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『満洲文藝年誌』『満洲藝文年鑑』 全2巻【new!】

『満洲文藝年誌』『満洲藝文年鑑』 全2巻【new!】

[監修・解題] 西原和海

定価44,000円(本体40,000円) 
ISBN 978-4-8433-6872-5 C3391
A5判/上製/カバー装
刊行年月 2024年12月

関連情報

本書の内容

満洲文学・文化の動向を記す、黎明期と最終期の幻の「年鑑」2冊を刊行。

●満洲における出版物で、文学、文化の動向を記した「年鑑」は、5冊の刊行が確認されている。そのうちの3冊、『満洲文藝年鑑 第一輯』(1927年、G氏文学賞委員会)、『満洲文藝年鑑 昭和十三年版』(1938年、満蒙評論社)、『満洲文藝年鑑 康徳六年版』(1939年、満洲文話会)は、1990年代に葦書房より復刻版が刊行されている。今回の復刻は、その後、新たに発見されたもので、確認されている「年鑑」では、もっとも早い時期のものと、最も最後に刊行された2冊である。

●まず、最初の年鑑となる1932年刊の『満洲文藝年誌 第一巻』(満洲文藝年誌刊行会〈大連〉)である。編集は大内隆雄によるもので、作品集の意味合いが濃く、詩・論文・新興川柳・小説に分かれて作品が収録されている。『作文』発行以前の青木實の小説や「満洲文藝家名簿」など、建国されて間もない時期の満洲文学界の様相を伝える貴重な資料である。

●次に、1942年刊の『満洲藝文年鑑 康徳九年度版』(満洲冨山房〈新京〉)である。文学以外にも、芸術、映画、写真など各ジャンルについての動向が細かく報告されている。満洲藝文聯盟による編纂であり、各文化動向への言及の幅広さは、満洲国弘報処による「藝文指導要綱」の政策が色濃く反映されていると言えるだろう。「藝文人名録」など、こちらも最終期の満洲文化界の様相を細かに伝えてくれる1冊である。


●特におすすめしたい方
日本近代文学、植民地文学、近代中国史、国際関係史、日中関係史の研究者・研究機関など