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叢書・近代日本のデザイン 大正篇 全19巻

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 全19巻

[監修・解説] 森仁史 [解説] 内田青蔵 [解説] 梅宮弘光 [解説] 菊池潤 [解説] 木田拓也 [解説] 服部文孝 [解説] 花井久穂 [解説] 藤井素彦 [解説] 藤谷陽悦 [解説] 本橋浩介

揃定価354,200円(揃本体322,000円) 
ISBN 978-4-8433-3038-8 C3370
A5判・B5判上製/クロス装/函入
刊行年月 2008年11月

関連情報

本書の内容

それぞれの時代の歩みを希少な原典で再現。近代日本の造形文化とその固有性を浮き彫りにする画期的シリーズ。

※第10巻、第11巻、第13巻、第14巻、第16巻、第17巻、第23巻・・・品切。
※第28巻はオンデマンド版のため、ご注文より製作に2~3週間ほどお時間をいただいております。
※画像は、第16巻のものです
※第1~9巻は、「叢書・近代日本のデザイン 明治篇 全9巻」が該当します。

監修のことば       「デザインする志」 森 仁史

 日本の近代文化が西欧の影響のもとに展開してきたことは紛れもない事実である。しかし、それが常により進んだものをそのまま受容してきたという単純な構図だったのではなく、日本の側にもともとあった特性や個性によって様々に選択され、個々に受容の様相を異にしてきたことが明らかにされてきている。つまり、最近の研究成果は近代日本の造形文化がどのように固有なものだったかをはっきりさせてきているのだ。
 とくにデザインの領域では、いわゆるモダンデザインこそが真理なのだという戦後生まれの固定観念によって、日本のデザインの歴史を真摯に振り返ることが阻害されてきた。あるいは、そうした遺産にあえて目をふさいできた。しかし、グローバリゼイションの動きは日本の個性をデザインにどう表現するかという問いかけとなって再び自らに問い直され、日本デザインの出自に眼を向ける必要が増してきている。
 そこでこの度、日本近代デザインの歩みをそれぞれの時代の原典によって再現しようと考えた。つまり、かつての先人がなしとげた成果と意図をそっくりそのまま現代の読者に届けようというのである。この精査が可能となったのもまた、最近のデザイン史研究の成果であり、本シリーズはこれら最新の研究動向に基づいて取捨選択されている。多くの人々の真剣な学習や不断の追及によって成し遂げられた仕事はそのままでも今も現代人の感覚を撃つことができるかもしれない。しかし、我々にとって再び手軽に手にとることができるようになったこれらの成果から、今日の課題に応えるものをつかみだすことこそ、先人の志を受け継ぐもっとも正当なまた価値ある仕事のように思える。
 願わくばより多くの読者にこれらの資産が届けられ、多くの稔りを得んことを。

推薦文 「有意義かつ喜ばしい復刻版の刊行」 柏木 博(デザイン評論家)

 日本の近代デザインの歴史に目が向けられたのは、さほど古いことではない。せいぜい、三〇年ほど前のことだ。当初はどのような文献や資料が、デザイン史に深く関わっているのかを判断することも手探りの状態であった。
 今回、復刻される文献は、日本の近代デザイン史上、きわめて重要な位置を占めるものがすでに精査されており、今後のデザイン史研究に大きく貢献するものとなる。誰もが、手軽に文献資料を入手できることは、研究の深化にかかわってくる。多くの、とりわけ若い研究者が、文献資料の探査の手間なく、むしろそれらの新たな解読にこそ力を注ぐことができるからだ。
 日本の近代デザインは、デザインという領域からの「近代」の解明にほかならない。近代の近代性とは何かを問うことが、脱近代が語られている現在こそなされるべきだろう。そうした意味においても、この復刻版の刊行は、有意義でありまた喜ばしいことである。

【本書の特色】

◆造形文化の深層に迫る
明治以来の真剣な取り組みの中から、日本デザインのオリジナルな発想や源泉を読み取ることができる。

◆近代日本のデザインを総括
戦後はモダンデザイン偏重だったため、殆ど省みられなかった近代日本のデザインを総括的に見渡すことができる。

◆高い資料価値
日本デザインの個性が求められている現在の風潮にとって、格好の参考資料となる。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第1回 全8巻

