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電子書籍版 大林組 工事画報 戦後篇 全7巻

写真集成 近代日本の建築 第Ⅷ期
電子書籍版 大林組 工事画報 戦後篇 全7巻

[監修・編著] 橋爪紳也(建築史家・大阪公立大学特別教授) [協力] 株式会社 大林組

定価231,000円(本体210,000円) 

刊行年月 2025年02月

関連情報

本書の内容

戦後復興期から高度経済成長期における 代表的建築物を網羅。現在では 失われてしまった建築物も 収録した極めて貴重な 史料群。

(写真集成 近代日本の建築 第45巻〜第51巻)
1アクセス210.000円 3アクセス420,000円
※紀伊國屋書店(KinoDen)、または丸善雄松堂(eBook Library)にてご契約の際は、表示価格に、10%のサーバ維持費が加算されます。

★電子書籍でのみ刊行です!!
詳細な価格等は、KinoDen/Maruzen eBook Library/EBSCO eBooks ほか各サービスにお問い合わせ下さい。

刊行にあたって      橋爪紳也

 明治二十五年(一八九二)一月二十五日、大林芳五郎は、大阪で土木建築請負業「大林店」の看板を掲げる。大阪の築港工事や第五回内国勧業博覧会の会場設営などの大事業を成功させたのち、明治三十七年(一九〇四)に「大林組」と改称し、総合請負業としての業態を整える。
 明治四十四年に東京中央停車場(東京駅)の建設工事を落札、さらに翌年に伏見桃山御陵造営の特命を受けたことで全国にその名を広める。
いっぽうで芳五郎は、箕面有馬電気軌道、広島電気軌道、阪堺電気軌道、京津電気軌道、広島瓦斯など、電鉄事業や瓦斯会社の設立にも尽力した。
 大正七年、二代社長大林義雄のもとに株式会社大林組を設立、明治神宮外苑競技場、阪神甲子園大運動場、大阪城復興天守閣、多摩御陵の造営など注目される工事を続々と施工している。
 株式会社大林組は昭和五年以降、年次ごとに自社が施工した建築作品や土木事業を紹介するべく、『工事画報』と題する冊子を発行して関係者に配布した。その各号を見ると、同社が日本の近代化とともに歩み、社業を発展させてきた経過を知ることができる。
 本企画は、先の戦前篇に続き、戦後に刊行された『工事画報』のバックナンバーを復刻するものである。もっとも単年度の作品を紹介する年報式の出版は、国家が総動員体制に入った昭和十三年度版を最後に休刊、昭和二十九年に再開されるまで発行されていない。いっぽうで昭和二十七年には『工事画報 創業六十年記念』のタイトルで、戦前から戦中までの代表的な仕事とともに、敗戦から占領下までの作品を掲載する書籍を発刊している。
 本企画では、復興期から高度経済成長期に至るまでの時期を網羅するべく、『工事画報 創業六十年記念』と、昭和二十九年から昭和四十五年までに刊行された『工事画報』を併せて影印復刻、七分冊のデジタル出版とすることとした。
 敗戦直後の建設業にとって、重要であったのは進駐軍関連の工事であった。大林組も例外ではなく、如水会館(将校クラブ)や三菱本館(婦人部隊宿舎)、東京住友ビル(外国貿易実業団宿舎)、伊藤萬本館(米軍通信隊、婦人部隊宿舎)、琵琶湖ホテル(将校宿舎)、蒲郡ホテル(将校
宿舎)など、占領軍が接収したビルの改装工事を多く受注した。また浜寺を始めとするDH(Dependent House)や兵舎の建設、伊丹・羽田・三沢・千歳など航空基地の整備も、この時期を代表する仕事である。
 その後、朝鮮戦争の特需を経て、米軍関連の発注が続く。大林組は嘉手納弾薬庫や那覇空軍基地将校宿舎などの基地工事、朝霞の米軍行政部庁舎、ワシントンハイツ婦人将校宿舎などを請け負っている。また昭和二十九年以降、スマトラ島パレンバンの橋梁工事、ジャカルタの百貨店建設など、東南アジア諸国における戦後賠償の工事も手がけている。
 いっぽうで大林組は、国土の復興をはかる公共工事にも多く参入した。全国各地の水力・火力発電所の建設を担ったが、なかでも社運を賭けた事業が、大雪山国立公園に位置する糠平ダムの現場である。冬はマイナス20℃に達する極寒の地での難工事であったが、全社を挙げて取り組んだことで、予定どおり昭和二十八年六月の着工から三年で完成させている。
 戦後復興にあたって社長の重責を担った大林芳郎は、昭和二十二年(一九四七)一月の始業にあたって、「利潤第一主義から生産第一主義への転換」「民主的な社会協同精神への発展」「科学的な組織化」の必要性を訴えた。焼け跡からの復興を余儀なくされた国土を想い、自社の立て直しだけではなく、ひろく建設業界の復興と発展を視野に入れた言葉であるようにも思う。実際、芳郎は社業の傍ら、全国建設業協会理事(のちに会長)、大阪土木建築業協会経営委員会委員長(のちに会長)などの公職を担い、「建設業法」の制定に向けて積極的に活動した。
 また芳郎は、大規模な工事を行うためには、建設工法の機械化が不可欠であると考えた。みずからアメリカの先例を視察、ブルドーザーやパワーショベル、ベルトコンベヤーなどの導入を進める。昭和二十八年の東京駅八重洲本屋および鉄道会館の工事では、全自動コンクリートプラントを採用している。建設技術の革新を求める方向性は、昭和四十年(一九六五)に清瀬市に技術研究所を開設したことで本格化する。
 高度経済成長期になると、バンコクでのAIAビル、ホノルルでのサーフライダーホテルの建設など海外への進出も始まる。昭和四〇年(一九六五)には日本の超高層建築の先駆けとなる横浜ドリームランド・ホテルエンパイアを竣工させた。また一九七〇年大阪万博では多くのパビリオンを施工、とりわけ国内では先例のないジャッキアップ工法を導入したお祭り広場の大屋根の現場は話題となった。昭和五十八年(一九七三)には関西初の超高層ビルである大阪大林ビルを竣工させ本店を置くとともに、本社機構を東京に移し、本社と本店の両輪による独自の経営体制を軌道に乗せている。
 大林組は、二〇二一年に創業一三〇年の節目を迎えた。同社がいかにして日本を代表する施工事業者に成長をみたのか、また従来の土木建設業の枠を超えた新たな企業への発展を模索してきたのか。その歩みを識り、将来を見据える基礎資料として、今回の復刻が広く活用されることを願う次第である。
(建築史家、大阪公立大学研究推進機構特別教授、工学博士)

