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社史で見る日本経済史 第6期 第1回 全6巻

社史で見る日本経済史 第6期 第1回 全6巻

[監修] 加藤厚子

揃定価115,500円(揃本体105,000円) 
ISBN 978-4-8433-4784-3
A5判・B5判/上製/函入
刊行年月 2015年06月

本書の内容

社史で見る日本経済史 第6期 第80巻 日活の創立事情(と、自分の責任観) (梅屋庄吉 著 1926年) 日活の社史と現勢 (加茂令堂 著・日活の社史と現勢刊行会刊 1930年)

刊行年月 2015年06月 定価14,300円 (本体13,000円) IISBN978-4-8433-4786-7

[解説]上田学

1912年、吉沢商店、エム・パテー、横田商会、福宝堂の4社トラストによって日本活動写真株式会社が創立された。『日活関西東京両撮影所十週年記念写真帖』はその10年の歴史を写真資料の数々から語る稀覯書。『日活の創立事情(と、自分の責任観)』は、トラスト日活創立の立案者である実業家・梅屋庄吉が創立当時の状況を記録した貴重な手記。各商社の買収額や資金繰りの苦難、梅屋が辞任にいたるまでの経緯等が記されている。『日活の社史と現勢』では創立者のひとりである横田商会・横田永之助を中心に日活の社歴、展望が詳細に述べられる。「如何にして映画事業を発達せしむべきか」に注意を払い、映画事業の企業化に最善の努力を傾けた日活の様相を映し出す好史料。日活は2014年に高水準の『日活100年史』を刊行したが、これら3冊は日活の初期の活動と発展を知るうえで貴重な文献である。

社史で見る日本経済史 第6期 第81巻 株式会社写真化学研究所 設立趣意書・起業目論見書 (株式会社写真化学研究所 著・刊 1932年) J.O.トーキースタヂオ(発行年未詳) 東宝映画十年史抄(岩下一郎 編・東宝映画刊 1942年)

刊行年月 2015年06月 定価22,000円 (本体20,000円) IISBN978-4-8433-4787-4

[解説]加藤厚子

写真化学研究所は、技術研究から出発し貸スタジオとしてトーキー製作に関与した。『株式会社写真化学研究所 設立趣意書・起業目論見書』では、演劇興行を基盤とする従来の業者と異なる自社の姿勢が強調されている。『J.O.トーキースタヂオ』は所有する設備・機材を紹介し自社の特長を述べる会社説明であり、豊富な写真は1930年代前半の技術資料としても貴重である。のちに両者は株式会社東京宝塚劇場とともに東宝ブロックの一角を成し日本映画市場に参入するが、『東宝映画十年史抄』はその経緯から東宝映画株式会社の設立、映画臨戦体制に伴う再編に至る通史であり、後発企業として日本映画市場に参入した東宝の足跡を理解するために必須の史料である。

社史で見る日本経済史 第6期 第82巻 東宝十年史(西村晋一 編・東京宝塚劇場刊 1943年) 東宝二十年史抄(中川公 編・東宝刊 1954年)

刊行年月 2015年06月 定価27,500円 (本体25,000円) IISBN978-4-8433-4788-1

[解説]加藤厚子

1932年の東京宝塚劇場創立は、近世以来の演劇興行と異なる新しい興行形態の展開、有楽町近辺の開発という二点において大きな転換点となった。『東宝十年史』は専属劇団による演劇興行の足跡と、傘下団体や劇場の現勢を中心に詳述する通史で、東宝の主力コンテンツであり映画とも関連の深い演劇部門の展開過程を知るうえで不可欠の史料である。東宝は、戦時中の映画臨戦体制による市場解体・再構築、戦後の過度経済力集中排除法による指定とそれに伴う処分、東宝争議による混乱と、約10年の短期間に激しい変化を経験したが、『東宝二十年史抄』はその記憶も新しい1954年に発行されており、極めて重要な歴史資料としての価値を有する稀覯書である。

社史で見る日本経済史 第6期 第83巻 東和商事合資会社社史 昭和三年−昭和十七年 (東和商事刊 1942年)

刊行年月 2015年06月 定価28,600円 (本体26,000円) IISBN978-4-8433-4789-8

[解説]土田環

東和商事合資会社(現:東宝東和株式会社)は外国映画輸入配給社のさきがけとして1928年、川喜多長政によって設立された。社名「東和」は「東ニ和ス、即ち東亜ト調和ス」を意味する。妻・かしことともに長政はヨーロッパ各国の映画を数多く日本へ輸入・配給し、日本の映画文化の向上に貢献した。本書は1942年の外国映画配給統制による東和商事映画部解散を機に編まれ、15年間の映画事業を詳細に伝える「東和商事社史」、川喜多長政・かしこ夫妻の「川喜多夫妻訪欧日記」、「欧州映画輸入作品目録」等を収録。巻頭には数々のヨーロッパ映画の貴重写真のほか、色鮮やかな宣伝ポスターが収められている。映画で世界と日本を結んだ川喜多夫妻、東和商事の事跡を辿ることのできる、高い資料的価値をもつ社史である。

社史で見る日本経済史 第6期 第84巻 1936 DAITOEIGA (宮崎輝清、北里俊夫 編・大都映画宣伝部刊 1937年) 大都映画株式会社沿革誌(河合徳三郎 編・刊 1939年)

刊行年月 2015年06月 定価14,300円 (本体13,000円) IISBN978-4-8433-4790-4

[解説]加藤厚子

1920年代後半、日活・松竹が圧倒する映画市場の峡間を、小規模の映画業者が争奪していたが、その一つである河合映画会社を母体として1933年に設立されたのが大都映画株式会社である。1939年発行の『大都映画株式会社沿革誌』は、関東大震災前後の創業者の活動、河合映画会社時代を含む大都の複雑な設立経緯と、日活・松竹による支配の下で市場獲得に工夫を凝らす大都の動向を知ることができる好史料である。作品や俳優を含む撮影所員を写真とともに紹介する『1936 DAITOEIGA』は、当時の大都の現勢を示すカタログであり、映画臨戦体制に伴い新興・日活製作部門と統合され大映となったために、企業資料が散逸している大都においては、社史に準ずる貴重な史料である。