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『少女倶楽部・少女クラブ』総目次 全2巻

【オンデマンド版】書誌書目シリーズ92
『少女倶楽部・少女クラブ』総目次 全2巻

[監修・解説] 黒古一夫

揃定価82,500円(揃本体75,000円) 
ISBN 978-4-8433-4160-5 C3300
A5判/上製
刊行年月 2013年04月

本書の内容

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創刊号から終刊まで、全504冊の目次を網羅!

1923(大正12)年1月創刊、1962(昭和37)年12月まで、大日本雄弁会講談社、講談社によって発行された月刊少女雑誌『少女倶楽部』『少女クラブ』の総目次。執筆者索引と解説を付す。

【本書の特色】
●創刊号から終刊までの全目次を網羅
四〇年間、全五〇四冊の全貌を示し、大正末期から昭和戦後に至る雑誌メディアとしての成長と変遷を概観できる。創刊号(大正十二年一月)から終刊の昭和三十七年十二月号までを収録。

●全号を調査掲載
一般的な図書館や諸機関には所蔵されていない号についても、調査した。

●少女文学発展の中心的存在
近代日本における少女雑誌の主要な地位を占める『少女クラブ』の総目次であり、少女文学の発展の過程を追うことが出来る。

●充実の執筆者索引
本誌には、少女文学専門の作家ばかりでなく多くの作家、画家、漫画家などが執筆している。その多様な執筆陣の検索のため「執筆者索引」を付す。

●詳細解説を付す
本誌の歴史的な視点で概観する「解説」を付す。

[監修・解説]黒古一夫  筑波大学大学院教授
(※本データはこの書籍の刊行時のものです)

刊行のことば

 本書は、一九二三(大正一二)一月に創刊された『少女倶楽部』の、創刊号から一九六二(昭和三七)年一二月の終刊号まで、四〇年にわたる全五〇四冊の総目次を収録している。さらに執筆者索引と解説(黒古一夫)を付す。
 現在の講談社、当時の大日本雄弁会は『少年倶楽部』に遅れること八年、「妹雑誌」として『少女倶楽部』を創刊したが、その編集方針は『少年倶楽部』と同様、「おもしろくてためになる」であった。それは、多くの読者に受け入れられ、発行部数を伸ばしたが、たんに人気雑誌『少年倶楽部』の少女版であったからということではない。昭和初期から戦時体制に入る前までの、少女小説の全盛期を作り上げたという側面が大きい。
 周知の如く、それは『少女倶楽部』一誌によるものでなく、『少女の友』『少女画報』など、各誌の競い合いのなかから生じた現象であった。特に『少女倶楽部』とともに「二大雑誌」といわれた『少女の友』は、抒情的、都市的な色合いの強い作品や中原淳一の表紙により、都会の少女たちに人気を博したが、『少女倶楽部』は地方の少女たちに、波乱万丈の物語と訓育的な内容で、受け入れられ、発行部数としては、『少女の友』を圧倒していた。
 日中戦争が始まると『少女倶楽部』も戦時色濃くなり、「銃後」を守る女性の生き方などを前面に押し出したが、そのためか、物資が窮迫した時代にも刊行を続けることができた。そして、戦後は、一九四六(昭和二一)年四月号より『少女クラブ』と誌名をあらため、引き続き刊行を続けるが、時代の要求に応じ、次第に漫画を多く掲載するようになる。しかし、時代の変化、とくに週刊漫画雑誌の抬頭により、一九六二(昭和三七)年一二月に終刊を迎えることとなる。その翌月、一九六三(昭和三八)年一月、『週刊少女フレンド』が創刊されるが、形を変えての後継誌とも考えられるであろう。
 このような『少女倶楽部』『少女クラブ』の総目次を刊行するには、次のような企図がある。最近、ようやく文学研究の目が、少女小説にも注がれるようになってきたが、その研究のガイドとなるであろう。また、ジャーナリズム史の視点から見れば、大正期の社会構造の変化に対応して大衆的な人気を集め、大部数を誇った雑誌が、戦争期に変質しながら国策の一端を担い、また、敗戦後には速やかに転換をはかりながら時代に対応してゆくという流れについて、この総目次はその考察の入り口となるであろう。また、執筆者索引を見ることで、『少女倶楽部』に作品を掲載した様々な作家を一望できる。少女小説の旗手たちはもちろん、いわゆる文豪とよばれる小説家の名もあり、さらにのちの戦後漫画文化の担い手となった若き漫画家たちの名も見ることができる。
 一雑誌の目録・索引ではあるが、四〇年という時間をはらむ日本の近現代文学、文化、歴史のひとつのインデックスとして、刊行する所以である。 (ゆまに書房編集部)