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手塚治虫の芸術

手塚治虫の芸術

[著] ヘレン・マッカーシー [編集協力] 手塚プロダクション [序] 大友克洋

定価9,180円(本体8,500円) 
ISBN 978-4-8433-4579-5 C0070
B4判変型/上製/カバー装/オールカラー/272頁
刊行年月 2014年10月

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本書の内容

マンガの神様の、真髄に迫る—。膨大な作品とその生涯を、様々なエピソードを交え、ビジュアルに解説。

【日本図書館協会選定図書】

【序】  大友克洋

 手塚治虫が日本漫画の嚆矢ではない。それ以前にも、同時期にも漫画家はいた。  
 しかし、手塚作品は漫画表現を映画的にする事によってストーリーの娯楽化、多様性を確立し、ある時代の日本漫画の基礎を作ったと言える。映画でよく使用されるクローズアップ、パン、ティルト等のカメラワークは漫画のコマに変化を与え、ライティングは感情表現を深くし、そしてディズニーによってもたらされたキャラクターの脱日本化、これは敗戦国日本に入ってきた西洋文化(主にアメリカだが)に対する日本人の憧憬の感情にオーバーラップしている。漫画は読んでただ面白いものからストーリーの持つ世界観、社会性、テーマへと展開、発展し、手塚治虫自身も手掛けたアニメーションの表現へと還元されていった。  
 世界のコミックを見ても、短期間にこれだけジャンルとして成長した例を他に見ない。それは手塚治虫の絵に依るところが大きい。ディズニーアニメのキャラクターから転用されたそれは動きが自ずからあり、表情も豊富なのだ。そして正確なデッサンを要求しない。それは日本漫画の記号化を生み、だからこそ爆発的なエピゴーネンが現れ、マンガは一大産業と化してしまう。それ程手塚治虫の中には情熱と想像力があったのだ。  
 今、日本の漫画は手塚治虫の始めた場所から遠くへと来てしまっている。多様性は画一化へ、イマジネイションはルーティンに陥って、エントロピーの増大を思わせるが、その極北の地にも細くはあるが手塚治虫の水脈はまだ流れていると、僕は思っている。

本書を推薦します 小野 耕世 国士舘大学 21世紀アジア学部客員教授 日本マンガ学会会長

【夢の実現】 
 2010年、フランスのアングレーム国際コミックス祭で、私は手塚治虫についてのトークを行なったが、来場した海外の手塚ファンの層も、彼らが好きな手塚漫画も多彩だった。それは手塚作品の驚くほど広い内容が世界性を持っていることを示していた。手塚マンガの翻訳海外版も、初期作品も含み、いままで多くが刊行され、研究も進みつつある。  
 これこそ生前の作者が、最も望んでいたことだった—と思い返すのは、手塚治虫の海外旅行に、私は六回ほど同行しているからかもしれない。手塚治虫は、世界の漫画家やアニメ作家たちと目を輝かして語り、その知的好奇心とユーモア、暖かい人柄で彼らを常に魅了していた。  
 そしていま、その生涯を追ってきたイギリスの研究者によって、手塚マンガの魅力を豊富な図版と写真で一望できる本書が刊行されることを、なによりも喜びたい。手塚先生、まるで夢のようですね。

【本書の特色】
●ふだん見ることのできない写真をたっぷり紹介。
●マンガとアニメの世界にもっとも大きな影響を及ぼした人物のすべてを明らかにする。
●ハーベイ賞受賞、アイズナー賞ノミネートなど、海外の専門家たちから高評価を得た名著、待望の翻訳!

<著者紹介>
ヘレン・マッカーシー 
欧米を代表する日本文化の研究家。著作多数。雑誌『Anime UK』を創刊し、バービカン・センターで手塚のアニメ作品の上映会を催した。『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙はマッカーシーについてこう書いている。「ヘレン・マッカーシーは英語圏の人々に日本のマンガとアニメのすばらしさをほぼ独力で伝えた」。

目次

序文(大友克洋)
はじめに

01章 若き日の手塚治虫―写真で見るその人生
02章 キャラクター紹介―スターシステム
03章 ロケットマン
04章 少年少女のための冒険ファンタジー
05章 すばらしい新世界―1960年代
06章 苦悩のとき―1970年代
07章 晩年の活躍―1980年代
08章 失くしたもの―未完成の作品
09章 手塚治虫という遺産

参考文献
写真クレジット
謝辞
事項・人名索引
作品名索引