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外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 全9巻【new!】

外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 全9巻【new!】

[監修・解説] ロメロ・イサミ(帯広畜産大学准教授)

揃定価237,600円(揃本体216,000円) 
ISBN 978-4-8433-6487-1 C3321
A5判/上製/クロス装/カバー

関連情報

本書の内容

日本の独立回復後、 南北アメリカ諸国に対する外交を リアルタイムで記録した、 外務省内の回覧資料。 アジア局編に続き米州編を刊行。

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刊行にあたって        ロメロ・イサミ(帯広畜産大学准教授)

 一九三〇年代に、一八七〇年代から開始したラテンアメリカ諸国との国交樹立過程が終了するが、当時、中南米市場に対する日本のプレゼンスは低い状態であった。そのため、一九三三年に外務省は本格的な対中南米外交を発動した。しかし、こうした対外政策は結果的に、米国の強い非難に発展した。一方、日本の進出を警戒したラテンアメリカ諸国は、国内市場を保護するために、日本の輸出製品に対して差別待遇の措置を与えた。なかには、キューバやコロンビアのように、通商協定を放棄する国もあった。結局、太平洋戦争の勃発にともなって米国につづいてラテンアメリカ諸国は対日宣戦布告し、国交を断絶した。
 第二次世界大戦後、一九三〇年代の政策の失敗を反省した外務省は、新しい対中南米外交を模索した。今後、米州に進出する際には常に米国の利益を考慮する必要があると判断した。また、戦前のラテンアメリカ諸国の対日差別待遇の撤廃を重要な目的に設定した。最後に、中南米に多く移住していた日本人移民の保護に加えて、日系人を将来の経済進出の促進に当てることを模索した。
 このように、一九五一年十二月一日に新設された欧米局がラテンアメリカ諸国との関係を担当することになる。それから六年後の一九五七年に、欧米局がアメリカ局(現・北米局)と欧亜局に分化されたあと、アメリカ局中南米課が中南米との関係を担当する。すなわち、戦後の対中南米外交は、常に対米政策とリンクされることになる。こうした状態は、一九六五年に中南米・移民局(現・中南米局)が新設されるまで続いた。
 本資料集「欧米局執務報告 米州の部」は、この特殊な状況におかれていた戦後の対中南米外交の状況を理解するための不可欠な史料、「米州関係執務月報」を収録している。「執務月報」は、欧米局の第一課(米国、カナダ)、第二課(中南米)および渡航課の事務を簡略にまとめたものである。今回の復刻の対象となるのは、一九五二年四月から一九六二年四月までの約十年間の記録である。その期間、日本は、キューバ革命政権と通商協定を調印し、ボリビア並びにパラグアイと移住協定を締結した。また一九五九年に岸信介が日本の首相として初めて中南米を訪問した。
 近年、戦後日本外交の史料研究が活発的になっているが、中南米を対象とした研究は、まだ数少ない。したがって、米州、とりわけ、中南米に関する史料の復刻は、日本外交研究にとって重要な情報を提供していると確信している。

◆本書の特色◆

●外務省内で回覧された、欧米局「執務報告 米州の部」月報(一九五二〜一九六二年)を影印復刻。
●アメリカ、カナダ、ブラジル、メキシコ、キューバ等、北米・中南米諸国に対する動向が月単位で把握可能。
●条約・協定交渉、総理・外相の外遊、国際会議、移民、戦後補償、市民運動等に関する情報を豊富に含む。
●アメリカとの安全保障や経済援助に関する条約交渉の進捗や、中南米に対する移民送出、経済開発の経緯を詳細に記す。
●最終巻に「欧米局米州編」総目次と解説を附す。

収録内容の一例
▼「欧米局米州編」の主な収録内容

【第一回配本】
※アメリカとの軍事・経済協定の締結、中南米への移民送出が行われた昭和二十七年三月〜昭和三十二年三月を収録。
【第二回配本】
※日米安保体制が強化され、南米への経済進出が本格化した昭和三十二年四月〜昭和三十七年四月を収録。

