
中国建築図解辞典【new!】
Illustrated Dictionary of Classical Chinese Architecture
定価19,800円(本体18,000円)
ISBN 978-4-8433-7379-8 C1052
B5判/上製・カバー装・オールカラー/380頁
刊行年月 2026年11月(予定)
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本書の内容
中国のユネスコ世界遺産を多数収録! 中国建築の奥深い魅力と歴史を学ぶことのできる辞典。
発行:科学出版社東京/発売:ゆまに書房
1300の項目すべてに詳細なイラストと写真付き。
初学者から専門家まで必携の書
目次
●第1章 屋 根
●第2章 牆 壁
●第3章 基 壇
●第4章 柱
●第5章 欄 杆
●第6章 鋪 地
●第7章 瓦
●第8章 梁 架
●第9章 彩色画
●第10章 斗 栱
●第11章 雀 替
●第12章 天 井
●第13章 門
●第14章 窓
●第15章 間仕切
●第16章 家 具
●第17章 扁額・対聯
●第18章 亭
●第19章 民 家
●第20章 橋
●第21章 塔
●第22章 陵 墓
●第23章 城池と城関
●第24章 宮 殿
●第25章 戯 台
●第26章 彫 塑
●第27章 琉 璃
●第28章 牌 坊
●第29章 石 窟
●第30章 実 例
●索引
刊行のことば『中国建築図解辞典』日本語版の刊行にあたって ―中国古建築を楽しむために 向井 佑介
中国建築といえば、何を思い浮かべるだろうか。黄色い瓦を屋根に載せた、北京故宮の巨大な宮殿建築だろうか。あるいは、横浜や神戸の中華街の入口に聳え立つ門(牌楼・牌坊)を思い浮かべる人もいるだろうか。いうまでもなく、後者は一種のテーマパークであり、中国風につくられた日本の現代建築にすぎない。しかし、そこに中国文化の趣が感じられるのは、なぜだろう。本書を開いてみれば、その理由がなんとなくわかる。それは、牌楼・牌坊という日本にはない建築形式を採用しているだけでなく、屋根の施釉瓦(琉璃瓦)、隅棟の走獣、斗栱の配置、彩色画の図案など、中国伝統建築に特徴的な諸要素がちりばめられているからである。
一般に、日本人が抱く中国建築のイメージは、多分に重層的かつ限定的である。古代から中世にかけて、大陸の建築様式が数次にわたってもたらされ、それを選択的に受容するなかで、日本の建築様式が形成されてきた。ごく大雑把にいうならば、唐や宋の建築は日本の古代・中世建築の源流にあたり、それゆえ日本の古建築からさかのぼって中国建築を眺めようとする意識が、私たちにはある。しかし、本書をざっと眺めるだけでわかるように、実際の中国建築は実に多様である。とりわけ明清時代の宮廷建築や庭園建築、あるいは各地に現存する古民家などは、日本建築と大きく異なっている。両国の間には長期にわたる断続的な交流があるとはいえ、日本に伝えられた情報は限定的であり、さらに日本の文化や環境にあわせて取捨選択がなされたことが、両者の隔たりをいっそう大きくしている。もちろん、日本建築の源流をさぐるという目的においても、本書は役に立つ。ただ、そうしたことはいったん脇に置いて、本書を手に中国建築の広大な海へと漕ぎ出していけば、きっと新しい発見があり、その奥深い魅力に触れることができるはずである。
本書『中国建築図解辞典』は、2024年に翻訳出版した前書『中国庭園図解辞典』の姉妹編である。姉妹編であるから、その特徴も前書と共通する部分が少なくない。著者の王其鈞氏は建築学者であると同時に画家としても高く評価されており、本書には著者自身が描いたカラーの挿絵が多数収録されている。その項目数はおよそ1300にもおよび、前書よりずっと多い。それらの厖大な項目を、建築の部位や種類ごとにわけて配列しているところに、本書の大きな特徴がある。その章立ては、屋根・牆壁・柱などの部位ごとに関係項目を整理したあと、彩色画や内部装飾について解説がなされる。つづいて、亭・民家・橋・塔・陵墓・宮殿・牌坊・石窟など建築の類型ごとに説明があり、最後にさまざまな建築の実例がまとめられている。ユネスコの世界遺産リストに登録されている万里の長城、北京と瀋陽の明・清王朝皇宮、天壇、承徳避暑山荘と外八廟、曲阜孔廟、ラサのポタラ宮、平遥古城、開平楼閣、福建土楼、敦煌莫高窟、龍門石窟、雲岡石窟などは、ほぼすべて本書にも収録されており、その掲載範囲がいかに広範であるかがわかる。
中国の古建築については、イラストの豊富な入門書が日本語でもいくつか出版されている。もちろん、日本の建築史学者が手がけた学術書もある。しかし、本書のように、初学者から専門家まで幅広く利用できる図解辞典は過去になかった。建築を学ぶ上で大きな壁となるのが、難解な建築用語と複雑な構造である。それらを正しく理解するには、項目ごとに図を添えた本書の編纂手法が大きな助けとなる。図はときに文章よりも雄弁である。中国建築に関心をもつ方々にとって、本書が少しでも役に立つものであれば、訳者としてこれ以上の喜びはない。
【特色1】中国建築の広大な領域をカバーする1300項目
屋根・牆壁・基壇・柱・梁など建築部位ごとに項目を整理、さらに塔・陵墓・宮殿など多様な建築を実例をもとに解説。
【特色2】難解な用語と構造をビジュアルでわかりやすく
建築学者であり画家としても高名な著者による挿図を多数掲載。難解な建築用語と複雑な構造を、豊富なイラストを用いて解説。
【特色3】中国が誇る多くの世界遺産を網羅
世界第2位の世界遺産大国である中国、その代表的な文化遺産を構成する建築をほぼすべて実例として収録。
【特色4】日本建築の源流をさぐる
日本に現存する古代寺院や中世「大仏様」「禅宗様」建築などのルーツをさぐり、より深く理解するための案内書。
【特色5】初学者から研究者まで必携の辞典
日本における中国建築の分野では類例のない図解タイプの辞典。建築に関心をもつ初学者・愛好者から研究者・専門家まで必携。
