夫 秋元憲 田中喜次 上野耕三 石本統吉) 今日までの映画と明日の映画(一)(関野嘉雄) 事実の映画(ポール・ルータ) ポール・ルータへの途(カヴアルカンテイ)ほか

第三巻 第三号  一九四〇年三月発行
「今日までの映画」と明日の映画(二)(関野嘉雄) 文化映画製作に就ての希望(金沢武夫) 文化映画演出者への手紙(三木茂) 時評 文化映画覚書(一)(島本隆司) 展け行く歴史(ジエームズ・ミラー) 音の演出(芳蓮荘主人)ほか

第三巻 第四号  一九四〇年四月発行
東宝文化映画特輯 東宝文化映画の全貌 「興亜」中支篇撮影行(荻原耐) 航空映画の製作経験(円谷英二・湯原甫) 科学映画と東宝(阿部徹) 製作月報 内外時報 編輯後記 シナリオ 甦生の光 ほか

第三巻 第五号  一九四〇年五月発行
「今日までの映画」と明日の映画 四(関野嘉雄) 文化映画の断章(相原秀二) 再び文化映画演出者への手紙 一(三木茂) 人間を忘れた文化映画(坂斎小一郎) 映画形式の常道を問ふ(内田耕平) 月評 海苔(石原勉)ほか

第三巻 第六号  一九四〇年六月発行
ドキユメンタリ論検討のために 一(関野嘉雄) 文化映画雑感(大森義太郎) 文化映画製作に於ける協同作業の問題(村田英雄) 分化についての考察 断章 二(相原秀二) 巡回映画対策(海老原靖兄) 製作月報 内外情報ほか

文化映画研究 5 文化映画研究 第3巻第7号(1940年7月)〜第3巻第11号(1940年12月)/解説

刊行年月 2021年09月(予定) 定価17,380円 (本体15,800円) ISBN978-4-8433-6098-9

第三巻 第七号  一九四〇年七月発行
ドキユメンタリ論検討のために 二(関野嘉雄) 文化映画の大衆化(浅野辰雄) 「石の村」への後記(京極高映) 「石の村」の撮影後記(星島一郎) 「石の村」コンテ 文化映画月評(上野耕三) 投稿月評 製作月報ほか

第三巻 第八号  一九四〇年八月発行
白茂線 記録映画シナリオ(本田延三郎) 南支経済 コンテ(水木荘也) 或る日の干潟 コンテ(下村兼史) 「或る日の干潟」について(渡辺俊平) 新興行道の実践 3(林高一) ドキユメンタリー監督とその主要作品目録ほか

第三巻 第九号  一九四〇年九月発行
事実の映画の形成(蛯沢功一) 文化映画の新らしき障害(久保田辰雄) 分化に就いて(相原秀二) 演出者を兼たキヤメラマンの報告(坂斎小一郎) 若き世代の文化映画製作者諸君へ(初瀬一郎) 文化映画月評(上野耕三)ほか

第三巻 第十号  一九四〇年十月発行
記録映画「保姆」(厚木たか) ドキユメンタリ論検討のために 3(関野嘉雄) 映画に於ける記録的要素(相川春喜) 文化映画月評(上野耕三) 劇的要素と記録的要素(久保田辰雄) 映画の本質に関する論綱(高木場務)ほか

第三巻 第十一号 一九四〇年十二月発行
三つの問題作品 走り書2(相川春喜) 科学映画の問題(伊地知浄) 記録映画に関する感想(本田延三郎) 豊さと深さ(村山英治) 「和具の海女」余録(上野耕三) 経験(古川良範) 「信濃風土記」製作の動機(亀井文夫) ほか