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関連情報

• 「戦争調査会事務局書類　全15巻」のカタログはこちらです。（pdf/4,145KB）

本書の内容

終戦まもなく戦争敗北の原因及び実相を日本人自らの手で調査した幻の文書群

本会ハ今次ノ戦争敗北ノ原因及ビ実相ヲ明カニセムガ為ニ政治、軍事、経済、思想、文化等凡ユル部門ニ亘リマシテ徹底的ノ調査ヲ行ハムトスルモノデアリマス……其ノ原因ヲ探究致シマシテ再ビ此ノ失敗ヲ繰返シマセヌヤウ我々ノ心持ヲ改メ教訓ヲ後世ニ垂レルコトガ我々ノ子々孫々ニ対スル義務デアルト考ヘルノデアリマス 　（幣原喜重郎総裁挨拶より）

終戦まもなく非戦を語った幻の調査会の全容

　幣原喜重郎内閣において、アジア・太平洋戦争敗戦の原因および実態の「徹底的」調査を目的として設置された、戦争調査会の事務局書類に関し、国立公文書館所蔵資料を中心にまとめた。調査会メンバーの個人文書などで断片的にしか知られていなかった本調査会の全容が、本資料集で明らかにされるであろう。 　第１部（政治外交）、第2部（軍事）、第3部（財政経済）、第4部（思想）、第5部（科学技術）で構成され、各分野の専門家が参集した。六十八の調査事項のうち、財政経済が二十五項目、思想が十三項目を占め、敗戦からの復興と戦後日本の平和構想に密接に関係した記録である。近年盛んである日本外交思想史、憲法制定の比較史、多国間主義と民主化過程といった研究分野において活用が期待される資料といってよい。また、研究領域が細分化された今日の研究状況にあって、戦後日本における非軍事化と民主化との関係性といった、権力と非権力の両面をふまえた歴史像を再構築していくにあたって本資料集刊行の意義は大きい。 　本資料集はこれまで顧みられることがなかった貴重な文書群を体系的に復刻・刊行するものである。

●特におすすめしたい方●　
政治史、軍事史、政軍関係史、アジア史、国際関係史、近現代史全般の研究者。大学および研究機関の図書館。

戦争調査会の事務局書類の影印復刻を体系的に収録

■主な収録史料■
「戦争調査会事務局書類」（全16冊、国立公文書館所蔵）
「戦争調査会関係資料」（全5冊、国立国会図書館憲政資料室所蔵）

【戦争調査会とは】
幣原喜重郎内閣期（1945年11月）に、アジア・太平洋戦争敗戦の原因および実態の「徹底的」調査を目的として設立された調査会である。総裁は幣原、事務局長は青木得三。第１部（政治外交）、第２部（軍事）、第３部（財政経済）、第４部（思想）、第５部（科学技術）で構成され、各分野の専門家が参集した。68の調査事項のうち、財政経済が25項目、思想が13項目を占める。1946年６月以降の対日理事会（Allied Council for Japan）で調査会の存在に疑問が呈され、同年内に解散した。

〈戦争調査会の部会と役員〉
総　裁　幣原喜重郎（内閣総理大臣）　　　
副総裁　芦田　　均（衆議院議員）

●第１部会【政治外交】 　
会　長　斎藤　隆夫（衆議院議員） 　
副会長　大河内輝耕（貴族議員） 　
同　　　片山　　哲（元衆議院議員）
●第2部会【軍　　事】 　
会　長　飯村　　穣（元憲兵司令官） 　
副会長　戸塚道太郎（元横須賀鎮守府長官）
●第3部会【財政経済】 　
会　長　山室　宗文（元三菱信託会長） 　
副会長　渡辺　銕蔵（元東京帝国大学教授）
●第4部会【思想文化】 　
会　長　馬場　恒吾（読売新聞社社長） 　
副会長　和辻　哲郎（東京帝国大学教授）
同　　　中村　孝也（元東京帝国大学教授）
●第5部会【科学技術】 　
会　長　八木　秀次（大阪帝国大学総長） 　
副会長　柴田　雄次（名古屋帝国大学教授）

事務局長官　青木得三（庶民金庫理事長）

＜編集方針＞
一、アジア・太平洋戦争の起こった原因を、日本の置かれた国際環境と日本の国内事情との両面から、世界史的立 場に立って究明する。
二、アジア・太平洋戦争を遂行するにあたって、日本のとった種々の方策、その実施の経緯及び効果を明らかに し、また戦争による日本の国内事情の変化を究める。即ち、戦争経過の実情を明確にし、さらに敗戦に導いた真因を探求する。
三、降伏後の日本がどのような困難に直面し、またそれを処理したか、その実情を明らかにする。