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「満洲」進出企業年鑑 第1期 満洲銀行会社年鑑 全13巻

「満洲」進出企業年鑑 第1期 満洲銀行会社年鑑 全13巻

[監修] 須永徳武

揃定価415,800円(揃本体378,000円) 
ISBN 978-4-8433-2898-9 C3334
A5判上製/函入
刊行年月 2001年12月

関連情報

本書の内容

信頼度、資料的価値NO.1。
満洲に進出した日本企業の便覧。
昭和10年~同17年における、詳細な企業年鑑。

本企画は、「満洲」に進出した各国の企業を網羅した、いわゆる「企業年鑑」を、日本の「満洲」進出の歴史的各期に照準を合わせながら集成しようとする試みです。さまざまなデータからなる本書は、経済からみた、「満洲」における多国間関係史の基礎資料集となっています。第1期で、昭和10年代に8年間継続して刊行された『満洲銀行会社年鑑』(大連商工会議所刊)を、つづく第2期で、 日露戦後の満洲進出初期、第1次大戦後、満洲事変後の年鑑、そして敗戦直前に刊行された『満洲国会社名簿』『満洲鉱工年鑑』の刊行を予定しています。本シリーズを見渡すことで、通史的に企業進出の流れを追えるとともに、内容の重点の置き方など、それぞれの年鑑の特色からも貴重な情報を得ることが可能です。

『「満洲」進出企業年鑑』の刊行にあたって   須永徳武(立教大学経済学部教授) 
 日露戦後を画期として、近代日本の対外投資活動は本格化するが、戦前期を通じて最大の投資地域であり続けたのは「満洲」(中国東北部、以下、括弧を省略)であった。日本の対満洲投資は一九〇六年に設立された満鉄を軸に展開され、鉄道および鉱工業を中心に第一次大戦期以降も着実に拡大していった。その後、一九三一年の満洲事変勃発と翌年三月の満洲国建国を画期としてインフラ部門を中心に投資が拡大し、日本の対満洲投資は新たな段階へと進展した。さらに一九三七年の第一次産業開発5ヵ年計画の発動と満業の設立を契機として対満洲投資は飛躍的なテンポで増大した。しかし、アジア太平洋戦争の勃発により日本の資金供給力が悪化した結果、対満洲投資も一九四一年をピークとして急激に収縮することとなった。
 こうした日本の対満洲投資のマクロ動向については、「その統計的整理だけにかぎってもなお未開拓の分野を残している」という山本有造の指摘もあるが、そ れでも山本、金子文夫、疋田康行、柴田善雅らの研究により、その全体的な特質はかなり明らかになってきたと思われる。しかし、他面で個々の投資実態に立ち入った研究について見てみると、その偏在性が際立っている。日本の対満洲投資を形態別に区分するとそのほぼ90%を事業投資が占めるが、これまでの研究は満鉄や満業をはじめとする一部の巨大企業に集中し、それら以外の大多数の日本企業の進出実態やその特質についてはほぼ手つかずの状態にある。この側面に対する問題意識が希薄だったわけではない。財閥系資本や中小資本の多様な企業進出 の実態解明の必要性は、かねてより金子や疋田、あるいは柳沢遊らが強調してきた論点であった。こうした問題意識と研究状況とのギャップを生じさせた背景には明らかに史料上の制約性があった。主要企業の満洲進出が一九三〇年代以降に集中し活動期間が短期間であったこと、それ以前に進出した中小企業も景気変動の波に洗われ浮沈が激しかったこと、これらの結果として研究の基礎史料となるべき社史類の刊行が著しく少ない。また、企業研究の基礎データである営業報告書も、東京大学経済学部所蔵のものがマイクロフィルム化されて在満洲企業のカ バレッジと利便性が高まったとはいえ、きわめて限定的であり大多数は散逸してしまっている。
 今回の「『満洲』進出企業年鑑」の刊行はこうした史料上の制約を軽減することを目的に企画された。『満洲銀行会社年鑑』は、大連商工会議所調査部の編纂により一九三五年から四二年まで逐年で計7冊が刊行された企業年鑑である。その最大の特徴は商業登記会社を悉皆掲出した網羅性にある。第1回の昭和十年版 には、株式会社・合資会社・合名会社・満洲国法人など約二、〇〇〇社が収録されている。これが最後の第7回の昭和十七年版になると六、七〇〇社を越える企業数となる。本シリーズに収録予定である満洲中央銀行資金統制課編『満洲国会社名簿』康徳十(一九四三)年版に収められた企業数の四、九二一社と比較して も、その網羅性は際立っている。採録データは、所在地、設立年月日、資本金、 株式数、営業目的、役員名簿、大株主名簿である。さらに株式会社や満洲国法人の多くに貸借対照表・損益計算書・利益金処分の財務データが掲出されており、 営業報告書の欠落を相当程度補完可能な内容を有している。その意味で『満洲銀行会社年鑑』は満洲に進出した日本企業の便覧であり、これにより企業進出の時 期的特質や産業別の投資動向、あるいは役員名簿や株主名簿の分析を通じた満洲経済界の人的ネットワークの研究など、多様な分析視角からの様々な利用が考えられる。また、『満洲銀行会社年鑑』刊行後も、『満州国会社名簿』や鉱工業に 限定されるが資本金20万円以上の約五〇〇社の主要企業データを収録した満洲鉱工技術員協会編『満洲鉱工年鑑』などの企業年鑑類の刊行を予定している。この満洲進出企業の基礎データの提供を目的とする「『満洲』進出企業年鑑」シリー ズが、これまでの満洲経済研究の史料的隘路の開鑿と日本植民地研究の進展に幾 ばくかでも役立てればと思う。
 なお、今回の『「満洲」進出企業年鑑』の刊行は監修者が参加する満洲企業研究会の共同研究にその多くを負っている。

