渡満とは何だったのか
—東京都満州開拓民の記録—
定価8,800円(本体8,000円)
ISBN 978-4-8433-4360-9 C3021
A5判/上製クロス装カバー/588頁
刊行年月 2013年12月
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本書の内容
「誰一人として動く者も起き上がる者もなく、伏せたまま撃たれるだけ撃たれた」(「集団第十二次仁義仏立開拓団資料」より) 新たに見いだされた一級資料に基づく、 東京都送出の知られざる満州開拓団の全貌。
【日本図書館協会選定図書】
【刊行にあたって】
大著『新潟県満州開拓史』をまとめた編著者が、新潟県庁で発見した「東京都送出単独開拓団資料」とそのほかの資料に、開拓団員の手記やインタビューを加えて、東京都が送出した満州開拓団の入植から引き揚げそして戦後の再入植の顛末を詳細に記した史書。発掘全資料を原典のまま本書に収録。 「東京都送出単独開拓団資料」は1957(昭和32)年に東京都が編纂したものであるが、編著者によると、東京都では資料は見られず、その資料の編纂の事実も忘れられている。そして新潟県に送られた4分冊の冊子を、編著者が発見した。本書の中心となるのは、第3章から第7章の15の開拓団、6つの青少年義勇軍、3つの報国農場、そして鏡泊学園等の3団体の記録である。入植、現地での生活、そして逃避行、引き揚げを、資料に基づき詳述する。また、第1章では、「東京都送出単独開拓団資料」の発見経緯とその内容について、第2章では東京都送出満州開拓団の編成特質、第8章では開拓団の終焉、第9章では、開拓団引揚者の再入植などの戦後の苦難を記す。
本書の特色
●「東京都送出単独開拓団資料」に基づき、東京都送出の満州開拓団の詳細な事実を掘り起こす。
●関係者の手記にあたり、またインタビューを試み、資料による事実を肉付けする。
●各開拓団について、原典の収録と図表により、具体的な事実を提示する。
≪目次≫
はじめに
●第1章●『東京都満州開拓民の記録』の編集
●第2章● 東京都が送り出した満州開拓民
●第3章● 東京都送出集団開拓団の記録
●第4章● 東京都送出集合開拓団の記録
●第5章● 東京都が送り出した義勇隊青少年
●第6章● 東京都送出満蒙開拓青少年義勇軍の記録
●第7章● 東京都設立在満報国農場等の記録
●第8章● 満州開拓団の終焉
●第9章● 東京都満州開拓民の戦後
おわりに
参考文献
【編著者紹介】高橋健男 たかはし・たけお 1946(昭和21)年1月新潟県生まれ。1968年新潟大学教育学部卒。1986年上越教育大学大学院修了。県内国公立小中学校の副校長・校長を歴任し、2006年3月定年退職。現職中より満州開拓団・満蒙開拓青少年義勇軍に関する調査研究に着手。関係者への聞き取りと国内関係地調査を続けるとともに、中国東北部の開拓団入植現地を訪問。【著書】『新潟県満州開拓史』2010、『幻の松花部隊:若き義勇隊員たちの満州』2011、『満州開拓民悲史:碑が、土塊が、語りかける』2008,『赤い夕陽の満州にて:「昭和」への旅』2006、ほか。