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布施辰治著作集 全16巻・別巻1

布施辰治著作集 全16巻・別巻1

[監修] 明治大学史資料センター [各巻解題] 村上一博 [各巻解題] 山泉進 [各巻解題] 中村正也

揃定価380,160円(揃本体352,000円) 
ISBN 978-4-8433-2476-9 C3332
A5判上製/函入

本書の内容

米騒動、亀戸事件、朴烈事件、そして三鷹事件等の弁護にあたり、敢然として官権に立ち向かう―。大正・昭和期の弁護士、社会運動家、そして日本のシンドラーと呼ばれた男、布施辰治の著作を初めて集成。

布施辰治著作集の刊行に期待する 土屋恵一郎(明治大学法学部長)
 布施辰治にたいする韓国政府による「建国勲章」授与の決定がなされたのが二〇〇四年一〇月であった。メディアでは「日本のシンドラー」と報道され、反響をよんだ。そのことを契機にして、翌年一月、韓国から鄭 泳、李文昌の両氏をお迎えして、明治大学法学部主催による記念シンポジウム「布施辰治・自由と人権」を開催したが、これまた盛大な会になった。同時に、駿河台にある中央図書館においては、石巻文化センターの協力のもとに「布施辰治展」を企画することができた。布施辰治の名前は、明治法学部の卒業生のなかで欠かすことができないものになっている。
 明治大学は、一八八一(明治一四)年司法省法学校に学んだ三人の若き法律家たちによって創立された。「権利自由」「独立自治」を建学の理念としたが、その精神は布施辰治をはじめとする在野法曹、人権派弁護士たちに受継がれることになった。布施辰治が卒業する一九〇二(明治三五)年は、まだ明治法律学校とよばれていた時代で、翌年に明治大学と改称されることになった。この世紀の変わり目の時代、明治大学からは山崎今朝弥、平出修などの多くの在野、人権派弁護士が輩出した。布施辰治は当時の判検事試験合格後、宇都宮地方裁判所に赴任したが、ある事件をきっかけにして突然に辞職することになった。「自己完成」を目指した布施からすれば「国家至上主義」には堪えがたいものがあるということが理由であった。以後、トルストイの思想的影響をうけ、社会的弱者の人権や思想の自由の擁護を求めて、「民衆のための」活動を続けていった。
 今回、法学部所属の村上一博、山泉進教授たちの尽力により「布施辰治著作集」が刊行することが決まり、法学部長としてこのうえない喜びを感じている。この快挙によって、布施辰治の活動の全容が解明されることを期待すると同時に、布施辰治の思想の現代的な意義が再評価されることを希望したい。

「生くべくんば民衆と共に」 イ ヒョンナン(中央大学総合政策学部教授)
 私が朝鮮近代史を勉強しはじめた頃、日本からわざわざ朝鮮に赴いて、朝鮮人の独立運動・社会運動に惜しみない支援を行った、日本人弁護士の存在を知り、感動したことは未だに忘れられない。
 かれは、朝鮮人から信頼が厚く、「我らの弁護士ポシジンチ」と呼ばれた、布施辰治である。
 布施が朝鮮人事件にはじめて弁護席に立ったのは、一九一九年二・八朝鮮独立宣言関連の出版法違反事件であった。自らかって出て「朝鮮侵略の不当性、独立運動の正当性」を弁論するが、当時他の弁護人には見られない、このような「突飛」な姿勢は、法廷弁論において一貫していた。戦前の朝鮮共産党事件、朴烈・金子文子大逆事件、義烈団事件をはじめ、戦後占領期の神戸朝鮮人学校事件、国旗掲揚事件、深川事件、朝連・民青解散事件、東京朝鮮学校事件、台東会館事件や、様々な生活関連事件にいたるまで、数多くの在日朝鮮人の事件の弁護を担当する。
 さらに布施の足跡を辿っていくと、普通選挙要求運動、廃娼運動、労働運動、農民運動、無産政党運動、水平運動など、日本のあらゆる社会問題・社会運動にかかわっていることがわかり、布施を通じて、韓国と日本の社会・民衆が繋がっていることが実感される。
 この全集に収められたのは、「生くべくんば民衆と共に、死すべくんば民衆のために」という座右の銘をこの世を去るまで実践しつづけた軌跡の一部分であるが、いうまでもなく私たちに残してくれたかけがえのない大切な遺産である。
 過去を直視しつつ、未来に向けて着実に歩んでいく若者たちが、布施の生き様に触れることを切実に願う。布施の存在は、国民国家をのりこえて、新しい日韓関係・東北アジア共同体を実現していく道程において、灯台として、様々な角度から光を照らし、励ましてくれるはずである。

