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ライシャワーの名言に学ぶ異文化理解

ライシャワーの名言に学ぶ異文化理解

[編著] 御手洗昭治 [著] 小笠原はるの

定価1,980円(本体1,800円) 
ISBN 978-4-8433-4986-1 C3080
B6判/並製/カバー装
刊行年月 2016年06月

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本書の内容

駐日大使も務めたハーバード大学の歴史学者、日本生まれのライシャワー。その言葉から異文化理解、日本のあり方、交渉法などを学ぶ。ライシャワーの平明な英語とその和訳も紹介。

日本自体の安定した民主制度、円滑に機能している社会制度、そして平和への誓約は、その巨大な経済力と結びついたとき、世界が直面している課題の解決に大きく役立つでしょう。
Its own stable democracy, smoothly operating social system, and commitment to peace, when combined with its tremendous economic power, can do much to help solve the problems the world faces.
The Japanese Today, p.409
日本は政界、ビジネス、教育分野においてグローバルな視野と力量を持ち、語学力を異文化とのコミュニケーションの手段として使え世界にも影響力を与えるリーダーを育てる必要がある。
What Japan needs is a leader who has global outlook, global views, and stature in business, in politics, in education and in other fields---a leader who can use English as a means of cross-cultural communication, and who is influential among global leaders.      
An interview with Reischauer on Sept.20, 1989

ハーバード大学の歴史学者で日米と異文化間の架け橋であったエドウィン・O・ライシャワーの名言を通して、日本と国際社会のあり方とは何かを学ぶ。利害が対立する時、相手を説得したい時、どのように言葉を使用してコミュニケートし、難局を乗り越えればよいのか? 
本書ではケネディ政権時代の駐日大使で、グレート・スピーチ・メーカー且つミディエーターとして知られるライシャワーの明快で平易で親しみやすい名言を和文と英文で紹介しながら、その生き方と平和思想を探る。これからの時代に求められる発信力と資質とは何か? それを知るために是非読んでおきたい一冊。

エドウィン・O・ライシャワー 1910年10月15日〜1990年9月1日
東京市芝区の明治学院内宣教師住宅で生まれる。父、オーガスト・カール・ライシャワーは東京女子大学の創設に関わった宣教師。1927年、東京のアメリカンスクールを卒業し、オハイオ州のオバリン大学に入学。大学卒業後、ハーバード大学大学院歴史研究科へ進む。修士号を取ったのち、パリ、北京、京都などで学び、1939年、円仁研究で博士号取得。太平洋戦争期は、陸軍や国務省に勤務。戦後はハーバードでの研究生活に戻り、1956年には燕京研究所所長となる。また、前年に妻を失っていたライシャワーは、松方ハルと再婚する。1961年、ケネディ大統領の要請を受け、4月、駐日大使として東京に赴任。1964年、精神に障害のある19歳の日本人に大腿を刺される事件があったが、1966年まで大使を続けた。退任後は、再び学究生活に戻り、研究や著作を続けた。1981年、ハーバードを定年退職。1990年、カリフォルニア州で、延命措置を拒否して永眠した。遺灰は遺言により太平洋に撒かれた。

目次

Ⅰ ライシャワーの人物像  
1.ライシャワーの言葉    
 1)シェイクスピアの影響 
 2)グレート・スピーチメーカー    
 3)ユーモア  
2.ライシャワーの顔    
 1)人間として 
 2)歴史学者として 
 3)教育者として    
 4)外交官として
Ⅱ 「国際交渉」とライシャワー  
1.ライシャワーの「交渉」    
 1)ハーバード流交渉術のロジャー・フィッシャーとの交流    
 2)交渉の時代と国際社会の紛争解決法  
2.ケネディ・ライシャワー路線    
 1)「損なわれた対話」 
 2)ライシャワーの日米交渉    
 3)ライシャワーの見た世界危機とキューバ危機    
 4)ライシャワーの見たキューバ危機以前のソ連観
Ⅲ 「平和について」のフィロソフィー  
1.アメリカの平和運動史    
 1)1920年代のアメリカ社会 
 2)平和思想の萌芽  
2.青年ライシャワーの平和研究    
 1)ヤッシー教授の人物像 
 2)「平和協会」の設立
Ⅳ ライシャワーの視座と提言  
1.異文化/日本文化理解へのまなざし  
2.日米/アジア/国際関係へのまなざし  
3.日本/アジア研究者としてのまなざし  
4.外交官/政策者としてのまなざし
ライシャワー年表
ライシャワーの長文のオリジナル英文
附録/参考文献