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四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 全21巻

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 全21巻

[監修] 吉岡眞之 [監修] 藤井讓治 [監修] 岩壁義光

揃定価577,500円(揃本体525,000円) 
ISBN 978-4-8433-5319-6 C3321
B5判/上製/函入
刊行年月 2018年01月

関連情報

本書の内容

『天皇皇族実録』の真の意味での完成を期し、『四親王家実録』をはじめて公刊。

☆「四親王家」各実録をはじめて公刊。『天皇皇族実録』に記述のない部分を埋める唯一の資料。

本書の内容と特徴

●『四親王家実録』とは
伏見宮・桂宮・有栖川宮・閑院宮の四宮家は、それぞれ血統を天皇に承け、代々親王宣下を受けて宮家を世襲してきた。歴史的には、宮家より皇統を継いだ場合や逆に皇子にして宮家を継いだ場合もあり、四親王家と天皇家の関係はきわめて密接であった。しかしながら、『天皇皇族実録』に各宮家に属する皇族の事蹟を併載することは、困難かつ相応しくないと言うことで『天皇皇族実録』編修の際に別に『四親王家実録』の編修が予定され、四親王家に属する皇族の実録は省かれた。

●『四親王家実録』の成立
『天皇皇族実録』の印刷が完了した一ヶ月後の昭和一九年八月から『四親王家実録』の編修が開始されたのは、当初の意図から当然の成り行きであった。しかし、まもなく敗戦を迎え事業は中止となった。戦後『貞明皇后実録』、『昭憲皇太后実録』の編修完了を経て昭和四〇年四月に事業が再開されたが、『明治天皇紀』公刊事業によりまたもや編修が遅れ、ようやく昭和五九年三月編修事業が終了した。幕末維新の際に伏見宮家から独立した宮家の皇族については、『明治以後皇族実録』として後に編修された。

●『天皇皇族実録』を補完
『天皇皇族実録』で省かれていた、各宮家に属する皇族の事蹟である『四親王家実録』の公刊により、真の意味での『天皇皇族実録』の完成となる。

●近世公家社会研究に有益
近世に書かれた未公刊の日記を大量に含んでおり、近世公家社会研究にも大変有意義である。

●解説
『四親王家実録 第Ⅰ期 伏見宮実録』の最終巻に解説を収録。

●特におすすめしたい方● 日本中世史・近世史・近代史、日本文化史・政治史などの研究者、大学図書館、公共図書館、関係研究機関など。

【有栖川宮】
有栖川宮は、近世に世襲が許された四親王家の一つである。始祖は後陽成天皇第七皇子好仁親王。最初、高松宮を称したが、第三代幸仁親王のときに有栖川宮と改称。第五代職仁親王は「有栖川流」書法を創始、歌道にも秀で、以後、当主は天皇の書道・歌道師範を務め、将軍家・水戸徳川家をはじめ有力大名の姻戚ともなる。第八代幟仁親王は国事に奔走する一方、書法の「有栖川流」を大成。第九代熾仁親王、実弟の第十代威仁親王は明治国家建設期に軍人として活躍した。特に威仁親王は明治天皇の信頼厚く、大正天皇の皇太子時代、東宮輔導として養育にあたったが、威仁親王の王子栽仁王の早世により嗣子は絶え、威仁親王妃慰子の死後、有栖川宮は廃絶となった。しかし、大正二年(一九一三)大正天皇の特旨により大正天皇第三王子宣仁親王が高松宮の称号を与えられ、祭祀を継承した。

既刊・続刊
◆第Ⅰ期◆伏見宮実録 全19巻 既刊●揃定価:本体475,000円+税 ISBN978-4-8433-4791-1 C3321
◆第Ⅱ期◆桂宮実録 全7巻 既刊●揃定価:本体175,000円+税 ISBN978-4-8433-5102-4 C3321
◆第Ⅳ期◆閑院宮実録  全2回配本予定………………………2020年7月〜2021年1月刊行予定

