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20世紀日本英語学セレクション  全12巻・別冊1

20世紀日本英語学セレクション  全12巻・別冊1
Selection of 20th century English Studies in Japan

[監修] 井田好治

揃定価115,500円(揃本体105,000円) 
ISBN 978-4-8433-0356-6 C3382
※品切れ

本書の内容

監修にあたって   前日本英学史学会会長・現顧問 井田好治

「20世紀日本英語学セレクション」は, わが国における科学的英語学研究のスタートを飾る市河三喜『英文法研究』を,その選書対象の第一冊目として設定する。 そしてこれに続くものは,細江逸記著『英文法汎論』,大正6年(1917)4月,東京神田の文会堂刊,定価は1円30銭である。 スウィート(Henry Sweet)のNew English Grammarとアニアンズ(Charles T.Onions)のAdvanced English Syntax の影響を多大に受けた本書は,いわゆる「五文型」の普及と一般化に大いに貢献した。 ただし,残念ながら,今回は他の諸著作とともに,版権の関係で復刻がかなわなかった。 ロレンスの弟子でもあった八木又三の『新英文法』は,大正12年8月5日,日本橋の裳華房の発行,定価2円, まさに関東大震災の直前である。論理的・語史的・発音学的・心理的の四種の見地から,英文法を論じたもので, 序文で著者は「此四種の方面から観察して,初めて,ほんとうの英文法と云ふものがわかるのであります。」 とその抱負を語っている。市河文法に,発音学的見地からリズムや音象徴の審美性を加味したところが本書の特質である, と大塚博士は評している。 以上大正期刊行の三冊を取り上げて「20世紀日本英語学セレクション」の選書方針を例示してみた。 上限を市河文法としたが,下限の時点をどこに設けるか。いろいろ思案したが,戦後に紹介された構造言語学, 変形生成文法等のいわゆる新言語学登場の前,20世紀の前半すなわち昭和25年(1950)を限界とした。 田島松二氏の『わが国における英語学研究文献書誌1900―1996』(南雲堂刊,1998)の「序説」は示唆的であった。 この『セレクション』の選書の対象には,海外における英語学研究業績の翻訳書や紹介・解説書等は入っていない。 また復刻点数も限られているので,‘extensive’な網羅性を目的とはしていない。 ただ本セレクションの別冊として,大塚高信,太田朗,安井稔等諸先達の“わが国における英語学研究史”についての諸論攷を添えた。 読者はこれによって,日本における英語学の諸分野について,その研究の概観,貴重文献資料,将来への展望を得られることは間違いない。  
 

20世紀日本英語学セレクション 第1巻 『英文法研究』

刊行年月 2001年07月 定価8,030円 (本体7,300円) ISBN978-4-8433-0357-3 C3382
※品切れ

わが国における、英語の体系的・科学的研究の先駆けとなった名著。 英語に現れた語法上の様々な現象を取り扱うときに、当時欧米で有力であった歴史的・ 心理的原理を用いて説明しているという点で画期的であり、その後の「科学的」な英語研究に大きな影響を及ぼしたとされている。 20編の小論文と、「デイケンズと俗語の研究」という比較的長い論文との二部構成。 大正6年に改訂増補第三版が、大正12年には第六版が出され、昭和29年には、文体も仮名遣いもすべて改められた版が出された。 初版本・再版本は現在では入手が非常に困難である。

20世紀日本英語学セレクション 第2巻 『英文直読直解法』

刊行年月 2001年07月 定価4,950円 (本体4,500円) ISBN978-4-8433-0358-0 C3382
※品切れ

著者の主張するところの「直読直解法」を、英文和訳と和文英訳の二部構成で解説したもの。 例文を挙げ、訳例を挙げ、注意点を述べて原理原則を導き出そうと試みている。主に学校での授業や会話において、 すぐに応用でき、英語に慣れることを目的として書かれた初期の稀覯本。

20世紀日本英語学セレクション 第3巻 『英語 発音と綴字』

刊行年月 2001年07月 定価7,150円 (本体6,500円) ISBN978-4-8433-0359-7 C3382
※品切れ

わが国英語音声学研究史上、重要な著作とされるもの。 イギリス南部で普通に用いられている英語の音声を基本として説いた。索引も充実しており、 本文中に用いられていない音声学の重要な述語も取り上げられている。

20世紀日本英語学セレクション 第4巻 『英語小発音学』

刊行年月 2001年07月 定価4,950円 (本体4,500円) ISBN978-4-8433-0360-3 C3382
※在庫僅少

英語の正しい発音を習得するためには、正確な口型図が肝要であると考えた著者による画期的な著作。 口型図を工夫して考えられた「英語発音練習カード」に基づき、 解説を加えながら、英語のすべての発音を微に入り細に入り図解したもの。

20世紀日本英語学セレクション 第5巻 『英語発音法』

刊行年月 2001年07月 定価7,150円 (本体6,500円) ISBN978-4-8433-0361-0 C3382
※品切れ

Daniel Jones やWalter Rippmannの著作を参考に編まれたもの。 日本語の発音と英語の発音の比較に注意しながら、英語を学ぼうとする日本人の発音の習得を目的とする参考書として書かれた。 外国の音声を学ぶには、ある一定の順序法則が必要で、これを理解することにより、人はすべての音声を発音し得るという前提に立つ。