『満洲銀行会社年鑑』の特色
●「満洲国」すべての企業を網羅
昭和14年版でその数約4900社。満鉄(南満洲鉄道株式会社)という巨大国策会社から資本金数千円の市井の小規模な洗濯会社や質屋まで、すべての会社が網羅されている年鑑です。
●索引が充実している
全企業・支店の名称索引付きで、企業名辞典ともなっています。
●分かりやすい編集方針
日本法人・満洲国法人に二分され、そのなかで株式会社(産業分類別)・合資会社・合名会社別に区分され、最後に支店を列記するという分かりやすい編集方針のうえ、索引の企業名からでも引くことが出来ます。
●信頼度が高く資料的価値も高い
数ある年鑑類の中でも大連商工会議所調査課が編集・刊行した信頼にたる資料といえます。主要な株式会社については、貸借対照表・損益計算書及び損益金処分などの決算諸表が掲載されているので、資料的に使えます。
●有力主要企業の記載事項
本社所在地、設立年月日、資本金、払込資本金、株数、目的、決算期、重役氏名、期末株主数、大株主氏名、資本の変化(増資等)、備考、その他上記の決算諸表。また、どんなに小さい会社でも、所在地、設立年月日、資本金、代表者、目的は掲載されています。
●社史がない企業の動向が探れる
台湾・朝鮮に比べ、企業の進出の比較的遅い「満洲国」の企業史を見るには、年次が浅い分社史が少なく、年鑑の方が有効な場合もあります。
●広い分野で有用
経済史・経営史・日本近現代史などの資料としてのみではなく、戦前満洲に一旗揚げにいった人びとや会社名を調べたり、小説の背景を調べたりするのにも格好の基礎資料です。

「満洲」進出企業年鑑 第1期 第1回配本 全3巻

刊行年月 2001年12月 揃定価110,000円 (揃本体100,000円) ISBN978-4-8433-0480-8 C3334
A5判上製/函入

「満洲」進出企業年鑑 第1期 第2回配本 全6巻  

刊行年月 2002年06月 揃定価182,600円 (揃本体166,000円) ISBN978-4-8433-0580-5 C3334
A5判上製/函入

「満洲」進出企業年鑑 第1期 第3回配本 全4巻

刊行年月 2008年04月 揃定価123,200円 (揃本体112,000円) ISBN978-4-8433-0658-1 C3334
A5判上製/函入