刊行のことば      吉岡眞之/藤井讓治/岩壁義光

 さきに刊行された『天皇皇族実録』に引き続いて、その続編ともいうべき『四親王家実録』が復刻刊行されることとなった。
 四親王家とは、中世後期に創設された伏見宮家を始め、近世初〜中期にかけて設立された八条宮(後に常磐井宮、京極宮、桂宮と改称)、高松宮(後に有栖川宮と改称)、閑院宮を総称する名称である。四親王家は、当初必ずしも皇統維持の観点で設立されていたわけではないが、遅くとも近世中期ころから、皇位継承の危機に備えるためとする認識が次第に広まっていった。各宮家の代々当主は天皇の猶子あるいは養子となって親王宣下を受けて親王となり、皇位継承に備えつつ近世末期に及んだ。
 四親王家と天皇家の関係はこのように密接であり、『四親王家実録』もまた『天皇皇族実録』の一環として編修されるべき性質のものであった。しかし四親王家代々の親王およびその妃・王子女等の事蹟を、それぞれの祖に当たる天皇の実録に組み込むことになれば、実録の様態・内容がきわめて複雑なものになることは明らかであった。このため四親王家の実録については『天皇皇族実録』とは別に『四親王家実録』として編修することとなったのである。
 『四親王家実録』の体裁は『天皇皇族実録』にならい、親王家ごとに編年綱目体で編修されている。すなわち年月日ごとにまず綱文を立て、その後に綱文の根拠となる史料を配列する。引用史料は各宮家当主の日記、宮家の家職に関する日誌を始め、公家日記、関連寺社の記録類、また京都御所東山御文庫・宮内庁書陵部・国立公文書館内閣文庫・近衛家陽明文庫などに所蔵されている信頼性の高い史料を広く収集し掲載している。引用史料はこれまで知られていなかったものも多く含んでおり、『四親王家実録』がとりわけ近世を中心とする公家社会史研究に資する点は少なくない。
 『四親王家実録』は宮内省図書寮において一九四四(昭和一九)年当初の紀事本末体の体裁から編年綱目体への組み替え作業が始められたが、一九四五年の第二次世界大戦敗戦にともない、編修事業は中断を余儀なくされた。その後、一九六五(昭和四〇)年に宮内庁書陵部編修課は『四親王家実録』の編修を新事業として開始することを決定したが、翌年明治百年記念準備会議が『明治天皇紀』の公刊を決め、宮内庁編修課がこれに従事することになった。このため同課では二つの大きな事業を並行して進めることとなり、当初の編修計画は大幅に遅延したが、一九八四(昭和五九)年三月にいたり『四親王家実録』は完成を見たのである。
 『四親王家実録』には四〇七名の皇族の事蹟が二九四冊にまとめて収載され、総目次・系図一冊が添えられた。また別に実録本編より綱文を抄出した抄出本五部(一部三三冊)が作成された。宮家ごとの内訳は以下の通りである。

 総目次・系図 一冊
 伏見宮家   二四七名 一二九冊
 桂宮家    三七名 三五冊
 有栖川宮家  七五名 九〇冊
 閑院宮家   四八名 四〇冊

 『伏見宮実録』から順次刊行し、今回は第Ⅲ期として『有栖川宮実録』を全五回に分けて刊行する。多くの方々に利用されんことを切に願っている。

四親王家と親王宣下について
 元来、親王とは、大宝元年(七〇一)制定の大宝継嗣令により定められた、天皇の兄弟・皇子を表す呼称(姉妹・皇女は内親王)である。しかし平安時代以降は皇族の臣籍降下が盛んに行われる一方、天皇の兄弟姉妹、皇子女でも親王宣下を受けなければ親王・内親王を称することができなくなり、親王宣下の対象は次第に拡大していった。かくして鎌倉時代後期には五辻宮、常盤井宮、木寺宮など、当主が親王宣下を蒙って宮家の称号を代々継承する世襲親王家が成立した。しかしこれらの宮家は室町時代中・後期には姿を消した。
 四親王家は世襲親王家の延長上に位置するものであった。室町時代にはまず崇光天皇(北朝第三代)の第一皇子栄仁親王を祖とする伏見宮家が成立し、ついで室町時代末期から江戸時代中期にかけて正親町天皇の皇孫智仁親王に始まる八条宮家(後に常磐井宮、京極宮、桂宮と改称)、後陽成天皇の皇子好仁親王を祖とする高松宮(後に有栖川宮と改称)、東山天皇の皇子直仁親王を初代とする閑院宮が成立した。これらの親王家は後に四親王家と総称された。各宮家の歴代当主はおおむね天皇・上皇の養子もしくは猶子として親王宣下を受け、それぞれの宮家を継承しつつ幕末に及んだ。

