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戦後アジアにおける日本人団体 ―引揚げから企業進出まで―

戦後アジアにおける日本人団体 ―引揚げから企業進出まで―

[編集] 小林英夫 [編集] 柴田善雅 [編集] 吉田千之輔

定価5,280円(本体4,800円) 
ISBN 978-4-8433-2749-4 C3021
A5判/並製/カバー装
刊行年月 2008年05月

本書の内容

様々な日本人団体が「引揚げ」「戦後補償」に関わり、そして、「アジアへの企業進出」を支えてきた。この政府でも企業でもない「もう一つの歴史主体」の活動を追い、戦後アジアと日本の関わりを考察した画期的論集。

戦後アジアにおける日本人諸団体の活動を追いながら、戦後のアジアと日本の 関係史の源流とその後の展開を論ずる新たな視点から見た戦後アジア史。
第1部では、日本敗戦直後の「引揚げ」と「戦後補償」について、諸団体の果たした役割を論じ、第2部では、戦後のめざましいアジアへの日本の「企業進出」に大きな役割を果たした日本人会、日本人商工会議所、日本人学校など日本 人諸団体の動向を各国・地域ごとに実証的に論証。

【本書の特色】
●戦後日本とアジアとの関係を、様々な日本人団体の活動の分析を通じて明らかにしてゆく。引揚げと企業進出が、各地 域毎に述べらており、多くの情報を提供する。
●各国の日本人会、商工会議所、日本人学校など資料は失われつつある。各執筆者が史料を猟渉した成果として書かれた 本書は、今後の研究の基礎文献となるはずである。
●執筆陣に、気鋭の研究者とともに、現場を知る実務経験者を加えた異色の研究書。
●戦後アジア各国・地域と日本の、経済関係、外交、関係史等の研究に必須の一書。

目次から
《序章》戦後アジアにおける日本人団体の活動と特徴 
 (早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授 小林英夫)
▼第1部 引揚げと戦後補償
 第1章 海外引揚問題と日本人援護団体
     —戦後日本における帝国意識の断絶—
 (国文学研究資料館アーカイブズ研究系助教 加藤聖文)
 第2章 朝鮮半島からの帰還 —アメリカの政策と日本人の引揚げ—
 (立教大学法学部教授 マーク・E・カプリオ)
 第3章 東南アジア・オセアニアの引揚げ
 (大東文化大学国際関係学部教授 柴田善雅)
 第4章 引揚者経済団体の活動と在外財産補償要求(柴田善雅)
▼第2部 アジア各国・地域の日本人団体と経済
 第5章「日韓条約」以降の経済関係と在韓日本人団体
 (下関市立大学経済学部教授 木村健二)
 第6章 日台経済関係と在台日本人団体 (小林英夫)
 第7章 香港における戦後の日本人団体
     —香港の経済発展と日本企業の活動を視点に—
 (国立音楽大学理事 内野好郎)
 第8章 戦後日比関係と在比日本人団体の活動(小林英夫)
 第9章 ベトナム・ホーチミン市の日本商工会
 (早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授 白石昌也)
 (株式会社ワールド・リンク・ジャパン取締役 伊東淳一)
 第10章 タイ国日本人会とバンコク日本人商工会議所
 (財団法人日本タイ協会理事長 吉田千之輔)
 第11章 マレーシアの日本人団体
 (インドネシア全国協同組合評議会議長特別顧問 藤田国幸)
 第12章 シンガポールにおける日本人団体
 (文化女子大学服装学部服装社会学科准教授 糸林誉史)
 第13章 インドネシアにおける日本人団体
 (内野好郎)
《あとがき》 編者

●特におすすめしたい方
アジア近現代史、アジア経済、各国研究、対アジア外交等の研究者。大学、諸研究機関。国際交流団体・アジア各国進出企業の担当者など。