布施 辰治 ふせ たつじ
一八八〇年一一月一三日~一九五三年九月一三日 宮城県石巻市出身の弁護士・社会運動家。一九〇二年明治法律学校(現・明治大学)卒業後、判検事試験に合格、宇都宮地方裁判所に赴任するが、まもなく辞官、弁護士となる。社会運動擁護のために、東京市電値上反対事件(一九〇六年)、米騒動(一九一八年)、亀戸事件(一九二三年)、朴烈事件(一九二四年)などの弁護、救援に当たる。第二次世界大戦後も、三鷹事件の弁護団長になるなど、多彩な活躍をした。また日本統治下の朝鮮で、独立運動家の弁護活動を数多く引き受けた。韓国では「日本のシンドラー」とも呼ばれている。二〇〇四年、日本人初の韓国建国勲章を受章。

【本書の特色】
◆初めての著作集
明治・大正・昭和にかけて刊行された布施辰治の主要著作を網羅。
◆各巻ごとの詳細な解題
各巻の巻末に、明治大学の第一線で活躍している研究者による解題を付す。
◆高い資料価値
所蔵機関が極めて限られており、市場でも目にすることができない、貴重な著作を多数含む。

布施辰治著作集 第1期 全8巻

刊行年月 2007年07月 揃定価197,640円 (揃本体183,000円) ISBN978-4-8433-2477-6 C3332
A5判上製/函入

布施辰治著作集 第1巻

刊行年月 2007年07月 定価25,920円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-2479-0 C3332
A5判上製/函入

「挂冠の辞」『明治法学』62号明治三十六年十月
「時効中断の事由たる請求の意義」『日本弁護士協会録事』明治四十一年四月
『君民同治の理想と普通選挙』大正六年三月・布施辰治法律事務所
『司法機関改善論』大正六年三月・布施辰治法律事務所
『生きんが為に―法廷より社会へ、米騒擾事件の弁論公開』大正八年九月・布施辰治法律事務所

布施辰治著作集 第2巻

刊行年月 2007年07月 定価20,520円 (本体19,000円) ISBN978-4-8433-2480-6 C3332
A5判上製/函入

『普選の実施は果して何時? 如何にして!』大正十二年十二月・自然社
『法律上から見た焼跡借地借家権』 大正十三年一月・自然社
『急進徹底普選即行』 大正十三年三月・自然社
『復興計画と住宅対策』 大正十四年七月・自然社

布施辰治著作集 第3巻

刊行年月 2007年07月 定価25,920円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-2481-3 C3332
A5判上製/函入

『審くもの審かれるもの』 大正十三年十一月・自然社
『公娼自廃の戦術と法律』 昭和元年十月・厚生閣

布施辰治著作集 第4巻

刊行年月 2007年07月 定価16,200円 (本体15,000円) ISBN978-4-8433-2482-0 C3332
A5判上製/函入

『共産党事件に対する批判と抗議』 昭和四年六月・共生閣
『無産者モラトリウム論』 昭和四年十一月・共生閣

布施辰治著作集 第5巻

刊行年月 2007年07月 定価25,920円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-2483-7 C3332
A5判上製/函入

