書誌書目シリーズ97
書物通の書物随筆 全8巻
揃定価123,200円(揃本体112,000円)
ISBN 978-4-8433-3686-1 C3300
A5判/上製/函入
刊行年月 2011年08月
本書の内容
昭和初期に「書物通」といわれた、在野の読書家たちが著した、歴史的回想や書誌的解題集。
【本書の特色】
◆当時、三田村鳶魚や三村竹清に匹敵する教養、学識を持ちながら、今日忘れられてしまった名書物随筆家たちの名文が満載。
◆著者それぞれの個性が存分に発揮された好著。
◆本随筆集で取り上げる文献や史料は、各著者の見識の高さや古書売買における鑑識眼の高さから、今日読んでも面白く、古文献等の解題史料としても貴重である。
書誌書目シリーズ97 書物通の書物随筆 第1巻 赤堀又次郎『読史随筆』(一九二八 中西書房)
刊行年月 2011年08月
定価18,700円
(本体17,000円)
ISBN978-4-8433-3687-8
在野の国語・国文学者である赤堀又次郎が、時事問題を切り口に古今の制度や風俗・地理の変遷を該博な知識をもとに論じた随筆集。特に各地で行われた展覧会に関する著者の批評は、その出品物はもとより、当時の「展覧会」文化を知る上で貴重な手掛かりとなる。同時代の古書通、古美術界の広がりを窺わせる貴重書籍。
書誌書目シリーズ97 書物通の書物随筆 第2巻 赤堀又次郎『紙魚の跡』(一九三〇 民友社)
刊行年月 2011年08月
定価12,100円
(本体11,000円)
ISBN978-4-8433-3688-5
日本及び中国の印章・硯・筆などの文具から絵巻物や仏像、更にそれらを保存した機関(主に寺社)の歴史や鑑賞点を達意の文章で綴った随筆集。平易な叙述のなかにも長い蒐書歴に裏打ちされた批評、現代にも通じる鋭い識見に満ちている。そのほかにも当時活躍しながら現在では埋もれた人物や伴大納言絵巻の流伝経緯など、貴重な挿話を収録。
書誌書目シリーズ97 書物通の書物随筆 第3巻 高梨光司『読書雑記』正(一九三一 伊藤一男)
刊行年月 2011年08月
定価11,000円
(本体10,000円)
ISBN978-4-8433-3689-2
(第3巻・第4巻 高梨光司『読書雑記』正・続 について)
著者は関西の代表的な古書通で、元大阪日日新聞記者。文献解題や伝記の著述家として定評がある。本書の内容は、著者が新聞、図書雑誌に寄稿した書籍に関する随筆を中心にまとめたもの。古今の稀少文献、資料の解説的文章が並ぶ。正編の好評を受けて編まれた続編の末尾には当時の代表的な国史、国文学等の人文学者、読書家、好事家の正編への感想を収録し、著者の交友の広さとその学識の高さを知ることが出来る。
書物通の書物随筆 第4巻 高梨光司『読書雑記』続(一九三二 私家版)
刊行年月 2011年08月
定価15,400円
(本体14,000円)
ISBN978-4-8433-3690-8
書誌書目シリーズ97 書物通の書物随筆 第5巻 高梨光司『読書の興味』(一九三三 私家版)
刊行年月 2011年08月
定価18,700円
(本体17,000円)
ISBN978-4-8433-3691-5
『読書雑記』の好評を受けて出したと思われる「限定私家版三百部」。『読書雑記』と同じく著者の史書、書籍の造詣の深さが窺える。内容は「現代は読書子の天国」を冒頭に置く「読書管見」「愛書漫録」「名家片影」「故人追憶」「維新史 明治史」「大阪と民権運動」「随感随録」「新著妄批」「春興雑記」「秋日余課」など大阪から見た近代日本の読書界が語られる。
書誌書目シリーズ97 書物通の書物随筆 第6巻 河原万吉『古書叢話』(一九三六 啓文社)
刊行年月 2011年08月
定価22,000円
(本体20,000円)
ISBN978-4-8433-3692-2
古書に関する知識を網羅的に集成した著作。「古書に就いて初歩的知識を求めらるる人々のために之を世に送る」という通り、基本的に専門人より一般読者への古書案内記で、古書の形態、歴史的変遷を紹介する。しかし、興味深いトピックが並び、読み物としても手引書としても有益。附録として巻末に附した古写本に関する記述も資料的価値が高い。
書誌書目シリーズ97 書物通の書物随筆 第7巻 河原万吉『古書通』(一九三〇 四六書院)
刊行年月 2011年08月
定価9,900円
(本体9,000円)
ISBN978-4-8433-3693-9
通叢書の一環として、「一般読書人に対して、古書に関する一般常識を知らしめる」「本書は一の案内書」と銘打つ。『古書叢話』の原型的著作。
書誌書目シリーズ97 書物通の書物随筆 第8巻 桐島像一『読書管見』(一九三八 日光書院)
刊行年月 2011年08月
定価15,400円
(本体14,000円)
ISBN978-4-8433-3694-6
著者は三菱財閥の大幹部である傍ら、粋人で愛漁家としても知られ『品川湾の投網』という著作もある。本書は遺稿集の形をとり晩年の長い療養期間中に読書で得た見聞を基に綴られた随筆集。戦前の典型的な実業家教養人の読書体験を知ることの出来る著作。なお、著者・像一は評論家・桐島洋子の祖父。