HOME書籍検索 > 神話学名著選集 全26巻

神話学名著選集 全26巻

神話学名著選集 全26巻

[監修] 松村一男 [監修] 平藤喜久子

揃定価420,200円(揃本体382,000円) 
ISBN 978-4-8433-1641-2
A5判上製

本書の内容

人類の文化を読み解く鍵として日本や各国の神話があらためて注目されている。神話研究は現在、文学・宗教学・民俗学・文化人類学など、多彩な学問領域からのアプローチが試みられている。

刊行のことば   松村一男(和光大学教授)
 明治期に本格化した我国の神話学は、昭和期に入ると新たな世代の研究者たちの登場を受けて大きく展開していくこととなる。欧米の神話理論の紹介に努め、日本神話学の体系化を目指した松村武雄や、ギリシア神話の研究で知られる佐々木理の存在は大きく、彼らの著作は、現在でも広くその価値を認められている。
 このたび神話学名著選集第2期の刊行に当たり、昭和十年代から三十年までの神話研究を中心に復刻をすることとなった。第1期も含めると、この選集によって松村、佐々木の著作のうち主要なものはほぼすべて復刻されることになる。
 また昭和前期には、美術評論家であるラスキンや神道の熱烈な賛美者であったメーソンらによる神話論が翻訳され紹介されていた。残念ながら現在、彼らの神話に関する業績はほとんど忘れ去られてしまっている。しかし彼らによる独創的な神話研究は、その時代の神話学の多様性や日本神話に対する西洋人のまなざしを知る上でも、踏まえておくべきものであろう。
 第二次世界大戦を挟んで、我国の価値観は大きく揺らぎ、神話研究をとりまく環境も激変した。そうした時代の流れの中で、神話学者たちのおかれた状況はどのようなものであったのだろうか、彼らは神話とどう向き合い、研究を進めていったのだろうか。このことを伝える資料として、松村武雄および昭和二十年代に研究活動をはじめた松前健の自伝が復刻される。我国の神話学の変遷を辿る上で、これらの資料は大きな寄与を果たすことが期待される。