『有栖川宮歴代行実』と『有栖川宮実録』の違いについて
 弊社では、すでに『近世有栖川宮歴代行実』全七巻(岩壁義光監修・解題 二〇一二年一一月刊)を上梓しているが、本書との資料的な違いは、以下の通りである。
 「有栖川宮歴代行実」は、有栖川宮の祭祀を継承した高松宮宣仁親王が、有栖川宮の事績を正確に後世に伝えたいという趣旨で編まれたいわゆる伝記である。史料は散文の叙述の中に一段下げやカッコで括られて引用されている。したがって、引用以外の記述について依拠した史料にはどのように書かれていたのかを「行実」からは調べることはできない。しかし歴代の有栖川宮各親王について知るためには、年表も附されているので、簡単にその生涯や事蹟を知ることができる。
 一方、「有栖川宮実録」は、他の「四親王家実録」同様、歴代親王の重要な出来事の日を選び、その日ごとに何が主要記事かを綱文と言われる概ね五〇字以内の短文で表記し、実際の出来事は綱文に続く典拠史料により表現するというものである。したがって研究者が史料から実態を読み解く場合、圧倒的に「実録」の方が有用である。また、綱文のみを連続して読めば、各親王の生涯を概観することも可能である。さらに、綱文には採用されず、諸説ある場合、考察の対象とした史料が掲載されているケースもあり、それらの史料から新たな事蹟を読み解くこともできるのが「実録」のおもしろさでもある。

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 第1回配本 全3巻

刊行年月 2018年01月 揃定価82,500円 (揃本体75,000円) ISBN978-4-8433-5320-2

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 第1巻 好仁親王実録

刊行年月 2018年01月 定価27,500円 (本体25,000円) ISBN978-4-8433-5325-7

● 好仁親王〔よしひと・しんのう〕慶長八年(一六〇三)〜寛永一五年(一六三八)
後陽成天皇の第七皇子。はじめ七宮、後に三宮と称される。慶長一七年親王宣下。寛永二年に高松宮の宮号を賜わる。寛永四年高仁親王(母・徳川和子)誕生祝賀のため、同九年徳川秀忠薨去の弔問のため江戸に下向。同七年、秀忠養女・寧子を妃とするが、同一五年嗣子が無いまま薨去。甥の良仁親王(後水尾天皇の第七皇子〔『良仁親王行実』による〕。後の後西天皇)が継嗣となる。後西天皇の代に宮号が高松宮から有栖川宮へ改められたため、同宮の祖とされる。

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 第2巻 幸仁親王実録

刊行年月 2018年01月 定価27,500円 (本体25,000円) ISBN978-4-8433-5326-4

● 幸仁親王〔ゆきひと・しんのう〕明暦二年(一六五六)〜元禄一二年(一六九九)
後西天皇の第二皇子。はじめ二宮、後に多嘉宮と称される。寛文七年(一六六七)高松宮を継承、同九年に親王宣下。同一二年有栖川宮に改称される。謡や能楽、牡丹の栽培を好み、貞享三年(一六八六)に霊元天皇より能書方伝授、元禄二年には飛鳥井雅豊から蹴鞠免許。同年、徳川光圀編『扶桑拾葉集』の序文を記している。同七年に伏見宮貞致親王の薨去により若くして四親王家の長老となるが、自身も五年後に薨去。

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 第3巻 正仁親王実録

刊行年月 2018年01月 定価27,500円 (本体25,000円) ISBN978-4-8433-5327-1

● 正仁親王〔ただひと・しんのう〕元禄七年(一六九四)〜享保元年(一七一六)
父は有栖川宮幸仁親王。母は家女房児島氏。多嘉宮と号する。宝永五年(一七〇八)に東山天皇猶子となり、同年親王宣下。宝永四年には家蔵の後西天皇画像を複製し泉涌寺へ奉納。同寺が護持する歴代天皇肖像の内、唯一欠けていた後西天皇の御影を補完する。宝永七年に前将軍綱吉の養女・竹姫(綱吉側室寿光院の姪)と婚約するが、親王が薨去したため輿入は行われなかった。

