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ゆまにだより

『シリーズ 明治・大正の旅行』刊行開始にあたって(編集部E・Y) 投稿日:2013/11/12

 今月から『明治・大正の旅行』と言うシリーズを始める。
 歴史資料としてこれまで顧みられることのなかった戦前の「旅行案内書」を丹念に収集し、今まで語られることが少なかった旅行という分野から、新しい近代史の鳥瞰図を提供しようとするものである。
ここに、戦前、鉄道省が編纂した『汽車時間表』をご紹介しよう。ジャパン・ツーリスト・ビューロー(現財団法人日本交通公社及び株式会社ジェイティービー)の発行になる、今で言ういわゆる「時刻表」である。その冒頭の鉄道路線図を見ると、現在の日本の領土のほか樺太や台湾にまで広がった路線図が掲載されている。さらにまた、当時の「旅行案内書」を見ると、パック旅行などが企画されていて、誰でも娯楽の一つとして植民地へ旅行することができたことがわかる。
 領土の拡大は軍用や商用にかぎらず、植民地を持った国の国民の、生活レベルで意識されていたことが一目瞭然である。このように旅行案内書は、実用書であるがゆえに、人々の社会意識や時代認識を如実に映し出す側面があることに着目してみたい。ついでに、前述の『汽車時間表』によれば、植民地であった朝鮮で、釜山から京城(現ソウル)・平壌(現ピョンヤン)を経て、満洲の奉天(現シェンヤン)や新京(現チョウシュン)まで運行されていた急行列車の名が、「のぞみ」であり「ひかり」であったことを付け加えておこう。「旅行案内書」が、現代につながる研究テーマ発掘の宝庫であることも理解されよう。
シリーズ 第1回配本は、明治初年の旅行案内書を集めてみた。お伊勢参りなど江戸時代から隆盛した旅行が、明治維新という近代国家の成立以降どのように変容し、次の時代にどうつながっていくのか。それを人々の旅の供となった旅行案内書がつむぎだす、興味深い世界で渉猟していただきたい。

東日本大震災と『世界の歴史を変えた日1001』(編集部S) 投稿日:2013/10/09

 10月15日に『世界の歴史を変えた日1001』が発売されます。本書は東日本大震災と因縁があります。原書の“1001 DAYS THAT SHAPED THE WORLD”を翻訳出版するかどうかで10名ほどで一室にこもり会議をしていたとき、東日本大震災が起こりました。もちろん会議どころではなくなり、そのまま中止されました。1カ月後、改めて行われた会議で刊行が決まりましたが、以後この本を目にするたびに、震災を思い起こすことになりました。
 
 当時の原書の最終項目は、2010年のハイチ大地震でしたが、翻訳作業中に英国版元より改訂版を作るとの連絡があり、十数項目が取捨選択され、東日本大震災が新たに加えられることになりました。日本のみならず、世界中を震撼させた大災害ですので、1001項目の1つに加わるのは当然といえば当然かもしれませんが、改めて震災当日の記憶がよみがえり、なにやら複雑な思
いがしました。
 
 仮に将来、本書の改訂版が出されるとしても、このような大災害はもう加わってほしくないものです。

編集部だより(編集部T) 投稿日:2013/09/10

昨年12月に、『ボクのせいかも…─お母さんがうつ病になったの─』という絵本を刊行した。
絵本といっても少し特殊で、やや長いシリーズ名は「家族のこころの病気を子どもに伝える絵本」である。
身近な大人がこころの病気になったとき、子どもは自分のせいだと感じることがある。子どもに『あなたのせいではないよ』とどのように伝えるか…、という内容で、読者対象は子どもだけではなく、大人も含まれる。

そういった家庭環境での活用を前提にしているので、後半には、絵本を与える大人に向けて、活用のための解説、病気の説明などをまとめている。だが、絵本の物語部分=子ども向け、後半の解説=大人向け、という風に杓子定規な編集はできない。小学校高学年くらいの子どもも、この解説部を読むだろうことを考え、著者であるプルスアルハさんと、それこそ一言一句、来る日も来る日も文章についての打ち合わせを重ねっていった。

