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• 「朝鮮総督府及所属官署職員録」のカタログはこちらです。（pdf/4,082KB）

本書の内容

朝鮮総督府成立の1910年から1943年まで、総督はじめ、官吏、判事・検事、教員等々の、極めて詳細かつ貴重な職員録。

※第３回配本はオンデマンド製作、約3週間程度お時間いただきます。

※このページ上部の「刊行年月」は、最終配本の刊行年月を表示しています。

刊行のことば　　　　　韓国外国語大学名誉教授　鄭晉錫（チョン・ジンソク）

　総督府は毎年、中央および全国の地方に勤務する職員とその所属官署に勤務する職員名簿を整理して一冊の本にまとめ発行した。一九一〇年より『朝鮮総督府及所属官署職員録』という題名のもと発行されたこの冊子には、植民地統治に従事したすべての公務員の人名が収録されている。上は総督、下は行政を担当する各部所属公務員と司法機関の判事および検事は勿論のこと、これら職員が勤務する地域毎に、また、等級に応じて、すべての人を収録したのである。
　京城帝国大学をはじめ高等教育機関と中学校、地方の小学校教員、国公立病院に至るまですべての分野の全国の公務員が含まれる（一番末端の公務員は除外されている）。
　職員録は、日帝時代に朝鮮を統治した人物と総督府の組織機構全般を一目瞭然に見ることのできる最も基本的で、詳細かつ、完全な資料と言える。この職員録は、植民地統治期間のすべての年度を体系的につなげて見ることができることに、重要な意味があるとも言える。各年度には、その年の職員のみ収録されているが、各年度をつなげて見ると、その連続性、変化がよくわかる。年度によっては機構の変遷もあったので、何時、どのような人物がどの部署で何をしたのか、また、当時のある特定機構の構成員はどのような人物であり、それら職員の職務、上下関係はどうだったかを見るためには、年度別職員録をつなげて見る必要があるが、それがほぼ全部揃っていることに、この資料の価値がある。
　職員録の所属名簿には、個人別官等、位階、勲等、功級、爵級などを記載しているが、これら記録を通じて特定人物の身分を把握、その人物の給料までを知ることができる。植民地時代の人物研究はもとより、官僚全般に関する研究にも活用できよう。

　研究者の立場からすると、どうしても資料の所蔵場所を探し、資料を追跡する努力をしなければならない。国立中央図書館や国立ソウル大学図書館のような図書館でも個別年度の職員録を探すことは可能であるが、それを探すための苦労はともかく、三十四年分を完全に一箇所で入手、閲覧することはできない。すなわち、このような資料は当然、復刻版があってしかるべきであり、本来、国家が予算を当てて進めなければならない事業でもある。

　最初の年度である一九一〇年はその年の十二月一日現在の資料が収録されている。日本が強制的に韓国を併合した八月二十九日から計算して三ヶ月後の十二月一日現在の総督府およびその所属官署の職員の現状を調査し、翌年の二月十四日に発行したものである。
　その後毎年職員録を発行したが、一九一三年、一九一五年、そして最後の職員録となった一九四三年版は独自の朝鮮総督府職員録ではなく、日本全体の公務員職員録の中の一部分として朝鮮総督府職員録が含まれている。すなわち、この三カ年の職員名簿には高級職員のみ収録されている。他の年度に比べて収録人数が少ないのである。一九四三年の場合は七月一日現在の高等官およびこれに準ずる待遇をうける官吏のみ収録されている。
（本文解説「朝鮮総督府および所属官署職員録の刊行に寄せて」より抜粋）

◆本書の特色◆

●朝鮮総督府成立の1910年より1943年までの、34年間の総督府職員録。調査時点の所属別名簿を中心に、俸給表やその年の主要な異動表が付載されている。

●上は総督から、各部所属の官吏、判事・検事、教員などにいたるまで、朝鮮総督府や、その他公的機関で勤務したあらゆる人々（巡査、看守等は除く）が、位階、勲等、功級、俸給なども含めて掲載されている。

●特に34年間をほぼカバーしていることや、主要な役職者の異動が付載されていることで、朝鮮総督府の人や組織の動きを逐一追うことができる。

●本復刻版では、原則として各年度１冊とし、別巻に土地調査局の職員録３冊を収録する。