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近代機密費史料集成 Ⅱ 内閣機密費編 西園寺公望関係文書 全3巻【new!】

近代機密費史料集成 Ⅱ 内閣機密費編 西園寺公望関係文書 全3巻【new!】

[監修・編集・解説] 小山俊樹(帝京大学教授)

揃定価33,000円(揃本体30,000円) ※分売不可
ISBN 978-4-8433-6076-7 C3321
A5判/上製
刊行年月 2021年07月

関連情報

本書の内容

明治末期から大正初期にかけて政権を担当した 政党内閣による政権運営の実態を 金銭供与額とともに赤裸々に書き示す。

全3巻の構成
●第1巻●西園寺公望関係文書 受取帳 明治44年度
●第2巻●西園寺公望関係文書 受取帳 明治45/大正元年度
●第3巻●西園寺公望関係文書 支出帳・諸買上品支払控簿・諸費用受高並仕払高・住友銀行口座書類/解題

監修のことば 小山俊樹

 「機密費」とは、秘密を要する活動にかかわる資金である。秘密の活動とは、主に機密情報の取扱いに関するものといわれている。戦前には各官庁の予算項目として「機密費」が存在し、戦後は「報償費」と名を変えている。国家予算のなかで、機密費は例外的に各官庁の自主的管理のもとに置かれ、議会や他官庁による使途の査察は制限される。しかも史料の公開は原則として望めないため、これまで機密費使途の実態が明らかになることは、ほとんどなかった。
 だが、近年その貴重な史料のうち、戦前期に関するものが各所に残存することが明らかになりつつある。そこでゆまに書房から、『近代機密費史料集成』シリーズの刊行が開始された。本シリーズは、近代日本の公文書・私文書のうち、機密費の実態を示す一次史料を集成して、広く世に問うことを目的とする。
 第Ⅱ期に刊行する「内閣機密費編」では、最後の元老とよばれ、内閣総理大臣を二度つとめた西園寺公望のもとに残された機密費史料を収録する。「内閣機密費」とは、現在の内閣官房報償費(官房機密費)に相当し、内閣書記官長(現在の内閣官房長官にあたる)が管理した。戦前期の「内閣機密費」に関する史料は、時の政権の機密事項と深くかかわるものであり、ほとんどが消失したと考えられる。
 そのなかで西園寺家に伝わり、現在、立命館 史資料センターが所蔵する「西園寺公望関係文書」に含まれる機密費関係の簿冊類は、「内閣機密費」史料の貴重な残存例である。これに類する戦前の「内閣機密費」史料としては、他に伊藤博文の文書を編纂した「秘書類纂」中の機密費勘定書類が挙げられるのみである。ただ写本である伊藤文書に欠けている機密費の領収書や銀行口座書類など、機密費予算管理の具体的な様相を示す諸史料をそのまま残しているのが、西園寺文書の重要な特徴である。そこで本史料集では、同史料群の機密費関係部分を写真版の形で全文収録し、他に類を見ない貴重な文書を容易に閲覧できるように編纂した。
 一九一二(大正元)年一二月、陸軍二個師団増設を求めた上原勇作陸軍大臣の辞表提出によって、第二次西園寺公望内閣は倒壊した。本史料群は、その第二次西園寺内閣の成立(一九一一年八月)から総辞職に至るまでの一年四ケ月弱で費消された「内閣機密費」の全貌を網羅している。すなわち、前政権(第二次桂太郎内閣)からの機密費引継や、衆議院議員総選挙(一九一二年五月)での費用支出、外交機密費よりの資金流用、首相官邸関連の使途明細、委員会関係者への報酬、新聞・通信社などメディア関係者への資金援助、そして次政権(第三次桂内閣)への引継直前の支出など、政党内閣による政権運営の実態を示す史実が、金銭供与額とともに赤裸々に書き残されている。原史料ならではの存在感は、読む人を圧倒するであろう。
 日本近代政治史・メディア史の専門家のみならず、現在の政治などに関心のある方にも、新たな発見をもたらしてくれると期待される。広く活用していただければ幸いである。 (帝京大学教授)

本書の特色

●近代日本の機密費に関する希少な史料を編纂刊行。

●第2期は、「西園寺公望関係文書」(立命館 史資料センター所蔵)から、第二次西園寺公望内閣機密費資料を編纂して刊行する。
●内閣成立から倒壊までの約一年四ケ月にわたる機密費予算管理の具体的な様相が、残された領収書や銀行口座書類などから如実に立ち現れる。
●前政権からの機密費引継に始まり、衆議院議員総選挙での費用支出、外交機密費からの資金流用、首相官邸関連の使途明細、委員会関係者への報酬、メディア関係者への資金援助、そして次政権への引継直前の支出など、政党内閣による政権運営の実態を示す史料。
●機密費の交付先として、原敬(内務大臣)、西園寺八郎(首相秘書官)、新聞・通信社関係者、官吏、さらには、首相官邸付の警官、給仕、運転手なども登場する。
●解説では、本書収録史料のみならず、伊藤博文文書「秘書類纂」中の内閣機密費勘定書類も取り上げ、近代の内閣機密費制度について考察をくわえる。


●特におすすめしたい方● 
日本近代史、政治史、メディア史研究者ほか研究機関、大学図書館・公共図書館など。