著者である、プルスアルハさんは、精神科の看護師Ns+医師Dr、という二人からなるプロジェクトチームで、家族や支援者が使いやすい「必要だけどこれまでになかった」心理教育ツールの企画+制作と普及活動に取り組んでいる。
http://pulusualuha.p2.bindsite.jp/index.html
絵本は、その活動と共に、刊行後各新聞などにも取り上げられた。そして9月には、続編となる、統合失調編2冊を刊行する。

家族のこころの病気を子どもに伝える絵本②
お母さんどうしちゃったの・・・ ー統合失調症になったの・前編ー

家族のこころの病気を子どもに伝える絵本③
お母さんは静養中 ー統合失調症になったの・後編ー

ストーリーは前編は発症から入院まで、後編は退院後からとなっていて、後編は展開にあわせて、優しく柔らかく水彩画で描かれている。
統合失調症は、およそ100人に1人の発症と言われており、決して「まれ」な病気ではない。
だが、「正しい理解がされない」ことが、こころの病の持つ難しさであるだろう。そういった問題に的確にアプローチする内容であり、治療や支援の新しいスタンダードになることを期待する。

夏休みの宿題(営業推進部A) 投稿日:2013/08/12

 夏休みの時期ですね。学生の頃、夏休みといえば必ずオマケでついてきたのが、≪宿題≫です。問題集、読書感想文、絵日記、自由研究などなど・・・。
 毎年毎年前半に終わらせてしまおうと、初めは意気込んではみるものの、結局ラストの3日くらいが勝負になってしまうの繰り返し、ではなかったでしょうか?

 創造力の乏しい私を悩ませたのは<自由研究>でした。どんな研究をやったのかあまり記憶には残っていませんが、自転車で図書館に通い、持ち出し禁止の古い資料で地元の郷土史を調べたことははっきりと覚えています。

 つい先日、テレビで「夏休みの自由研究で頼りになるのは?」というアンケート結果を目にしました。
1位 インターネット 45% 2位 家族 36% 3位 図書館 13% 4位 友達 6%
そうです、図書館よりもインターネットの時代なのです。

 実際に現在小学生の母親である友人に聞いてみたところ、「インターネットで小2自由研究で検索して・・・」やっぱり・・・と思ったら、「テーマだけ決めて後は図書館に行ったりして調べるみたいだよ」、とのことで安心しました。10冊以上の読書も宿題になっているそうです。
 
 このメルマガを読んでくださっている方はもう夏休みの宿題はないとは思いますが、もし周りに宿題が進まず困っているお子さんがいらっしゃったら、涼しい図書館で宿題を進めつつ、時折数ある本をながめ、読みたい本を見つけて息抜きに読んでみる、という計画を提案をされてみてはいかがでしょうか?

 ゆまに書房からも自由研究に活用できそうな本を多数刊行しております。図書館に行く機会がありましたら、是非手にとって眺めてみてください。子どもさんはもちろん、大人でもかなり興味深く楽しめます。宿題のためだけではなく、新たな面白い発見もあるかもしれません。

営業推進部だより(営業推進部N) 投稿日:2013/07/12

 7月25日に刊行する「近代日本芸能年表」全2巻の、校正ゲラを編集担当者から預かり、目を通していたら、止まらなくなってしまった。

 まず最初の『舞台芸能』。1863年(文久3年)外国人の手品が日本で初演された。1865年(慶応元年)横浜居留地に円形劇場が出来、翌年に日本人軽業師が出演している。この軽業が西洋人に人気があったのか、翌年から、多くの軽業師たちが、海を渡り、米国やヨーロッパで興行をしている。そして現地で金を持ち逃げされた記事が見られる。明治元年徳川慶喜が駿府へ移住すると翌年にかけて追随する能楽師が多数いた。明治2年、寄席の上演は、軍書講談と昔噺に限るとの御触れ。明治4年、フランスの曲馬興行が始まり、人気があったらしく以降イタリアの曲馬団も来日するが、外務省は「国益なき遊芸だ」と厳しく対応。明治3年、京都では「芝居・寄席は木戸銭の5%、芝居茶屋は上がり高の5%を窮民救助に宛てると布達。明治5年、白川県(現熊本県)「芝居と酌取女の税金で管内警備員50人の給料に当てる」

