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日本帝国圏満洲における民間金融【new!】

日本帝国圏満洲における民間金融【new!】

[著] 柴田善雅(大東文化大学名誉教授)

定価9,350円(本体8,500円) 
ISBN 978-4-8433-6352-2 C3033
A5判/判並製/カバー
刊行年月 2022年11月

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本書の内容

満洲で日本人の経済活動を支えた、 銀行、株式取引所等の民間金融機関を経営史的に分析。 各種資料や豊富な図表を駆使して、 満洲国における金融資産負債統計を復元。

経営史と金融統計から、満洲における民間金融機関の機能を分析。

目次

●序  章 日本帝国圏満洲における民間金融研究の課題と分析視角 
●第1章 第1次大戦終結前満洲における日系銀行
●第2章 満洲における株式取引所の設立
●第3章 1920年代満洲における銀行業の不振と淘汰
●第4章 1920年代満洲における株式市場
●第5章 満洲国期民間間接金融体制の構築
●第6章 産業開発計画始動後の満洲国金融資産負債
●第7章 産業開発計画始動後の間接金融機関の活動と再編
●第8章 満洲国期の証券業
●終  章 日本帝国圏満洲における民間金融の解体と結語
【参照文献】【索引】

 日本人の満洲への経済的進出は、日露戦争勃発期から始まり、満洲事変、日中戦争を経て、日本の敗戦まで続いた。満洲における日本人の経済的発展にとって、最も必要とされたのは、金融機関による資金調達であった。
 本書では、関東州や満鉄附属地といった公式に日本の行政権が及んだ地域に加え、さらに東支鉄道附属地や商埠地のみならず、占領下で構築された満洲国をもを含む、非公式に日本の権限が及んだ地域を総括して「日本帝国圏」と捉える。そして、この「日本帝国圏」において銀行、株式取引所等の民間金融機関の活動や、これに対する政策を検証する。

 この課題に対して以下の5点からアプローチ。
(1)日本の対満洲商業利権獲得、拡張を目指した政策史
(2)日本、満洲国の法体系の中で存在した金融制度
(3)満洲で活動した銀行、個別株式取引所、取引従事者の企業史、経営史
(4)満洲における非政府系銀行と株式取引所の発展・衰退・再拡大の過程
(5)満洲国金融資産負債統計に基づくマクロ経済把握

 従来の満洲金融研究においては、満洲中央銀行等の特殊金融機関を主な対象としてきたが、本書ではこれに加えて、地方都市で営業した銀行や、株式取引所も対象とする。
 また、従来不十分であった、金融資産負債統計についても、各種資料を比較・検討することによって、可能な限り厳密な統計表を復元することに努めた。
 これらの視点により、満洲において民間金融業者の果たした役割に、再び光を当てる。

柴田善雅(しばた・よしまさ)
 1949年新潟市生まれ。1973年早稲田大学政治経済学部卒業。1975年早稲田大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。1983年大蔵省入省。 同年一橋大学大学院経済学研究科経済史及び経済政策専攻博士後期課程単位取得退学。1995年大東文化大学国際関係学部教授、2020年名誉教授。2005年、博士(学術)(早稲田大学)。