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クーデターとタイ政治

クーデターとタイ政治
―日本大使の1035日―

[著] 小林秀明

定価1,944円(本体1,800円) 
ISBN 978-4-8433-3339-6 C0022
四六判/並製カバー装
刊行年月 2010年04月

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本書の内容

「タクシン首相。あなたが現在のような状況に陥ったのは、喩えて言えば、あなたが『バンコック・エスタブリッシュメント』という虎のシッポを踏んでしまったためと私は考えているのですが、どうでしょうか。」タクシン氏は、意外な質問に多少驚いた様子だったが、・・・・(まえがきより)

★「毎日新聞 2010年10月31日東京朝刊」の「今週の本棚」にて書評が掲載されました。
★「週刊東洋経済 2010年6月12日号」にて書評が掲載されました。
★2010年5月16日付日本経済新聞掲載の「今を読み解く タイ社会、試練に直面」にて、本書が「タクシン政治の本質を、駐タイ大使としての観察に基づき、鋭く洞察した好著」と紹介されました。
★2010年4月24日付京都新聞にて、「激動のタイ経験を本に 混迷の源泉知る手がかりに」として記事が掲載されました。

世界をおどろかせた2006年9月19日の反タクシン派による軍事クーデター、そして2008年8月の首相官邸占拠事件当時にバンコック駐在日本大使であった著者が、タイ政治の激動を描く。タクシン政権末期から、クーデターによって成立したスラユット政権、そして親タクシン派のサマック政権末期まで。

[著者]
小林秀明(こばやし・ひであき 前・駐タイ王国日本大使)
一九四五年長野県生れ。一九六八年東京大学、外務省入省。一九八四年南東アジア第二課長。一九八八年より、オーストラリア大使館参事官、ポーランド大使館参事官、同公使を歴任。一九九三年より、本省参事、審議官などを経て、一九九七年より、米国大使館公使、国連大使。二〇〇一年儀典長。二〇〇二年東宮侍従長。二〇〇五年一一月から二〇〇八年九月までタイ大使。現在、迎賓館館長。
(※本データはこの書籍の刊行時のものです)

【特 色】
○反タクシン派による軍事クーデター、そして2008年8月の首相官邸占拠事件など、その当時バンコック駐在日本大使としてその対応にあたった著者の、タイ政治をめぐる経験と考察を記した興味深い一冊です。
○日本にとってもっとも身近な東南アジアの国、タイの、その不可思議な政治の動きを知るための貴重な記録です。
○面会するタイの有力者たちの素顔を達意の文章で伝えます。
登場人物:タクシン首相、スラユット首相、ソンティ陸軍司令官、サマック首相、ソムチャイ首相、チャムロン氏(市民運動家、反タクシン勢力PADの中心人物)等々。
○経済連携協定の交渉、タイ王室との交流、大使の日常など、多面的な大使の仕事をうかがい知ることができます。
○タイについて知りたい方はもとより、東南アジアについて興味のある方、また、外交や外交官の活動について関心のある方にもお勧めします。

目次

口絵 関連地図
まえがき
1 タクシン氏との出会い
タイは政治バブル?/首相の名前を間違える/タイ版「一村一品運動」/タクシン首相の意欲的イニシアチブ
2 反タクシン運動の始まり
ソンティ氏による反タクシン運動/タクシン一族の持ち株売却/なぜこんな大失策を?/「メガ・プロジェクト」の怪/タクシン氏に連れられミャンマー難民キャンプへ/国王陛下への信任状奉呈
3 タイの麻薬問題
「ドイトゥン」開発プロジェクト/麻薬問題の影/阿片博物館/タクシン氏と麻薬問題
4 タクシン氏の首相休職
抜き打ち国会解散/選挙に圧勝したのに涙の記者会見/国王陛下の発言/暫定タクシン内閣/ワチラロンコーン皇太子殿下の大使公邸ご来訪/天皇皇后両陛下のタイご訪問/タクシン首相の大使公邸来訪/ソムサワリ王女殿下の大使公邸ご来訪
5 静かなクーデター 
タクシン氏による「影の権威者」批判/軍の人事異動と爆弾事件/静かなクーデター/なぜ外国にいたのか/クーデター体制の成立/政権を求めないクーデター
6 スラユット新政権の成立
スラユット首相誕生/タイ外務省での論争/タイミングの良い浅野外務副大臣来訪/訪問の効果/忙しい大使/〈コラム〉 高級コック養成コース/クーデター指導者との驚きの出会い/チュラポン王女殿下の大使公邸ご来訪/タクシン氏の「遺産」・バンコック新国際空港/チェンマイ国際園芸博覧会/日タイ修好百二十周年記念行事
7 治安問題
バンコックの連続爆弾事件/タイ南部イスラム過激派問題/〈コラム〉イスラム教徒・スリン元外相/難航する捜査/秋篠宮殿下タイ御訪問と治安状況予測の責任
8 日タイ経済連携協定署名問題
日タイ経済連携協定の署名の遅れ/荒れた米タイFTA交渉/日本との協定は?/幸運な首相訪日計画/タイ国会での協定審議/チャムロン氏の反対/幸運な旧友の存在/紛糾する国会論議/スラユット首相の訪日
9 スラユット政権の苦闘
はかどらないタクシン氏の「旧悪」追及/スラユット首相解任?/タクシン一家の資産凍結/外資規制の強化?/なぜ全面的に改憲?/様々な論点/上院議員の選び方/下院の選挙制度/難しくなった国際協定締結/簡単な憲法改正手続き/〈コラム〉日本とタイは両極端/新憲法草案に関する国民投票/シリントン王女殿下の大使公邸ご来訪/ガラヤニ王女殿下と国王陛下のご入院
10 日タイ経済連携協定発効
日タイ経済連携協定の批准/幸運な首相の大使公邸来訪/日タイ経済連携協定の発効
11 タクシン支持勢力の返り咲き
タイ愛国党の解党判決/サマック党首/サマック氏との夕食会/親タクシン派の勝利/連立工作/サマック内閣の成立/誠実なソムチャイ大臣/この人が大臣?/婦唱夫随/プレム枢密院議長/タクシン氏のタイ帰国/タクシン氏の苦い顔/〈コラム〉バンコックの日本大使の一日
12 プレア・ビヒア(カオ・プラビーハン)寺院問題
ノパドン外相就任/プレア・ビヘア寺院問題/地雷除去プロジェクト/プレア・ビヘア寺院視察/パリでの合意/タイ国内での批判/タクシン氏の影/テート外相就任/プレア・ビヘア観光ツアー?/広がる紛争
13 チャムロン氏のこと
人工透析センター/ユニークな朝食会/迷い犬収容所見学/指導者訓練コース/汚職と無縁の警察長官が就任/ヘリコプターでバンコックへ
14 サマック政権の末路
PADの活動の過激化/江田参議院議長のタイ訪問と国王陛下との会見/サマック首相訪日計画/大使公邸での夕食会/サマック首相訪日取り止めと日本の政局/非常事態宣言/サマック首相のテレビ料理番組出演問題/タイの司法界の独立性と王室への忠誠/ソムチャイ首相代行の送別ディナー/心に残る最後のディナー/タイとの別れ
15 その後のタイ情勢
その後のタイ情勢/ソムチャイ政権の成立と崩壊/タクシン一族の動向/PADの過激化について/アピシット政権について/連立政権の課題
あとがき 「タクシン旋風」の源泉とその行方
関連年表