『レコード』 明治42年最初期のレコードは長唄・義太夫・謡曲。明治44年に「何んで聞かいんでしょ節」が初めて流行歌として発売されている。大正になると唱歌が多くなってくる。大正11年、南地名物「へらへら踊り」これってどんなんでしょう。大正14年ある落語家がレコード会社との専属契約を理由にラジオ出演が出来ず、世論がレコード会社を非難。放送からレコードを作れることを証明して専属が無効になると主張、著作権問題出現。

ついで『ラジオ』 昭和7年ラジオドラマ『大隈重信』をめぐり新築地劇団が出演辞退。イデオロギーのないドラマへの出演が非難されたため。昭和20年7月3日「特攻振武隊の出撃」。10日交響詩「闘魂」。8月4日軍国歌謡「同期の桜」。9日ソ連参戦で番組変更「前線へ送る夕」中止。14日慰安放送中止。22日復活「和歌朗誦」。23日筝曲「千鳥の曲」。8月25日朗読「終戦一週間の日記」。26日木琴独奏「数の唄変奏曲」。28日「ピアノと管弦楽」。9月2日降伏文書調印―全演芸番組中止。

 一万項目に及ぶ芸能の「年表」からいろいろなことが浮かび上がってくるように思えます。推薦の先生方の言葉にあるように文化史研究だけでなく、近代史の研究にも必備の一冊になる本だと思います。

図書館を考える(編集部H) 投稿日:2013/06/07

 図書館とはどのような場所なのだろうか。
 仕事柄、公共図書館や大学図書館などに足を運ぶことが多いが、年々図書館の環境や利用の仕方に変化がでてきていることを実感している。また、図書館運営を民間委託する昨今の動きをみると、あらためてその在り方について考えてみる必要があるように思われる。

 図書館とはどのような場所であり、図書館はどのようにあるべきなのか。今月刊行の『図書館学講座』にはそのようなことを考えるヒントが散りばめられている。

 『図書館学講座』は利用者の視点からの「図書館」というよりも、「図書館」を運営するにあたってどのようなことが必要なのかなどを様々な論文や記事から説いている雑誌である。戦前に編まれた総合的な図書館学の講座としては最初期のものであるといえる。
 ここに『図書館学講座』の編者である毛利宮彦の印象的な言葉を挙げよう。米国帰りの図書館学者、毛利宮彦については本書の解題(中西裕)に詳しいのでそちらを参照いただきたい。
 毛利は最終巻である第十二巻の表紙に次のような標語を掲げた。

   一、時代の先端的表現、それは図書館である。
   二、試験のない新しい学校、それは図書館である。
   三、精神的饗宴の家庭、それは図書館である。
   四、誰でもの自由な書斎、それは図書館である。
   五、不朽不滅の文化の殿堂、それは図書館である。
 
 毛利が図書館に対してどれだけの情熱を持っていたのか、この標語からだけでもその様子をうかがうことができるだろう。ところで、毛利は昨今の図書館事情を予期していたのだろうか。この標語は今現在の図書館、あるいは、これからの図書館にも通用することばに思えてならない。

 『図書館学講座』にはその他にも、当時の著名な図書館学者や書誌学者による論考や、各地の図書館状況、読書状況が把握できる記事も収録されている。また、「ライブラリーゴシツプ」の欄には、図書館を取り巻く環境に対する不平不満などが、さながら「つぶやき」のように書き連ねられている。
 当時の図書館はどのような状況にあったのか、ぜひ、現在の在り方と比べてみてほしい。

時の流れの中で(編集部K) 投稿日:2013/05/14

 この春までアルバイトとして私達を助けてくれていた青年から、メールが届いた。大学を卒業し新聞社に就職した彼は、静岡に赴任し、定石通り警察担当となって駆け回っているようだ。多い少ないはあるが、毎年、そうやって旅立ってゆく若者を見送っている。

  桜の花ちりぢりにしもわかれ行く遠きひとりと君もなりなむ  釈迢空

 国学院と慶応で教鞭をとった釈迢空(折口信夫)が、折々、卒業してゆく教え子に色紙に書いてはなむけにしたという歌の一つという。輝かしい未来とも言わず、別れを大げさに嘆くのでもなく、様式から離れて、桜の花の華やかさに沿うように別離のさびしさを静かに言い、相手の心に届く歌であろう。