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 第2回配本 全5巻

刊行年月 2018年07月 揃定価137,500円 (揃本体125,000円) ※分売不可 ISBN978-4-8433-5321-9

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 第4巻~第8巻 職仁親王実録

刊行年月 2018年07月 揃定価137,500円 (揃本体125,000円) ※分売不可 ISBN978-4-8433-5321-9

● 職仁親王〔よりひと・しんのう〕正徳三年(一七一三)〜明和六年(一七六九)
霊元天皇の第一七皇子。はじめ明宮と号する。嗣子無く薨去した正仁親王の遺命により有栖川宮の継嗣となる。享保一一年(一七二六)親王宣下。元文五年(一七四〇)に烏丸光栄より和歌の奥義を伝授される。以後、桃園・後桜町・後桃園と三代に亙り天皇の歌道師範を務める。歌学の門人は二百数十名を数え、門人表(『有栖川宮職仁親王行実』に附載)には著名な和学者谷川士清・富士谷成章らの名が見える。父霊元天皇直伝の筆法(所謂「御宸翰流」)に独特の工夫を加えた書を創始し、のち有栖川流と称される。

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 第3回配本 全6巻

刊行年月 2019年01月 揃定価165,000円 (揃本体150,000円) ※分売不可 ISBN978-4-8433-5322-6

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 第9巻~第14巻 織仁親王実録 全6巻

刊行年月 2019年01月 揃定価165,000円 (揃本体150,000円) ※分売不可 ISBN978-4-8433-5322-6

● 織仁親王〔おりひと・しんのう〕宝暦三年(一七五三)〜文政三年(一八二〇)
父は有栖川宮職仁親王。母は家女房後藤氏。寿手宮と号する。落飾後は龍淵と号した。宝暦一二年桃園天皇の猶子となり、同一三年に親王宣下。明和六年(一七六九)に後桜町天皇より和歌の奥義を伝授され、翌七年より地下門人の稽古始当座を催す。寛政一一年(一七九九)には御内和歌御会始を復旧するなど歌道に励み、歌学の門人は百二十名を数えた。書道・歌学を有栖川宮の家学として確立するとともに、富裕な畿内郷士を家臣に加え、薬種商に紋章の使用を許すなど経済活動も積極的に行った。

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 第4回配本 全3巻

刊行年月 2019年09月 揃定価82,500円 (揃本体75,000円) ※分売不可 ISBN978-4-8433-5323-3

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 第15巻~第17巻 韶仁親王実録 全3巻

刊行年月 2019年09月 揃定価82,500円 (揃本体75,000円) ※分売不可 ISBN978-4-8433-5323-3

● 韶仁親王〔つなひと・しんのう〕天明四年(一七八四)〜弘化二年(一八四四)
父は有栖川宮織仁親王。母は家女房高木氏。はじめ若宮と号する。文化四年(一八〇七)に光格天皇猶子となり、翌五年親王宣下。姉妹に将軍徳川家慶室、水戸徳川斉昭室。騎馬・楊弓・蹴鞠等武技を好むとともに、文化八年に有栖川宮流書道を相伝。文政三年(一八二〇)には光格上皇より和歌の奥義の伝授を受け、諸家和歌の添削を許される。以後、家学の維持に努める一方、幕府の助成をもとに京都町奉行所管内の農・商・寺社に貸付けを行い、有栖川宮の窮乏打開を図った。

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 第5回配本 全4巻

刊行年月 2019年12月 揃定価110,000円 (揃本体100,000円) ※分売不可 ISBN978-4-8433-5324-0

四親王家実録 第Ⅲ期 有栖川宮実録 第18巻~第21巻 幟仁親王実録 全4巻

刊行年月 2019年12月 揃定価110,000円 (揃本体100,000円) ※分売不可 ISBN978-4-8433-5324-0

● 幟仁親王〔たかひと・しんのう〕文化九年(一八一二)〜明治一九(一八八六)
父は有栖川宮韶仁親王。母は豊島勝子(近習島岡氏の女)。はじめ八穂宮と号する。文政五年(一八二二)に光格天皇猶子となり、翌年親王宣下。子女に水戸徳川慶篤室、井伊直憲(大老井伊直弼次男)室。家臣に飯田忠彦(安政大獄で自害)、歌道門人に毛利慶親(長州藩主)がいる。また、嗣子熾仁親王が皇女和宮の婚約者であったため、和宮の将軍家降嫁の一方の当事者となる。元治元年(一八六四)には国事御用掛に叙せられるが、禁門の変に際し長州藩を擁護したため蟄居謹慎となる。明治六年(一八七三)に陸海軍掛を内示されるも固辞、以後は神道教導職総裁・皇典研究所総裁を務め、明治天皇に書道を教授した。終生髷を切らず洋装を拒んだといわれる。