外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 第1回配本 全5巻

刊行年月 2023年05月 定価132,000円 (本体120,000円) ISBN978-4-8433-6488-8 C3321

※アメリカとの軍事・経済協定の締結、中南米への移民送出が行われた昭和二十七年三月〜昭和三十二年三月を収録。
・日米外交再開問題
・原子爆弾災害調査委員会
・中南米諸国における公館の開設
・日米航空協定
・艦艇貸与問題
・アマゾン移民に関する外交交渉
・鹿地亘問題
・サンパウロ市四百年祭
・日米加三国漁業委員会
・相互安全保障協定(MSA)
・四国共同管理財産(アルゼンチン)
・在ブラジル凍結資産解除
・パタゴニア海域漁業資源開発
・大洋漁業のチリ沿岸漁業
・キューバへの癌新薬の送付
・生活困窮者の引揚(ペルー)
・ブラジル重工業視察団

外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 01 「執務報告」綴 欧米局米州の部 第1巻

刊行年月 2023年05月 定価26,400円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-6489-5

昭和26年度執務報告、米州関係執務月報 第1号〜第10号(昭和27年3月〜昭和28年2月)

外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 02 「執務報告」綴 欧米局米州の部 第2巻 上

刊行年月 2023年05月 定価26,400円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-6490-1

米州関係執務月報 第11号〜第18号(昭和28年3月〜昭和28年10月)

外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 03 「執務報告」綴 欧米局米州の部 第2巻 下

刊行年月 2023年05月 定価26,400円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-6491-8

米州関係執務月報 第19号〜第28号(昭和28年11月〜昭和29年8月)

外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 04 「執務報告」綴 欧米局米州の部 第3巻

刊行年月 2023年05月 定価26,400円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-6492-5

米州関係執務月報 第29号〜第42号(昭和29年9月〜昭和30年10月)

外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 05 「執務報告」綴 欧米局米州の部 第4巻

刊行年月 2023年05月 定価26,400円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-6493-2

外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 第2回配本 全4巻

刊行年月 2024年05月(予定) 揃定価105,600円 (揃本体96,000円) ISBN978-4-8433-6494-9 C3321

※日米安保体制が強化され、南米への経済進出が本格化した昭和三十二年四月〜昭和三十七年四月を収録。
・岸総理の訪米
・生産性視察団の訪米
・日墨会館の建設
・ラテン・アメリカ中央会の再建
・平和条約第15条に基づく財産返還
・日米航空協定の附表修正交渉
・三笠宮親王のブラジル訪問
・東大アンデス調査団
・ラテン・アメリカ協会の設立
・日米都市提携
・岸総理の南米諸国訪問
・キューバのゲバラ使節団訪日
・日米通商修好百年記念祭
・皇太子の訪米
・日伯文化協会の設立
・プラード・ペルー大統領の訪日
・池田総理の米加訪問
・ディーフェンベーカー・カナダ首相の訪日
・米国の核実験に対する申し入れ
・フロンディシ・アルゼンチン大統領の訪日
・クビチェック・元ブラジル大統領の訪日
・日米科学委員会
・アマゾン日伯会館の完成
・サンパウロ日本文化センターの設置 ほか

外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 06 「執務報告」綴 欧米局米州の部 第5巻

刊行年月 2024年05月(予定) 定価26,400円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-6495-6

米州関係執務月報 第60号〜第79号(昭和32年4月〜昭和33年11月)

外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 07 「執務報告」綴 欧米局米州の部 第6巻

刊行年月 2024年05月(予定) 定価26,400円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-6496-3

米州関係執務月報 第80号〜第96号(昭和33年12月〜昭和35年4月)

外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 08 「執務報告」綴 欧米局米州の部 第7巻

刊行年月 2024年05月(予定) 定価26,400円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-6497-0

米州関係執務月報 第97号〜第110号(昭和35年5月〜昭和36年9月)

外務省戦後執務報告 欧米局米州 編 09 「執務報告」綴 欧米局米州の部 第8巻/解説・総目次

刊行年月 2024年05月(予定) 定価26,400円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-6498-7

米州関係執務月報 第111号〜第117号(昭和36年10月〜昭和37年4月)