HOME書籍検索 > 昭和前期音楽家総覧―『現代音楽大観』― 全3巻

昭和前期音楽家総覧―『現代音楽大観』― 全3巻

昭和前期音楽家総覧―『現代音楽大観』― 全3巻

[監修・解説] 倉田喜弘 [解題] 林淑姫 [協力] 日本近代音楽館

定価82,500円(本体75,000円) 
ISBN 978-4-8433-2824-8 C3373
B5判上製/函入/約1400頁
刊行年月 2008年04月 ※品切れ

オンライン書店

オンライン書店で『昭和前期音楽家総覧―『現代音楽大観』― 全3巻』の情報をチェックする

本書の内容

★電子書籍版刊行しました★
価格等は、KinoDen/Maruzen eBook Library/EBSCO eBooks ほか各サービスにお問い合わせ下さい。

※分売不可です。

昭和初年当時の、専門家1600余名、関係者及び愛好家160余名の略伝と活動状況を収載。更に巻頭に当時の音楽界の状況を詳述。音楽史のみならず、広く文化史などの研究に有益な史料。


【本書の特色と主な収録内容】
●日本近代音楽館所蔵の『現代音楽大観』(一九二七/昭和二年)を復刻、「増補版」の増補部分を付載。
●昭和初年に於ける邦楽・洋楽の現状解説につづき、本書の主要部分、当時の和洋音楽関係者の人名録を約八〇〇頁にわたって収録。専門家一、六〇〇余名、関係者及び愛好家一六〇余名の略伝と活動状況を収載。音楽史のみならず、広く文化史などの研究に有益な史料でもある。
●それぞれ、経歴、流派、系統、芸風を詳述、その多くには肖像写真が付されている。
●名鑑中「関係者並愛好家」には、政財界人、華族、文化人が名を連ねており、その人物の意外な側面を知ることが出来る。例えば、頭山満(筑前琵琶)、徳川家達(能楽)、大倉喜八郎(一中節)、嘉納治五郎(説教節)、安田善次郎(能楽)、西園寺公望(小唄)、清浦奎吾(能楽)、三井八郎右衛門(能楽)など。
●本書には一九二九(昭和四)年刊行の増補版があり、その増補部分を本復刻版巻末の収録。なお、初版に掲載され、増補版では掲載されていない人物もある。
●解説(倉田喜弘)と解題(林淑姫)を付す。
●復刻にあたり、五〇音順の人名索引を付す(名鑑の配列は「分野別いろは順」)。

【収録内容】
▼《上巻》
・緒言 ・国歌「君が代」の由来
・日本音楽の系統 ・日本音楽の趨勢
・西洋音楽の発達

▼《中巻》
 ―現代音楽家総覧―
・和楽の部
 雅楽/声明/礼讃舞/能楽/狂言/尺八 筝曲/一絃琴/二絃琴/吉備楽/琵琶/義太夫節/河東節/一中節/常盤津節/新内節/薗八節/東明節/富本節/清元節

▼《下巻》
・和楽の部(承前)
 荻江節/説教節/長唄/歌澤/小唄/民謡/演歌/舞踊
・関係者並愛好家
・洋楽の部
 調律/製作/出版

『現代音楽大観』増補版(増補部分抜粋)
・再版に際して 
・和楽の部増補目次
・和楽の部
 能楽/尺八/筝曲/義太夫節/常盤津節
・関係者並愛好家
・洋楽の部
・解題(林淑姫)・解説(倉田喜弘)
・掲載人物索引(五十音順)

百花斉放 ― 昭和音楽界のマニュアル   倉田喜弘(芸能史研究所所長、近代日本芸能史研究家)

 『現代音楽大観』は一九二七年(昭和二年)に刊行された。音楽家の総覧が、日本に初めて誕生した。
 ここに掲載された人たちは、前代の明治・大正時代、音楽の振興に努めた。しかし音楽の大いなる発展は昭和期で、本書刊行の一九二七年から音楽家の”百花斉放“が始まる。音楽家を花に例えるなら、その一人ひとりが開花する土壌を、本書はよく教えてくれる。
 美しく咲き匂う花は、一七〇〇本あまり。花の土壌を種目別に眺めると、雅楽や能楽をはじめ義太夫や長唄など各種の三味線音楽は、明治中期から復活する。明治後期になると琵琶が大流行。さらに大正期の筝曲・尺八と舞踊。そして昭和期には洋楽が急速に発展する。こうした史観の下に本書を眺めると、音楽の水脈を何本も探り出せるのである。
 このたび、日本近代音楽館のご協力で「現代音楽大観」を復刻できることは、まことに喜ばしい。さらにまた一九二九年(昭和四年)、一五〇名あまりを追加した増補版が刊行されているが、ともに本書に収めることができた。
 花を育てた水脈は、汲めども尽きない。「現代音楽大観」がひとり音楽だけではなく、日本文化の研究に大きな役割を果たすことを願っている。