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東条琴台書目資料集成  全3巻【new!】

書誌書目シリーズ121
東条琴台書目資料集成  全3巻【new!】

[編集・解説] 岩本篤志(立正大学教授) 石山秀和(立正大学教授)

揃定価55,000円(揃本体50,000円) 
ISBN 978-4-8433-6456-7 C3300
A5判/上製/カバー
刊行年月 2023年03月

関連情報

本書の内容

江戸後期、昌平黌に学び、 多くの学者と華やかな交流を取り結び、 一世を風靡した、異能の儒学者 東条琴台の書目に関する資料を集成。

東条琴台(1795〜1878)は江戸の芝宇田川町の生まれで、昌平黌に学び、多くの学者と華やかな交流を取り結び、一世を風靡した。しかし、1848年刊行の『伊豆七島図考』が筆禍となり、嘉永4年から明治2年までの18年間、越後高田に謫居させられた。この琴台の著書として『近代著述目録後編』や『先哲叢談後編・先哲叢談続編』が知られており、現在も江戸の学術史を語る上で欠かせない資料となっている。ただ本来『先哲叢談』は原念斎の著作で、後編を別著者の琴台が出版するにあたり、一定の手続きをした説明がなされているが、念斎の遺稿と自身の原稿の関係は不鮮明でやや釈然としない。先行研究においても、琴台は多作であったが、そのいくつかには他人の成果をそのまま盗用したとみられかねない部分があったと指摘されている。琴台は高田謫居後、高田藩校の教官に任じられ、終生、学問と密接な関係があった。しかし、時流に応じて、また依頼をうけたものを整理することで著作としている傾向もみられ、その業績は学問としてひとつの体系をなしているようには思われない。ただその人の存在は江戸期における一学者の姿やその出版の世界を知る上ではそれなりの意義を有するであろう。本書目は、東条琴台の蔵書の形成過程とその学問に関する資料や交友関係の資料を中心に整理することで、その再評価に向けて資料を提供するものである。

収録資料概要

◆『掃葉山房蔵書目録』 国立公文書館蔵。西尾豊作著『東條琴台』(1918)に紹介されているが、『国書総目録』(現:日本古典籍総合目録データベース)には載っておらず、失われたとさえ思われていた。内閣文庫(後、国立公文書館)所蔵となった経緯は現時点では不明。東条琴台は何度か火災に遭っているが、この目録は相当な分量の蔵書を記しており、晩年頃の琴台の蔵書の姿を知る手がかりとなる。蔵書に関わる先行研究と比較しながら解説をおこなう。

◆『四庫必読略書目』 東京都立中央図書館特別文庫室蔵。写本。日比谷図書館が東洋史学者の中山久四郎から蔵書を買い上げた結果、東京都の所蔵となった。初学者が漢籍をどのように学ぶべきかが、四庫分類の目録とともに記されている。また琴台を受け入れていた高田藩が刊行した『明史藁』についての言及があり、琴台の著述に対する意識をうかがう上で注目される。

◆『琴台漫筆』 今治市河野美術館蔵。琴台による漢籍・漢詩の記事の書留。どの様な書籍を好んで読んでいたのか、その関心について知る格好の資料である。

◆『琴台雁信』 慶應義塾図書館蔵。おもに鶴峯彦一(国学者)と大井茂作宛ての書簡集で、蔵書の確認や書籍のやりとりが頻繁になされている。琴台の交友関係のひろがりがみえる。

◆『焦後鶏肋冊』 国立国会図書館蔵。広告・諸会合等の印刷物の貼込帳。書画会の引き札等を含む。江戸後期の文人の交友関係が伺える。

書誌書目シリーズ121 東条琴台書目資料集成 第1巻 掃葉山房蔵書目録(全2巻)

刊行年月 2023年03月 定価16,500円 (本体15,000円) ISBN978-4-8433-6457-4 C3300

書誌書目シリーズ121 東条琴台書目資料集成 第2巻 四庫必読略書目/琴台漫筆/琴台雁信

刊行年月 2023年03月 定価22,000円 (本体20,000円) ISBN978-4-8433-6458-1 C3300

書誌書目シリーズ121 東条琴台書目資料集成 第3巻 焦後鶏肋冊/解説・索引

刊行年月 2023年03月 定価16,500円 (本体15,000円) ISBN978-4-8433-6459-8 C3300