  年年歳歳花相似たり 歳歳年年人同じからず         劉希夷

 『唐詩選』にある劉希夷の詩の一節で、日本人には大変馴染み深い言葉である。ただし、この花は桃李の花であり、桜ではない。しかし、私達は桜に読みかえてこの一節を口ずさんできた。
                                
                          *
    
 こういった時の流れを強く感じる季節に『近代日本芸能年表』のゲラを見ている。ペリー来航からマッカーサーが去るまで日本人がどんな芸能を楽しんできたか、歌舞伎、能、舞踊、邦楽、新劇、寄席芸、演奏などを含む舞台芸能、そして新しいメディアである映画、レコード、ラジオの動向を知ることができ、さらにその時代の諸相が見えてくる。ためしに1945年8月を見ると…

8.5  「国民の軍歌」、日本音楽文化協会・放送・新聞各社の共同募集、後援情報局、締切日(8.15)までに1万5206編応募、終戦で発表取り止め
8.6  広島:原爆投下、移動演劇隊「桜隊」の丸山定夫、園井恵子ら被爆、死亡
8.15 終戦、興行場は7日間休業、演劇場は月末まで休場、但し大阪歌舞伎座は22日から中村翫雀らの「伊勢音頭恋寝刃(こいのねたば)」を上演
8.16 「東海道中膝栗毛」市川猿之助、東劇〔東京〕
8.30 連合国最高司令官マッカーサー、厚木飛行場に到着、9.2米艦ミズーリ号上で降伏文書に調印

 …となっている。8月15日をはさんで時代が変わる様が、芸能の動きからもわかる。しかし、すぐに歌舞伎は公演を始める。また、その後、秋にはクラシックのコンサートが多く催されていることに驚く。国破れ、食糧にも事欠くなかで、人々は、少なくとも一部の人々は、芸能や音楽への情熱を失っていなかったということだろうか。
 3.11の震災からの復興も順調とは言えず、壊れた原子炉を抱え、また、活動期に入ったというこの列島の上で、日本人がこれからどのように生きてゆくのか、そんなことにも思いが及ぶが、歌舞音曲、演劇映画は絶えないと思われる。

                          *  

 冒頭の彼が、ベテラン記者となって伝える日本の姿は、どんな風になっているのか、ふと考えてみた。月なみな感想だが、私達ひとりひとりの日々の積み重ねの総体が日本の将来かもしれない。
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「風俗画報」新たなステージへ(営業部H.K) 投稿日:2013/04/18

手元に一冊の雑誌があります。
1996年10月号の「東京人」で、特集名は『明治がいっぱい「風俗画報」』となっています。

実はちょうどこの時小社ではCD-ROM版「風俗画報」を発売する予定でしたから、まさにこの特集は”追い風”でした。
小社のCD-ROM版「風俗画報」の広告も載っていますが「Windows 3.1以上に対応」という文が時代を感じます。
もう17年も前の話だから仕方ありませんね。

出来あがったCD-ROM版「風俗画報」は各方面で大変好評を頂きました。
それまでは学術資料を検索して見るというのはほとんどなかったのではないかと思います。
「風俗画報」の大きな特徴である図をどんどん拡大しても”ぶれ”の無い精度で搭載しておりましたので、図の中の服装や髪形に注目されて研究されて いる方などにも喜ばれました。
CD-ROMを一枚ごと入れ替えなくてはならないことや画像を呼び出すのに少し時間がかかったりなどの多少の不便はありましたが。

ところがWindows がどんどん新しいOSを発表してくると不具合が出てくることもあり、2003年にはバージョン2を発表しました。
おかげさまでこちらも好評でした。
この時の発表では「Windows XPまでに対応」となっており、これで当分は安心だろうと思っていたのですが...
それ以降もWindowsからはどんどんOSを発表、ついに先日Windows XPのサポートの中止も発表になってしまいました。

この事態に対応するため、そしてさらに「風俗画報」を幅広く使っていただくために小社では以前からお付き合いさせていただいておりますネットアド バンス社と協議して、ネットアドバンスさんの運営されている「ジャパンナレッジ」の新しい電子書籍プラットフォームJKBOOKSの中に「風俗画報」を搭載していただくことになりました。
4月1日からサービスを開始しております。
http://books.jkn21.com/

