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• 『フランク・ホーレー旧蔵「宝玲文庫」資料集成　全6巻』のカタログはこちらです。（pdf/2,324KB）

本書の内容

収蔵数一万七千余冊。豊富な古典籍を収集したホーレー文庫の全貌。

フランク・ホーレー（Frank Hawley 1906〜1961）英国ダラム州ストックトン・オン・ティーズに生まれる。リバプール大学卒業後東洋学を各地で学び、昭和6年（1931）東京外国語学校等の語学教師として来日。日本語に堪能で、古典文学や言語学、書誌学にも通じて多くの古書を収集。昭和16年（1941）、第2次世界大戦の開戦により英国に送還。戦後、英国の新聞ザ・タイムズ紙の特派員となり再び来日。昭和27年（1952）まで占領下の日本情報を発信し続けた。退職後55歳で没するまで、京都の山科で研究を続けた。

ホーレーは質量ともに豊富な古典籍を収集した。本草書、鯨および捕鯨に関する文献、琉球関係書、和紙に関する資料、古辞書・古活字などの収集に特徴がある。自らの研究に必要な書物を集めるなかで、より良いものを求めた結果、貴重書や稀覯本を多く含む蔵書が出来上がった。摺りや保存状態の良い「綺麗」な書物、内容的にも価値のある書物を多く含む蔵書である。来日後の十年間に収集した約１万７千冊の書物は、開戦と同時に「敵国財産」として指定・接収され、慶應義塾図書館が管財人の三井信託銀行を通じて購入した。戦後、ホーレーの熱心な返還要求が実り、爆撃による焼失を免れた書物が複数回にわたって返還された。この時に、返還書物の返還、受領、現品確認のための目録が作成され、照合・確認に用いられた。経済力に恵まれたホーレーの手元には上質のものが集まった。

【本書の特色】

●かつてはフランク・ホーレーが所蔵し、現在編者が保持している「宝玲文庫」に関する目録や資料を復刻して、ホーレーの蔵書に関わる詳細な情報を明らかにする。
●昭和16年に日本政府の行なった、ホーレーの蔵書に対する「敵国財産」指定と没収、その返却に際して執られた手続きの実際を示す資料である。
●「宝玲文庫」と日本古書界との関わりを示す資料を含む。
●四散したコレクションの中で、まとまって残されたハワイ大や天理大の宝玲文庫コレクションに関する資料を収める。
●フランク・ホーレーと「宝玲文庫」を長年研究してきた編者による詳細な解題と解説を付す。