ゆまに書房YUMANI SHOBOU ONLINE

本書の内容

日露戦争に関する多角的な研究成果を収録。政治・外交・軍事・国際法・経済・財政・思想・社会・文化・文学・メディアなど諸分野の研究者による画期的な論集。

本書は、日露戦争百周年を契機に、東アジア近代史学会が行った3回のシンポジウムと月例研究会の成果等をまとめ、歴史学界をはじめ各専門分野に問題を提起することを目的としている。

【収録論文】
■序章
　日露戦争史研究の現代的課題 ― 「日露戦争一〇〇周年シンポジウム」に寄せて ―（井口和起）
■第１章 日露戦争と国際政治
　日露戦後の日本外交（千葉　功）
　日露戦争と韓国問題 ― 第二次日韓協約の締結をめぐる大韓帝国内の動向 ―（原田　環）
　日露戦争における中国外交 ― 満州における局外中立 ―（川島　真）
　韓国における日韓旧条約無効論 ― 条約の形式と締結手続きについて ―（海野福寿）
■第２章 日露戦争と朝鮮・中国・台湾
　日露戦争と朝鮮社会 ― 親日派と「近代性」（林　雄介）
　朝鮮社会における日露戦役の記憶と一進会（永島広紀）
　日露戦争と帝国の成立 ― 満洲経営の内部矛盾 ―（加藤聖文）
　清末、中国東北における官制改革の推進と東三省建省 ― 盛京将軍趙爾巽による盛京（奉天）官制改革案の位置づけを中心に―（古市大輔）
　日露戦争と中国 ― その知的刻印を考える ―（吉澤誠一郎）
　日露戦争と台湾（栗原　純）
■第３章 日露戦争と国内政治・経済
　日露開戦直前の参謀本部と陸軍省（斎藤聖二）
　日露戦争期のメディアと政治（小宮一夫）
　日露戦時公債の発行とその影響 ― 鉄道国有化に着目して ―（神山恒雄）
■第４章 日露戦争と日本社会
　日露戦争とメディア ― 地域社会の視点から ―（有山輝雄）
　日露戦争における戦争紀念碑と戦歿者慰霊 ―「もの」史料論的考察として ―（檜山幸夫）
　可睡斎護国塔と日置黙仙 ― ある仏教者の日露戦後における慰霊運動 ―（櫻井良樹）
　日露戦争時の正教会と日本 ― 宣教師ニコライの『日記』を中心に ―（安村仁志）
　仮想の日露戦争と現実の日露戦争 ― 『佳人之奇遇』と『日露戦争羽川六郎』との間 ―（吉村道男）
　日露戦時意識と記憶 ―戦場非在者の戦時記憶・漱石の場合 ―（稲垣広和）
　日露戦争後の文学と性表現 ―〈性欲〉に煩悶する時代と〈感傷〉の共同体 ―（光石亜由美）
■あとがき
■執筆者一覧