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靖国神社公式参拝関係資料 全5巻

中曽根政権期
靖国神社公式参拝関係資料 全5巻

[編・解題] ゆまに書房編集部

揃定価143,000円(揃本体130,000円) 
ISBN 978-4-8433-7020-9 C3331
A5判/上製
刊行年月 2025年05月(予定)

関連情報

本書の内容

戦後対アジア外交の転機となった、中曽根首相による靖国神社公式参拝。新たに発見された「靖国懇議事録」から合憲論への道筋を明らかにする。外務省の関連資料も合わせて収録。

(電子書籍=同時1アクセス:本体143,000円+税╱同時3アクセス:本体286,000円+税)
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本書の特色

●30年以上所在不明とされ、最近、その存在が明らかになった「閣僚の靖国神社参拝問題に関する懇談会」の「議事録」(国立公文書館所蔵、第2回~第12回、残りは「不存在」)を収録。
●「靖国懇」での議論は、これまで「議事概要」でしか明らかにされなかったが、「議事録」により各個人の詳細な発言・意見が把握可能。
●同時に外務省が1978年から1986年にかけて作成した「靖国神社参拝問題」3点(外交史料館所蔵、一部に不開示の文書を含む)を収録。
●外務省資料は、公式参拝に向けた新聞社からのアンケートへの回答、野党議員からの国会質問に対する答弁の作成など、政府としての慎重な態度を示す。また、公式参拝前後における各国政府との意見交換、現地新聞の報道振りの報告から、政府の関心の所在を示す。
●外務省資料には、靖国懇に提出するために作成された、アメリカ、西ドイツ、中国などにおける戦没者慰霊に関する報告書が収録されており、こうした問題を検討する際にも有効な資料となる。
●第5巻に、資料についての解題を附す。

●特におすすめしたい方●
日本現代史、政治史、外交史、国際関係史、神道・宗教の研究者、大学及び研究機関の図書館など。

刊行にあたって          ゆまに書房編集部

 敗戦から40年を迎えた1985年(昭和60年)8月15日、中曽根康弘首相は、公人の資格を以て靖国神社への参拝、即ち公式参拝を行った。このことは、日本国憲法における政教関係のあり方だけでなく、日本と戦争被害を受けた各国との関係にも大きな影響を与えた。
 公式参拝の前日、藤波孝生官房長官は談話を発表し、「閣僚の靖国神社参拝問題に関する懇談会」(以下、「靖国懇」と略記)の報告書に基き、一礼する形であれば、憲法の禁止する宗教的活動に該当しないとの見解を表明した。
 靖国懇とは、首相の公式参拝を議論するために、憲法学、宗教学の専門家、評論家、財界人、キリスト教徒ら15名の有識者を招聘して、設置された会議である。靖国懇は1984年8月から21回にわたり会議を重ね、85年8月9日、首相の公式参拝は違憲ではないとする報告書を提出した。
 こうして中曽根首相の公式参拝は実現し、それから40年近くの年月が経過した。公式参拝の実現を決定づけた靖国懇については、議事概要は公開されていたが、詳細な議事録の存在は不明とされていた。こうした中、『信濃毎日新聞』が2019年、内閣官房に対して情報公開請求を行った結果、全21回のうち第2回から第12回までの11回分の議事録の存在が明らかになった(残りは「不存在」とされた)。この議事録は2021年に国立公文書館に移管された。本資料集はこれを収録している。
 議事録からは、有識者が宗教の定義や戦没者慰霊のあり方、また、公式参拝への懐疑的な見方など、多様な意見を提起しており、靖国懇が決して合憲論一辺倒ではなかった様子が読み取れる。現存しているのはおよそ半分とはいえ、この議事録は公式参拝を合憲論へと導くための政府からの働きかけがあったことを示すものと見ることができるだろう。
 また、1985年前後には、公式参拝への動きに合わせて、外務省も対応を迫られていた。現在、外交史料館にはこれに関連する簿冊「靖国神社参拝問題」三点が収蔵されているため、これらも本資料集に加えることとした。内容は新聞社からの質問への回答、国会における答弁や、海外での報道振りの報告が主体であるが、外交機関としても公式参拝に慎重に対応していた姿勢を示している。また、靖国懇からの要請に対する、主要各国における戦没者追悼についての長大な報告書も収録されており、現在でも同種の問題を検討する際に、参考となるだろう。
 中曽根政権以後も、閣僚の公式参拝は重大な政治問題であり続けている。本資料がその淵源を探る材料として利用されることを期待する。

中曽根政権期 靖国神社公式参拝関係資料 第1巻 閣僚の靖国神社参拝問題に関する懇談会「議事録」(第2回~第7回〔1984年9月~1985年2月〕)

刊行年月 2025年05月(予定) 定価22,000円 (本体20,000円) ISBN978-4-8433-7021-6

(電子書籍版=同時1アクセス:本体22,000円+税╱同時3アクセス:本体44,000円+税)

中曽根政権期 靖国神社公式参拝関係資料 第2巻 閣僚の靖国神社参拝問題に関する懇談会「議事録」(第8回~第12回〔1985年2月~4月〕)

刊行年月 2025年05月(予定) 定価22,000円 (本体20,000円) ISBN978-4-8433-7022-3

(電子書籍版=同時1アクセス:本体22,000円+税╱同時3アクセス:本体44,000円+税)

中曽根政権期 靖国神社公式参拝関係資料 第3巻 外務省「靖国神社参拝問題 1」

刊行年月 2025年05月(予定) 定価33,000円 (本体30,000円) ISBN978-4-8433-7023-0

(電子書籍版=同時1アクセス:本体33,000円+税╱同時3アクセス:本体66,000円+税)

中曽根政権期 靖国神社公式参拝関係資料 第4巻 外務省「靖国神社参拝問題 2」

刊行年月 2025年05月(予定) 定価28,600円 (本体26,000円) ISBN978-4-8433-7024-7

(電子書籍版=同時1アクセス:本体28600円+税╱同時3アクセス:本体57,200円+税)

中曽根政権期 靖国神社公式参拝関係資料 第5巻 外務省「靖国神社参拝問題 3」

刊行年月 2025年05月(予定) 定価37,400円 (本体34,000円) ISBN978-4-8433-7025-4

(電子書籍版=同時1アクセス:本体37,400円+税╱同時3アクセス:本体74,800円+税)