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富豪への道と美術コレクション ―維新後の事業家・文化人の軌跡―

ゆまに学芸選書ULULA 4
富豪への道と美術コレクション ―維新後の事業家・文化人の軌跡―

[著] 志村和次郎

定価1,980円(本体1,800円) 
ISBN 978-4-8433-3614-4 C1370
四六判/上製カバー装
刊行年月 2011年11月 ※品切れ

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本書の内容

事業家たちは如何にして巨万の富を成し、 自らの財を美術品蒐集の名で世に還元したのか? 知られざる事業家たちの秘話でその素顔に迫る。

【日本図書館協会選定図書】

■著者
 志村和次郎 ノンフィクション作家
(※本データはこの書籍の刊行時のものです)

明治期に起業し財を成した事業家たちは、如何にして巨万の富を築きあげたのか。なぜ巨財を投じてまでして、優れた美術品を蒐集したのか。彼らの成功プロセスをたどりながら、美術コレクション意欲とそれを駆り立てた事業意欲とを探求した興味深い一冊。

【おもな収録人物と美術館】
●岩崎彌太郎、岩崎彌之助・三菱財閥/静嘉堂文庫
●三井財閥/三井記念美術館
●住友春翠、住友財閥/泉屋博古館
●大倉喜八郎/大倉集古館
●藤田傳三郎/藤田美術館
●松方幸次郎/松方コレクション・国立西洋美術館
●原善三郎、原三渓/三渓園
●大原孫三郎/大原美術館
●出光佐三、出光興産/出光美術館
●タイヤ王・石橋正二郎/ブリヂストン美術館
●鉄道王・根津嘉一郎/根津美術館
●宝塚・東宝・小林一三/逸翁美術館 
●五島慶太・大東急コンツェルン/五島美術館
●野村徳七・野村コンツェルン/野村美術館
●原六郎・銀行家/原美術館・ハラ ミュージアム アーク

目次

はじめに
一.なぜ事業家はコレクションをはじめたか
・事業に成功した創業経営者たち
・文化人としての美意識と文化財保護の使命感
・美術品の海外流失を防ぐ
・旧大名家・華族の没落と売立て
・事業家によるコレクションの変遷
・伝統文化を守った井上馨の功労
・伝統文化とコレクションの結合
・先駆的コレクターのリーダー・益田孝
・パトロンとしての役割とコレクション
二.大富豪による芸術文化への支援と美術館創設
・財閥の形成とその主人公たち
・三井財閥の芸術支援と三井記念美術館
・住友春翠の芸術・文化支援と泉屋博古館
・三菱財閥の形成と岩崎禰之助の静嘉堂文庫
・大倉喜八郎の文化支援と大倉集古館
・藤田財閥の創始者・藤田傳三郎と藤田美術館
三.国際実業家・松方幸次郎と松方コレクション
・国際感覚で川崎重工業を築く
・松方幸次郎の事業手腕
・経営多角化で新規事業に進出
・西洋美術品の蒐集とブラングィンの協力
・Uボートの設計図入手ためのカムフラージュ
・浮世絵とロダン彫刻コレクションの大パトロン
・幻に終った美術館の建設
・戦後フランスから返還された松方コレクション
・国立西洋美術館が開設される
四.生糸貿易・原富太郎の芸術家支援とコレクション
・生糸一筋で財を成した初代・原善三郎
・生糸貿易で財をなした原三溪
・三溪が蒐集した古美術品と茶会
・原三溪と岡倉天心に友情
・芸術家のパトロンとしての原三溪
・原三溪の下村観山支援
・原三溪蒐集品の流出と移動
・三溪園の魅力
五.メセナ実業家・大原孫三郎と大原美術館
・大原孫三郎の社会事業の原点
・事業家として大原財閥を築く
・パトロンとして児島虎次郎を育てる
・日本民藝館の設立を支援
・長男・総一郎により継承された事業
・文化のパトロンの継承と拡大
・大原美術館の魅力
六.出光佐三の独立・自立経営と美のコレクション
・独立経営で基盤を成した出光興産
・人間尊重と事業の芸術化
・仙厓義梵の禅画と鈴木大拙との親交
・出光佐三の美術品コレクション
・出光美術館の魅力
七.タイヤ王・石橋正二郎とブリヂストン美術館
・地下足袋からタイヤ製造、ブリヂストンを創業
・事業家として独創的な独走理念
・絵画コレクションのはじまり
・坂本繁二郎と青木繁
・名画蒐集と芸術支援活動を本格化
・ブリヂストン美術館の開設
・美術館の特長と魅力
八.鉄道王・根津嘉一郎の美術品コレクション
・独自の事業センスの発揮
・鉄道王といわれるまでの道
・美術品蒐集家・茶人としての根津青山
・根津美術館の公開と見所
九.独創的事業家・小林一三と逸翁美術館
・銀行員としての出発
・電鉄事業を軌道に乗せる
・独創的発想で宝塚・東宝の創業
・茶道の大衆化を提唱した独創者
・小林一三の資料館を兼ねた逸翁美術館
一〇.豪腕事業家・五島慶太と五島美術館
・高級官僚を志して勉学に燃える
・大東急コンツェルンを築きあげる
・五島慶太の教育・文化支援事業
・五島慶太の美術品蒐集と茶の湯
・「源氏物語絵巻」の取得
・五島慶太と高梨コレクション
・五島美術館の魅力
一一.野村コンツェルン・野村徳七と野村美術館
・証券界の飛び将軍・野村徳七
・野村コンツェルンを築く
・野村得庵の茶湯と能楽
・碧雲荘と泉石の芸術
・野村美術館を創設
一二.銀行家・原六郎と原コレクション
・時代をリードした実業家・原六郎
・国益を考えた原觀海のコレクション
・原美術館の魅力
・別館・ハラ・ミュージアム・アークの魅力
一三.事業家の社会貢献と美術館の公共性
・事業家たちの本業と趣味
・個人の趣味とパトロネージへの関心
・フィランソロピーの一環としてのメセナ
・美術品の公共性とコレクション公開の必要性
・美術品公開の法的整備
・小さな美術館の開設に向けて

おわりに
参考図書・文献
事業家がつくった美術館一覧