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大林組 工事画報 戦前篇 全5巻【new!】

写真集成 近代日本の建築 第Ⅶ期
大林組 工事画報 戦前篇 全5巻【new!】

[監修・編著] 橋爪紳也(建築史家・大阪公立大学特別教授) [協力] 株式会社 大林組

定価165,000円(本体150,000円) 
ISBN 978-4-8433-6204-4 C3352
A4判/上製/カラー/クロス装/カバー
刊行年月 2022年09月

関連情報

本書の内容

明治から昭和戦前期における 代表的建築物を網羅。 現在では失われてしまった 建築物も収録した 極めて貴重な資料群。

(写真集成 近代日本の建築 第40巻〜第44巻)
各本体30,000円

★電子書籍 同時刊行!!
価格等は、KinoDen/Maruzen eBook Library/EBSCO eBooks ほか各サービスにお問い合わせ下さい。

刊行にあたって     橋爪紳也

 本企画は、大林組が編纂・発行した年鑑形式の刊行物や、竣工写真帖、記念帖、図集などを復刻し、明治・大正・昭和戦前期・戦後高度経済成長期までの同社の歩みを総覧するものである。
 明治25年(1892)1月25日、大林芳五郎は、大阪で土木建築請負業「大林店」の看板を掲げる。阿部製紙所工場を皮切りに、朝日紡績今宮工場、金巾製織四貫島工場などの建設を請け負った。今日に至る大林組の創業である。
 大阪市築港工事や第五回内国勧業博覧会などの大事業を成功させた経験を経て、明治37年(1904)に「大林組」と改称、東京にも事務所を開く。ついで社内に設計部門や製材工場を設けて、総合請負業としての業態を整える。以来、同社は、わが国の近代化の歩みと軌をひとつにして、社業を発展させてきた。
 明治44年には東京中央停車場(東京駅)の建設工事を落札、翌年には伏見桃山御陵造営の特命を受けたことで、全国にその名を広めることになる。いっぽうで創業者である芳五郎は、箕面有馬電気軌道、広島電気軌道、阪堺電気軌道、京津電気軌道、広島瓦斯など電鉄事業や瓦斯会社の設立にも深く関与、都市基盤の整備にも尽力した。
 大正7年、二代社長大林義雄のもとで株式会社大林組に改組、昭和戦前期にかけて、明治神宮外苑競技場、阪神甲子園大運動場、大阪城天守閣など、注目される建物をあいついで完成させている。また多摩御陵の造営、昭和天皇即位御大典関連の諸工事など、皇室関連の事業も継続して受注している。
 戦後において、その業務はいっそう拡大する。日本万国博覧会(1970年大阪万博)では多くのパビリオンを施工、とりわけ日本では先例のないジャッキアップ工法を導入したお祭り広場の大屋根は話題となった。また国内では初の超高層建築である横浜ドリームランドのホテルエンパイア、大阪ドーム、京都駅ビル、東京国際フォーラム、東京スカイツリーなど、都市のランドマークとなる建物を竣工させてきた。また東京湾アクアラインなど、わが国の基幹となる土木事業にも深く関わってきた。
 大林組は、工事を請け負った建物や施設を紹介するべく、昭和5年以降、戦時中の中断期間を経て平成14年まで、『工事画報』と題する冊子を刊行した。また創業50周年の節目には、創業時にまでさかのぼり、各時代の代表作を網羅して紹介する『記念帖』を発行した。
 今回はまず「戦前篇」と題して、昭和13年までの『工事画報』と『記念帖』を影印復刻版として、順に刊行するものである。将来的には「戦後篇」、さらには同社が施工した主要建物の竣工記念案内、分譲住宅の販売関連資料、家具制作に関する資料類などをもとに、アンソロジーの出版を継続する企画として準備している。
 大林組は、2021年に創業130年の節目を迎えた。同社がいかにして日本を代表する施工事業者へと成長をみたのか、また従来の土木建設業の枠を超えた新たな企業への発展を模索しているのか。その歩みを識り、将来を見据える基礎資料として、今回の復刻が、広く活用されることを願う次第である。(建築史家・大阪公立大学特別教授)

【本書の特色】

●植民地を含む、明治から昭和戦前期にかけての代表的建築物を網羅。現存しない建物も多数収録。
●建築物を用途別に区分し所在地や、設計者名などを記録。写真資料としても貴重。
●建物の外観ばかりではなく、屋内や内装も記録。
●底本本文のカラー部分は、全てカラーで再現。最終巻には、監修者による詳細な解説を附す。