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世界の難民の子どもたち 全5巻

世界の難民の子どもたち 全5巻
小学校高学年~高校向け

[監修] 難民を助ける会 [作] アンディ・グリン

揃定価12,100円(揃本体11,000円) 
ISBN 978-4-8433-4987-8 C0331 NDC:369
B4判変型(227×259mm)/上製/オールカラー/カバー装
刊行年月 2016年10月

関連情報

本書の内容

愛する故郷を追われて、難民になってしまった子どもたちの本当のお話。

2016年10月 全5巻 同時刊行 各巻本体2,200円

ぼくたち家族は、アフガニスタンに住んでいました。ほとんどの人が、まずしい生活をしています。あちこちで戦闘が起こっていて、いつも窓から終わることのない戦闘を見つめていました。戦争がますますはげしくなってきたので、家族みんなでヨーロッパに逃げることになりました。空港に着くと係りの人はおばあちゃんとぼくは通してくれましたが、お父さんとお母さんは通してくれませんでした……。 (『「アフガニスタン」のアリの話』より)

『難民の理解のために』       難民を助ける会 専務理事 堀江良彰

 みなさんは「難民」と聞くと、どのような人を想像しますか。世界にはさまざまな理由で自分の故郷を捨てなければならない人々がいます。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)発表によると、2015年末の時点で、世界中で6,530万人が、内戦や治安悪化などによって難民や国内避難民などとして故郷を追われ、強制的に移動しなければならない状況に置かれています。  
 このうち、2,130万人が、母国を離れ他国に逃れている「難民」、約4,080万人が自国にとどまって避難生活を送っている「国内避難民」、そして320万人が「庇護希望者」です。いま、日本の人口は約1億3千万人ですが、世界ではその半数近くにあたる人々が故郷を追われているのです。  
 数字にしてしまうと、一人ひとりの顔が見えず、ただの大きな数の集団としか感じられないかもしれません。でも、その一人ひとりに、人種や宗教が違うというだけで迫害されたからとか、武力紛争が激化して安全でなくなったからとか、故郷を捨てなければならないそれぞれの理由があります。  
 そして、避難する長い道のりの途中で家族が離れ離れになってしまったり、地雷を踏んで手足を失ってしまったりといったそれぞれの物語があります。なんとか生き延びたとしても、難民を受け入れている国も経済的に貧しい場合も多いので、避難先で十分な食料や生活に必要な物資の支援を受けられないこともあります。学校に行けなかったり、たとえ通えても、言葉が違ったりして、授業が理解できないかもしれません。もちろん、難民となっても、逃れた先で一生懸命に努力して、生活の基盤を築き、成功をおさめる人もいます。  
 本書は難民となった子どもたちの実話です。今、この瞬間にも世界のどこかで故郷を捨てて逃げている最中の子どもたちがいます。この本を読んで、そんな子どもたちの苦悩・希望・決意を少しでも想像してみてください。そして、世界の難民に対して、みなさんができることが何かないかを少しでも考えてくれたらうれしいです。

本書の特色

◆本書はすべて本当のお話です。
◆自国を捨てざるをえなかったそれぞれの事情や、自分たちがおかれている状況、苦しみ、希望、決意などを、子どもたち自身が語ります。
◆アフリカや中近東、ユーラシア等、5カ国の子どもたちのお話を収録。
◆英国アカデミー賞を受賞したBBC(英国放送協会)制作のアニメを絵本化。
◆国連公認・登録の国際NGOで、60を超える国・地域で支援を展開する「特定非営利活動法人・難民を助ける会」が日本語版を監修。
◆小学校低学年でも読むことが出来るよう、漢字には全て読み仮名をふりました。

【監修・難民を助ける会について】
「特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)」は、1979年にインドシナ難民を支援するために、 政治・思想・宗教に偏らない市民団体として日本で設立されました。国連に公認・登録された国際NGO(非政府組織)であり、これまでに60を超える国・地域で支援を展開しています。

NDC:369
小学校高学年~高校向け

世界の難民の子どもたち 第1巻 「アフガニスタン」のアリの話

刊行年月 2016年10月 定価2,420円 (本体2,200円) ISBN978-4-8433-4988-5

10歳の難民アリの体験した本当のお話です。アリは、戦争を避けて自国アフガニスタンから祖母とともに逃れていきます。戦争のせいで他国に逃げてきた子どもやその家族がこうむるであろう疎外感や、一家離散の苦しみ、悲しみがつづられ、また、そうした困難をのり越えていくための一筋の希望も語られています。

世界の難民の子どもたち 第2巻 「イラン」のナビッドの話

刊行年月 2016年10月 定価2,420円 (本体2,200円) ISBN978-4-8433-4989-2

クルド系イラン人の難民ナビッドの体験した本当のお話です。ナビッドが4歳のとき、父親は命の危険を感じて、やむなくイランから脱出しました。その後ナビットも母とともに、父を追って安住の地へ向かいます。その長い旅路のなかで経験した恐ろしいできごとや数々の苦労が語られます。しかし、やっと再会した父親に対してナビッドは思いがけない感情を抱くのでした。

世界の難民の子どもたち 第3巻 「エリトリア」のハミッドの話

刊行年月 2016年10月 定価2,420円 (本体2,200円) ISBN978-4-8433-4990-8

10歳の難民ハミッドの体験した本当のお話です。ハミッドは、政府による家族への脅迫と戦渦を逃れて、母とともにエリトリアから脱出しました。新たな国で、言葉も文化もほとんどわからないなか、苦労しながら少しずつ新しい生活を築いていきます。しかし、生活はしだいに落ちついていっても、ハミッドの心から、戦争の恐怖や苦しみ、悲しみが消えることは決してないのです。

世界の難民の子どもたち 第4巻 「ジンバブエ」のジュリアンの話

刊行年月 2016年10月 定価2,420円 (本体2,200円) ISBN978-4-8433-4991-5

12歳の難民ジュリアンが体験した本当のお話です。ジュリアンは3歳のとき、母国ジンバブエで起こった戦いにより、母と引き離されてしまいました。アフリカの孤児院でつらく苦しい孤独な日々を送ります。しかしそんな生活も、母との再会という奇跡のような偶然がおとずれ、終わりを告げます。その後2人は政治亡命を申請し、第2の母国となった新たな国で、母子いっしょに、もう一度人生をやり直していけるようになるのです。

世界の難民の子どもたち 第5巻 「ユーラシア」のレイチェルの話

刊行年月 2016年10月 定価2,420円 (本体2,200円) ISBN978-4-8433-4992-2

13歳の難民レイチェルがキリスト教徒ゆえに受けてきた迫害を避けて、イスラム教主流の母国から家族とともに逃れてきた本当のお話です。移民局の役人を前にしたときや拘置所のなかで、また、国外退去の際にレイチェルが見せた、立ち向かっていく勇気の記録、そしてさまざまな困難をのり越えて、新たな国で、新たな生活をはじめていくまでがつづられます。