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近代日本アート・カタログ・コレクション 第2回配本 白馬会/日本美術協会 全13巻

近代日本アート・カタログ・コレクション 第2回配本 白馬会/日本美術協会 全13巻

揃定価246,400円(揃本体224,000円) 
ISBN 978-4-8433-0435-8 C3371
A5判上製/函入
刊行年月 2001年11月

関連情報

本書の内容

■白馬会・・・品切れ
 ………主義は自由平等なり(中略)形にのみやかましきは我々の執らざる所なれば、此会には規則もなし役員もなし(明治29年5月27日「毎日新聞」より)。
 白馬会は明治29年に発足した。発会の話は、5月に山本芳翠、小山正太郎、黒田清輝、久米桂一郎の間で起こり、同6月の神泉亭の会合には森鴎外、高山樗牛、大橋新太郎のほか明治美術会の主要な会員であった松岡寿、長沼守敬らの姿があった、という。黒田、久米、岩村透らの帰朝者を中心としたこの会は、自由で平等な気の置けない会という本人たちの意識とは別に、モティーフや色調などに新風をもたらし、展覧会の会場設営に新機軸を打ち出し、美術家だけによる自由で平等な団体をかたちとして示すなど、当時の画壇に新しい「美術」概念をもたらした。また、美術を社会の中で認知させ、また美術家・芸術家は社会通念から自由に自立して自己表現をするものである、という芸術家像を創り出すなど、白馬会の意義は美術の枠にとどまるものではなかった。

■日本美術協会・・・一部品切れ
 日本美術協会は、現在に至るまで若い芸術家、美術工芸家の支援育成を中心に活動を続けている美術団体である。明治20年、有栖川宮熾仁<たるひと>親王を総裁として、その前身である龍池会(本コレクション005~007「観古美術会」解説参照)から日本美術協会と改名。明治政府の勧業政策を後押しすべく発足した半官半民の組織であった。
 「日本美術協会規則」の第一条に「本会ハ広ク優逸ナル新古美術工芸品ヲ採集陳列シテ公衆ノ観覧ニ供シ、以テ美術ノ進歩ヲ促ス目的トス」とあり、美術展覧会が協会の重要な活動であったことがわかる。立派な古美術を示して当時の作家たちにその技を磨かせるという目的のもと、新製品と古製品とを比較対照し、あわせて新製品の優秀なものに褒賞を与えていた。そのスポンサーが農商務省であったが、明治24年から宮内庁の助成金が毎年下賜されるようになると事業が拡大し、年2回の展覧会のほかに、青年美術家と美術工芸家の育成事業などを強化している。