【本書の特色】

●戦後復興期から高度経済成長期にかけての代表的建築物を網羅。現存しない建物も多数収録。
●進駐軍関係工事、東南アジア諸国における戦後賠償の工事から、国土復興を図る公共工事、1970年大阪万国でのパビリオン施工まで、戦後日本のあゆみを建設業界の復興と発展とともに通覧。
●各巻末には建物名称、施工地、設計・施工、竣功年を一覧できる総目次を新たに付す。
●底本本文のカラー部分は、全てカラーで再現。最終巻には、監修者による解説を付す。

写真集成 近代日本の建築 45 大林組 工事画報 戦後篇 第1巻(創業六十年記念・昭和 29 年版・昭和 30 年版)/総目次

刊行年月 2025年02月 定価33,000円 (本体30,000円)

1アクセス30.000円 3アクセス60,000円
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写真集成 近代日本の建築 46 大林組 工事画報 戦後篇 第2巻(昭和 31 年版・昭和 32 年版・昭和 33 年版)/総目次

刊行年月 2025年02月 定価33,000円 (本体30,000円)

1アクセス30.000円 3アクセス60,000円
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写真集成 近代日本の建築 47 大林組 工事画報 戦後篇 第3巻(昭和 34 年版・昭和 35 年版・昭和 36 年版)/総目次

刊行年月 2025年02月 定価33,000円 (本体30,000円)

1アクセス30.000円 3アクセス60,000円
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写真集成 近代日本の建築 48 大林組 工事画報 戦後篇 第4巻(昭和 37 年版・昭和 38 年版・昭和 39 年版)/総目次

刊行年月 2025年02月

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写真集成 近代日本の建築 49 大林組 工事画報 戦後篇 第5巻(昭和 40 年版・昭和 41 年版)/総目次

刊行年月 2025年02月 定価33,000円 (本体30,000円)

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写真集成 近代日本の建築 50 大林組 工事画報 戦後篇 第6巻(昭和 42 年版・昭和 43 年版)/総目次

刊行年月 2025年02月 定価33,000円 (本体30,000円)

1アクセス30.000円 3アクセス60,000円
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写真集成 近代日本の建築 51 大林組 工事画報 戦後篇 第7巻(昭和 44 年版・昭和 45 年版)/総目次/解説

刊行年月 2025年02月 定価33,000円 (本体30,000円)

1アクセス30.000円 3アクセス60,000円
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