刊行年月 2008年11月 揃定価172,700円 (揃本体157,000円) ISBN978-4-8433-3039-5 C3370
A5判・B5判上製/クロス装/函入

※大正篇 1回 全8巻(第10巻~第17巻)
※第10巻、第11巻、第13巻、第14巻、第16巻、第17巻・・・品切

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第10巻 

刊行年月 2008年11月 定価25,300円 (本体23,000円) ISBN978-4-8433-3041-8 C3370
※品切れ

[解説]森仁史 [編]鹿島英二

●図案新集 第1帙・第2帙 鹿島英二[編](大正2年~4年頃 図案新集社)
アメリカ留学体験をもつ鹿島が編集執筆し、明治末から装幀、木工、陶磁器など商業的に成り立ち始めた分野を網羅する。国内で出版された図案集のうちではもっとも総合的なプレート集。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第11巻 

刊行年月 2008年11月 定価25,300円 (本体23,000円) ISBN978-4-8433-3042-5 C3370
※品切れ

[解説]森仁史 [編]鹿島英二

●図案新集 第3帙・第4帙 付録『図案彙報』(大正4年~6年頃 図案新集社)

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第12巻 

刊行年月 2008年11月 定価24,200円 (本体22,000円) ISBN978-4-8433-3043-2 C3370
※在庫僅少

[解説]森仁史 [編]鹿島英二

●図案新集 第5帙・第6帙 付録『図案彙報』 鹿島英二[編](大正6年~8年頃 図案新集社)

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第13巻 

刊行年月 2008年11月 定価19,800円 (本体18,000円) ISBN978-4-8433-3044-9 C3370
※品切れ

[解説]森仁史 [著]安田禄造

●新式日本図案の応用 安田禄造[著](大正2年 同文館) 
安田の新式とは伝統的意匠の脱却であり、図案革新によって明治末の輸出低迷の打開を図ろうとしている。そのため本書の前半では具体的に図案の作成理論から手法、用具を詳述し、後半で多様な業種向けに具体例を挙げている。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第14巻 

刊行年月 2008年11月 定価16,500円 (本体15,000円) ISBN978-4-8433-3045-6 C3370
※品切れ

[解説]森仁史 [著]安田禄造

●本邦工芸の現在及将来 安田禄造[著](大正6年 広文堂書店)
後の東京高等工芸学校校長安田が、日本のデザイン活動やデザイン指針について『時事新報』に連載した文章をまとめたもの。その後のデザイン教育やデザインの定義を決定付けた。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第15巻 

刊行年月 2008年11月 定価16,500円 (本体15,000円) ISBN978-4-8433-3046-3 C3370
※在庫僅少

[解説]森仁史 [解説]藤井素彦

●芝浦工芸時報 学芸特輯号 東京高等工芸学校(昭和3年12月) 
東京高等工芸学校の学内機関誌であるが、この特集号は教員の論文、学生のレポートから構成されたもので、創設当時の熱気溢れる活況が伝わってくる。

●創立拾年記念写真帖 東京高等工芸学校(昭和6年)
日本で最初のデザイン専修学校の教育活動、学校行事、施設などを記録した写真集。わけても教室内の実習風景は当時のデザイナー養成の実態をよく伝え興味深い。

●図案 畑正吉[講述](私家版 昭和8年)
立体彫刻(今日で言うクレイモデル)を自ら創案し、工芸彫刻部教授であった畑による教科書。紙に描く図案から立体デザインに及び、変貌しつつあった図案教育を反映している。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第16巻

刊行年月 2008年11月 定価12,100円 (本体11,000円) ISBN978-4-8433-3048-7 C3370
※品切れ

[解説]木田拓也 [編]渡辺清十郎

●図案工芸年鑑 大正十五年度 渡辺清十郎(素舟)[編](大正15年 図案芸術社)
一九二〇年代に活況を呈していた美術工芸からポスター、オブジェを含む広汎な範囲を対象とした貴重な作品図版集。残念ながらこの年度しか発行されていない。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第17巻

