書誌書目シリーズ83
割印帳 東博本 影印版 全5巻
揃定価121,000円(揃本体110,000円) ※分売不可
ISBN 978-4-8433-2679-4 C3300
A5判/上製/函入
刊行年月 2007年08月
本書の内容
江戸の書物問屋組合が作成した新刊本の販売許可記録、「割印帳」諸本の親本をはじめて影印版で刊行。
【本書の特色】
「割印帳」は、現在四種類残されているとされる。その中でも、東京国立博物館所蔵本(東博本と略称)は、他の三種の親本とされる。江戸の出版史研究が盛んになり、研究が緻密化されてきた今、かつて出版された「割印帳」の翻刻版(『享保以後江戸出版書目(新訂版)』朝倉治彦、大和博幸編、臨川書店、一九九三年刊)や『享保以後板元別書籍目録』(清文堂出版、一九八二年刊)とともに、「割印帳」の原本の影印版を出版することは、研究者の共通の資料となり、さらなる研究の深化をもたらすものであることを信じる。
「割印帳」
近世中期から後期にかけて江戸の書物問屋組合が作成した新刊本の販売許可記録。当時の新刊本は、まず各書肆から問屋組合の行事に提出され、内容の吟味を経た上で販売許可書(添章)に割印を得て初めて売出された。『覆本 割印帳』(東京国立博物館所蔵本)には、江戸の各書肆が享保十二年から文化十二年までに出版した新刊本の書名・著者名・冊数・丁数・版元・売出元に加え、割印を受けた日付と実際に板行された年月日が列記され、出版物に対する吟味の内容も詳記されている。これらの記述の検討によって、出版点数の増減や出版内容の傾向を書肆別、時代別に把握することが可能となるなど、本資料は近世の出版事情を浮き彫りにする貴重な資料である。但し、書物問屋組合の扱う本とは、いわゆる「物之本」といわれる学術的な書物で、娯楽的な読み物の洒落本・黄表紙・合巻の記録は少ない。