これで今後OSのバージョンアップに悩むこともCDをいちいち入れ替えることも無くなりますし、将来的には「ジャパンナレッジ」本体に入っている 辞事典との統合が予定されているとのこと。
さらに検索の幅が広がってくると思います。
すでに「ジャパンナレッジ」に搭載していただいている小社コンテンツ「江戸名所図会」と「風俗画報」の中の名所図会の比較などなど面白いことができそうですね。
そういえば諸事情でWindows版だけだった「風俗画報」もようやくMacでご覧になれることになりますね。
大変お待たせいたしました。

先日、一足早いお披露目をアメリカサンディエゴで行われたAASという学会で行ってきました。
ご覧頂いた方からとても高い評価を頂きすごくうれしかったです。

これもまずは「風俗画報」というコンテンツの持っている面白さと「ジャパンナレッジ」というサービスの質の高さの融合のおかげかと思います。
1か月のトライアルも行っておりますので、是非一度中をご覧いただいて「風俗画報」の楽しさをご体感ください。

冒頭で触れた「東京人」には「風俗画報いまだに余命あり」という言葉が掲載されておりますが、”余命”どころか「ジャパンナレッジ」という新しいステージの中で「風俗画報」はまたさらなる輝きを発してくれるんだろうなという期待に満ちた春を迎えることができました。

ダンスと武道の必修化(営業部 T) 投稿日:2013/04/04

公立中学校の保健体育の授業で、ダンスと武道が必修化になり一年が経とうとしている。
一年が経過して様々な問題点が見えてきた今、それらを踏まえて「新・苦手な運動が好きになるスポーツのコツ(全3)」(①ダンス②剣道③柔道)を刊行することになった。

その問題点とは、大きく分けて2つあり、1つはダンスを教える先生側に不安があること、もう1つは武道の安全性(特に柔道)の問題である。

ダンスは、先生がダンス教室に通ったり、プロのダンサーを招いて教えてもらったりと、現場での大変そうな様子がニュースなどでも伝わってくる。

一方、武道の方では、胴着を用意するだけでよいという理由で一番採択率の高い柔道で、
ケガや事故が多発している。授業中にケガでもされたら!と、親側としても気が気でないであろう。

さて、このシリーズでは、ダンスの巻で、人気の高い創作ダンスやヒップホップのような現代的なリズムのダンスが全体の75%を占めている点と、柔道の巻で、各ページで繰り返し「安全面で気をつける点」を強調し、同じく武道である剣道の巻との違いがハッキリ出ている点に注目してほしい。

このシリーズで、先生方にそういった問題点を少しでも解消して二年目以降を迎えていただきたいと願うと同時に、現場の子どもたちにも是非、手に取ってもらいたいシリーズになっている。

編集部だより (編集部 T) 投稿日:2013/02/14

昨年末から本年にかけて、2冊の近代文学についての単行本に関わる機会を得た。
まず、東郷克美氏の『井伏鱒二という姿勢』である。井伏の全集にも深く関わった著者が、これまで井伏について書かれた文章を編み、纏めたもので、作家晩年の謦咳にも接している著者の井伏研究の集大成ともいえる1冊である。巻末は井伏への追悼文で締められており、「文体は人の歩き癖に似てゐる」という井伏の一文に、この作家独自の「姿勢(スタイル)」を見い出している。
もう1冊は、鳥居邦朗氏の『昭和文学史試論─ありもしない臍(へそ)を探す』。太宰治研究の第一人者であるが、同時に昭和10年代文学や、第三の新人についての論考を多く為しており、本書はその主要な文業を収録している。奇しくも、作業を終えてこの一冊の出来を待つ間に、「第三の新人」を最も体現したと言える存在、安岡章太郎の訃報に接した。

どちらも、著者によって「まとめ」として位置づけられた仕事であり、それに関わることが出来たのは編集者冥利に尽きることである。収録された文章で最も古い時期のものを書かれた時は、両氏ともおそらく私よりも10歳は若かったでのはないだろうか。お二人ともに、校正ゲラを手に頭を掻かれ「どうもまいったなぁ」と、はにかまれる姿が何とも言えず印象的であった。