20世紀日本英語学セレクション 第6巻 『英語発音辞典』

刊行年月 2001年07月 定価12,100円 (本体11,000円) ISBN978-4-8433-0362-7 C3382
※品切れ

Daniel Jonesの発音辞典(1917)に拠ったもので、今もなお、わが国では唯一の発音辞典とされている。 当時の学生を読者対象に置き、厳選した約33,000(内固有名詞が約8,000)の単語に、簡単な訳語を添えて、 語学研究の重要な側面として欠かせない「発音」に主眼を置いた英語辞典として編まれた、 市河博士による本邦音声学史上きっての労作である。

20世紀日本英語学セレクション 第7巻 『新英文法』

刊行年月 2001年07月 定価11,000円 (本体10,000円) ISBN978-4-8433-0363-4 C3382
※品切れ

わが国の英文法の初期著作の中でも、埋もれた名著とされるものの一つ。 英語を、論理的・語史的・発音学的・心理的の四種の見地から観察し、問題となる現象を体系的に取り扱ったもので、市河文法に、 発音学的見地から、リズムや音象徴の審美性を加味したところが大きな特徴であるとされている。

20世紀日本英語学セレクション 第8巻 『グループ・メソッド 外国文学研究の近道』

刊行年月 2001年07月 定価13,200円 (本体12,000円) ISBN978-4-8433-0364-1 C3382
※在庫僅少

外国文を正確に理解し、また、正確に外国語を使用するための有効な方法として、『グループ・メソッド』を提案。 外国文の読み方・解し方・訳し方のそれぞれにおけるメソッドを概説し、外国文学作品からの実例を挙げて、 メソッド適用の方法を詳しく解説した異色の名著である。

20世紀日本英語学セレクション 第9巻 『A Primer of Old English Grammar 古代英語文法』

刊行年月 2001年07月 定価9,350円 (本体8,500円) ISBN978-4-8433-0365-8 C3382
※在庫僅少

古代英語(Old English)のdescriptive grammarを示すものであるが、文法の参考書・ この分野の最も初期の入門書であると同時に、英語の歴史的研究の基礎史料の一部ともなり、かつ、英文学の研究者が、 OEのテキストを読む際に参考となることをも目的として編纂されたもの。オックスフォードで中世英語英文学を学び、 語学と文学とを分離しない学風の西脇氏ならではの著作であると言える。この著作の出現により、この頃やっと、 わが国でもようやく古・中英語への関心が高まりつつあったことが分かる。

20世紀日本英語学セレクション 第10巻 『英語学 研究と文献』

刊行年月 2001年07月 定価9,350円 (本体8,500円) ISBN978-4-8433-0366-5 C3382
※在庫僅少

随所に独自の研究成果を盛り込んだ、英語学全般に関する高度な概説書であり、詳細な名著解題である。 今後の研究指針をも示しており、その後これに次ぐ類書はないとされている名著である。

20世紀日本英語学セレクション 第11巻 『文体論 方法と問題』

刊行年月 2001年07月 定価10,450円 (本体9,500円) ISBN978-4-8433-0367-2 C3382
※在庫僅少

文学と語学の間に位置する「文体論」が流行した時期に結実した名著。 ソシュールやフォスレルの影響を受けた著者は、「ラング」の学問に対し、 具体的・個人的な「パロール」を研究することが必要であることを強調した。また、パロールの中心点を、話し手の人格の中に求め、 「文学的価値」ではなく、表現された作家の人格に即してこの「パロール」を解釈しようという、 独自の言語学的な文体論を築こうとした。本書の中では、英文学と日本の近代文学の作家の文体が観察されている。

20世紀日本英語学セレクション 第12巻 『英文法詳説』

刊行年月 2001年07月 定価16,500円 (本体15,000円) ISBN978-4-8433-0368-9 C3382
※品切れ

現代の英文に見られる言語的事実を、日本人が英文の意味を理解するのに必要なものという観点に立って整理・ 分類して、統一的な解説を加えたもの。合理的な理解を読者に与え、確実な英文読解力を獲得させることを目的とする。 説明に用いた豊富な文例は、現代の著名な英文学書から採られたもの。章末の練習問題と、巻末の詳細な索引も便利。

20世紀日本英語学セレクション 別冊 『論攷 20世紀日本英語学研究の紹介と解説』

刊行年月 2001年07月 定価1,320円 (本体1,200円) ISBN978-4-8433-0369-6 C3382
※品切れ

大塚高信「本邦英語学研究小史」(『英語学論考』昭和24年(1949)研究社出版)/
井田好治「英文法 紹介と研究」(『日本の英学100年 明治編』昭和24年(1949)研究社出版)/
大塚高信「英文法」(『日本の英学100年 大正編』昭和43年(1968)研究社出版)/
太田朗「英語学(1)英語学概観」(『日本の英学100年 昭和編』昭和44年(1969)研究社出版)/
安井稔「英語学(2)英語学研究」(『日本の英学100年 昭和編』昭和44年(1969)研究社出版)