ゆまに学芸選書ULULA 9
美術のポリティクス
―「工芸」の成り立ちを焦点として
定価1,980円(本体1,800円)
ISBN 978-4-8433-4170-4 C1370
四六判/上製カバー装
刊行年月 2013年07月
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本書の内容
美術における ジャンル形成の秘密を解き明かす 「工芸」概念形成史の決定版。
美術のハイパーインフレーション状況から「美術」の彼方をめざす「工芸」論
[著者]
北澤憲昭 美術評論家・美術史家 女子美術大学教授
目次
プロローグ――美術の階層秩序
第Ⅰ章 「美術」の形成と諸ジャンルの成り立ち
翻訳語「美術」の概念形成 「絵画」の中心化 「工芸」の不在と遍在 「工芸」ジャンルの成り立ちと「絵画」の純化 第三回内国博と一八八九年パリ万国博
彫刻と絵画のキャスリング 内国絵画共進会と工芸ジャンルの形成 「工芸」の原義 「工芸」と「工業」 KunstとGewerbe
第Ⅱ章 美術とナショナリズム/ナショナリズムの美術
――あるいは「工」の解体
「工」概念の解体 テクノロジーとしての絵画 工部美術学校 ナショナリズムの勃興と工部美術学校 美術における幽遠なもの――フォンタネージの教え 美術と「国躰」 国粋派と西洋派――幽遠さの追求 ナショナリズムと「工」 啓蒙の弁証法
第Ⅲ章 工芸とアヴァンギャルド――日本社会における造型のミーム
美術館の創設――制度の実体化 東京府美術館建設とアヴァンギャルド アヴァンギャルドの終熄と美術館の落成 美術という制度 造型のミームとアヴァンギャルド 工芸/工業 理想大展覧会と造型 美術の制度と工芸 ボーダー・ゾーン、あるいは供犠のシステム――アヴァンギャルドと工芸 中心と周縁の反転――美術館とアヴァンギャルド
エピローグ――美術/ナショナリズムの彼方へ
註
後記
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