『小作争議法廷戦術教科書』 昭和五年一月・希望閣
『殺人的不景気切ぬけ戦術』 昭和五年九月・大鳳閣

布施辰治著作集 第6巻

刊行年月 2007年07月 定価25,920円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-2484-4 C3332
A5判上製/函入

『死刑囚十一話』 昭和五年九月・山東社
『自治研究講話』 昭和五年十二月・火花社

布施辰治著作集 第7巻

刊行年月 2007年07月 定価25,920円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-2485-1 C3332
A5判上製/函入

『殺人的不景気の正体暴露とその切抜策!』 昭和六年一月・春陽堂
『家賃・解雇手当・借金・損害賠償・支払命令等と如何に戦ふか?』 昭和五年十二月・春陽堂

布施辰治著作集 第8巻

刊行年月 2007年07月 定価31,320円 (本体29,000円) ISBN978-4-8433-2486-8 C3332
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『家賃・地代にたいする法律戦術』 昭和六年十一月・浅野書店
『借金にたいする法律戦術』 昭和六年十一月・浅野書店
『無尽・保険・月賦・其他の掛金にたいする法律戦術』 昭和六年十二月・浅野書店

布施辰治著作集 第2期 全8巻・別巻1

刊行年月 2008年01月 揃定価182,520円 (揃本体169,000円) ISBN978-4-8433-2478-3 C3332
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布施辰治著作集 第9巻

刊行年月 2008年01月 定価28,080円 (本体26,000円) ISBN978-4-8433-2487-5 C3332
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『電燈・ガスにたいする法律戦術』 昭和七年二月・浅野書店
『小作争議にたいする法律戦術』 昭和六年十一月・浅野書店
『支払命令・仮差押・競売にたいする法律戦術』 昭和六年十二月・浅野書店

布施辰治著作集 第10巻

刊行年月 2008年01月 定価28,080円 (本体26,000円) ISBN978-4-8433-2488-2 C3332
A5判上製/函入

『裁判と調停にたいする法律戦術』 昭和七年三月・浅野書店
『解雇・退職手当にたいする法律戦術』 昭和七年三月・浅野書店
『電燈争議の新戦術』 昭和八年四月・希望閣

布施辰治著作集 第11巻

刊行年月 2008年01月 定価17,820円 (本体16,500円) ISBN978-4-8433-2489-9 C3332
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『天皇制の批判 打倒? 支持?』 昭和二十一年・新生活運動社
『運命の勝利者 朴烈』 昭和二十一年・世紀書房
『有罪か無罪か大衆の裁きに訴う』 昭和二十五年・日本労農救援会
『公安条例廃止の提唱』 昭和二十六年・公安条例廃止期成同盟

布施辰治著作集 第12巻

刊行年月 2008年01月 定価18,900円 (本体17,500円) ISBN978-4-8433-2490-5 C3332
A5判上製/函入

村上一博

『法廷より社会へ』 大正九年~大正十年

布施辰治著作集 第13巻

刊行年月 2008年01月 定価16,200円 (本体15,000円) ISBN978-4-8433-2491-2 C3332
A5判上製/函入

『生活運動』 大正十一年~昭和二年

布施辰治著作集 第14巻

刊行年月 2008年01月 定価19,440円 (本体18,000円) ISBN978-4-8433-2492-9 C3332
A5判上製/函入

『法律戦線』 昭和二年~昭和五年
『小作争議の戦術と調停法の逆用』 昭和三年四月・生活運動社

布施辰治著作集 第15巻

刊行年月 2008年01月 定価19,440円 (本体18,000円) ISBN978-4-8433-2493-6 C3332
A5判上製/函入

※収録内容は、14巻と同じ

布施辰治著作集 第16巻

刊行年月 2008年01月 定価16,200円 (本体15,000円) ISBN978-4-8433-2494-3 C3332
A5判上製/函入

『公民常識』 昭和十二年~昭和十三年

布施辰治著作集 別巻

刊行年月 2008年01月 定価18,360円 (本体17,000円) ISBN978-4-8433-2495-0 C3332
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