刊行年月 2008年11月 定価33,000円 (本体30,000円) ISBN978-4-8433-3049-4 C3370
※品切れ

[解説]花井久穂 [解説]服部文孝 [著]塩田力蔵 [編]鈴木達三

●近代の陶磁器と窯業 塩田力蔵[著](昭和4年 大阪屋号書店) 
明治から大正、すなわちワグネルから板谷波山、富本憲吉、浜田庄司までを叙述する殆ど唯一の通史。この間一貫して陶磁生産に関わった著者によって、明治初期の美術振興から美術工芸に至る展開が作品とともに精緻に叙述される。

●瀬戸図案集 非売品 鈴木達三[編](大正7年 愛知県瀬戸図案研究会)
瀬戸窯業学校在職であった植野儀三郎、日野厚を中心に作成された陶磁器デザイン集。伝統意匠から抜け出そうとする新しい息吹が伝わってくる。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第2回 全11巻

刊行年月 2009年05月 揃定価181,500円 (揃本体165,000円) ISBN978-4-8433-3040-1 C3370
A5判・B5判上製/クロス装/函入

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第18巻

刊行年月 2009年05月 定価20,900円 (本体19,000円) ISBN978-4-8433-3050-0 C3370

[解説]森仁史 [著]木檜恕一

●木檜恕一[著] 家具の設計及製作 大正十一年 博文館 近代的な家具の設計とその具体的製造法の総合的な解説書。とくに構造、装飾、取付けなどについて詳細に記述した最初の図書である。一般家庭及び個人商店で使われる殆どの木製家具を網羅している。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第19巻

刊行年月 2009年05月 定価9,900円 (本体9,000円) ISBN978-4-8433-3051-7 C3370
※品切れ

[解説]内田青蔵 [著]西村伊作

●装飾の遠慮 大正十一年 文化生活研究会 西村は文化学院創設と同時に建築設計に手腕を発揮した。それは彼の主張する「芸術生活」の実践であり、これに共鳴する人々の理想の実現でもあった。本書はこの分野についての彼のもっとも中心的な著述である。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第20巻

刊行年月 2009年05月 定価20,900円 (本体19,000円) ISBN978-4-8433-3052-4 C3370
※品切れ

[解説]内田青蔵 [編]生活改善同盟会 [編]平井八重

●生活改善同盟会[編]住宅家具の改善 大正十三年

●平井八重[編]「生活改善の栞 昭和三年(改訂版)生活改善同盟会」「新しい台所と台所道具 昭和三年 生活改善同盟会」生活改善同盟会は文部省が推進する社会教育活動の一環として展開された。日本人の生活様式が変化し始めていたことと、関東大震災後の復興とがこの事業を日本全国に浸透させることになった。この三冊は同会が一般向けに刊行した手引き書。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第21巻

刊行年月 2009年05月 定価14,300円 (本体13,000円) ISBN978-4-8433-3053-1 C3370
※在庫僅少

[解説]藤谷陽悦 [著]高梨由太郎 [著]高橋仁

●高梨由太郎[著] 文化村の簡易住宅 大正十一年(三版)洪洋社

●高橋 仁[編] 文化村住宅設計図説 大正十一年(五版)鈴木書店 建築学会の呼びかけに答えて工務店や建築家が提案した実験的住宅が平和博覧会で建設され、公開された。ここには生活改善の指針に基づいた提案が盛り込まれ、後の郊外住宅の手本となった。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第22巻

刊行年月 2009年05月 定価24,200円 (本体22,000円) ISBN978-4-8433-3054-8 C3370
※在庫僅少

[解説]藤谷陽悦 [編]時事新報社

●時事新報社[編] 新しい東京と建築の話 大正十三年(再版)時事新報社 震災復興後の東京にどのような暮らし方があるべきか、新聞紙上の連載をもとに塚本靖はじめ建築家四十二名(木檜恕一、森谷延雄、村井弦斎を含む)の具体的提言と大熊喜邦設計の住宅十三作例、関連法規を収録。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第23巻

刊行年月 2009年05月 定価12,100円 (本体11,000円) ISBN978-4-8433-3055-5 C3370
※品切れ

[解説]梅宮弘光 [編]中村鎮

●中村 鎮[編] 後藤慶二氏遺稿 非売品 大正十四年 後藤芳香 明治末に日本の建築が西欧模倣から脱皮しようとしていた時期に、時代を予言するかのごとく現われたのが後藤であった。早世した後藤の建築論のみならず、洒脱なエッセイ、秀でたグラフィック表現能力が楽しめる。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第24巻

刊行年月 2009年05月 定価9,900円 (本体9,000円) ISBN978-4-8433-3056-2 C3370

[解説]本橋浩介 [著]森谷延雄

●森谷延雄[著] 小さき室内美術 大正十五年 洪洋社

●木のめ舎家具作品集 森谷延雄氏遺作 昭和二年 装飾研究会森谷延雄がもっとも精力的に活動を展開した時期の作品集。ヨーロッパ留学時に受けた表現主義の影響から次第に機能主義に接近し始めた軌跡と、森谷らしいロマンチックな造形の魅力が余すところなく提示されている。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第25巻

刊行年月 2009年05月 定価23,100円 (本体21,000円) ISBN978-4-8433-3057-9 C3370

[解説]菊地潤 [著]分離派建築会 [著]分離派建築会・関西分離派建築会

●分離派建築会[著] 分離派建築会 宣言と作品 大正九年 岩波書店 分離派建築会の作品 第二刊 大正十年 岩波書店

●分離派建築会・関西分離派建築会[著] 分離派建築会の作品 第三 大正十三年 岩波書店 分離派建築会は日本で最初の建築運動であり、ドイツ表現主義に影響を受けつつ個性的でコンテンポラリーな建築を目指した。転換期の日本で芸術としての造形を懸命に目指した。いまなお新鮮な作品群である。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第26巻

刊行年月 2009年05月 定価13,200円 (本体12,000円) ISBN978-4-8433-3058-6 C3370

[解説]森仁史 [著]今和次郎

●今和次郎[著] 民俗と建築 昭和二年 磯部甲陽堂 大正中期に今和次郎が民家研究に際して発表した文章(民家採集、美術批評、バッラクのルポ)を収録している。今の民衆への愛情に満ちた眼差しが伺える。民衆生活に密着したデザイン論。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第27巻

刊行年月 2009年05月 定価16,500円 (本体15,000円) ISBN978-4-8433-3059-3 C3370

[解説]森仁史 [著]木檜恕一

●木檜恕一[著] 私の工芸生活抄誌 非売品 昭和十七年 木檜先生還暦祝賀実行会日本の家具デザインのパイオニアであった木檜の還暦を記念して出版された回顧録。工業教員養成所建築科卒業以来の木檜の歩みを振り返っている。常に現場の指導者であった人物の貴重な証言である。

叢書・近代日本のデザイン 大正篇 第28巻

刊行年月 2009年05月 定価16,500円 (本体15,000円) ISBN978-4-8433-3060-9 C3370

※オンデマンド製作 2~3週間

●論文選 大正篇 本論文集には大正期の建築、デザイン、美術工芸の活動や主張を理解するために必要と思われるおもに雑誌に掲載された文章を収録した。時代の息吹や証言として貴重なドキュメントである。

★大正期デザインの動向―模索と志向 松岡壽「本邦図案界の過去と世界的進展の好機」(『現代の図案工芸』第四二号)/黒田鵬心「建築批評の標準」(『建築雑誌』第二九三号)/佐野利器「建築家の覚悟」(『建築雑誌』第二九五号)/他 ★建築をめぐって 伊東忠太「建設と国民」(『建築雑誌』第三二三号)/岡田信一郎「新日本の建築」(『建築雑誌』第三三七号)/野田俊彦「建築非芸術論」(『建築雑誌』第三四六号)/他 ★〈虚偽論争〉について 山崎静太郎「虚偽建築に就いて中村先生へ」(『建築雑誌』第三四七号)/中村達太郎「再び虚偽建築に就いて」(『建築雑誌』第三四九号)/中村達太郎「虚偽建築なりや否」(『建築雑誌』第三四五号)/他 ★分離派建築会結成前後・分離派建築会批判と反論・創宇社、新興建築ほか 石本喜久治「帝大建築科の現制を論じてそれが根本に及ぶ」(『建築世界』第一四巻第一)/中村鎮「建築界革新の気運(其一)」(『建築世界』第一四巻第八号)/岡村蚊象「創宇社とその第一回展」(『建築新潮』第五年第二号)/仲田定之助「ワルター・グロピウス推讃」(『建築新潮』第六年第一〇号)/伊藤清造「建築のプロレタリズム」(『建築新潮』第七年第七号)/他