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日中関係史資料叢書4 南京 全1巻・別冊1

日中関係史資料叢書4 南京 全1巻・別冊1

[監修] 金丸裕一 [解説] 金丸裕一 [解説] アスキュー・デイヴィッド

揃定価47,300円(揃本体43,000円) ※分売不可
ISBN 978-4-8433-2757-9 C3021
A5判上製/函入

関連情報

本書の内容

日中戦争を軍事史の視点や抵抗史の視点ばかりでなく、占領地で生活していた中国人、日本人にも光をあてる、そんな新しい視点を問いかける、貴重史料、『南京』の復刻。

 本書『南京』は、南京日本商工会議所が、政治、経済、社会等、当時の南京の全体像を網羅し、一般の日本人に紹介するため編纂したものである。南京日本商工会議所は本書刊行の前年(1940年)に創立されたが、本書によればこれは在南京日本人商工業者の熱烈な要望によって創立されたものである。本書はその序によれば3ヶ月に満たない期限で編纂された。しかしこれをひもとけば分かるように十分な蓄積の上にたって南京の様々な様相が具体的に記述されている。それはおそらく編纂のスタートに先行して、すでに基礎となる資料情報が整っていたことを窺わせる。ここから南京における日本人の活動が当時一定の厚みを備えていたことが推察される。

【主な特色】
◎70年過ぎてなお議論が続く、「南京事件」に関する資料文献の復刻。
◎南京の基礎データ満載。
◎当時の南京における日本人の経済活動の詳細が分かる資料。特に巻末収録の「業種別会員名簿」は個人営業者を含むものでそれらの動向を追うための貴重な資料。
◎叙述の特徴として「(日華)事変前」「事変後」に分け、「事変後(昭和15・16年当時)」について、細かい記述がなされている。
◎断片的にしかしられていない日本占領時代のことが統計なども盛り込み、「南京」の全容が具体的にイメージ出来るように説明されている。

【本書の特徴】
 「(日華)事変前」「事変後」に分けられた叙述、細部に至る記述、経済関係記事に特に力点がおかれている。叙述の特徴としては、主要な項目で細目に当たる箇所が、「(日華)事変前」「事変後」に分けられた項目(例えば「道路」「通信」「行政」「財政」等)があり、「事変後(昭和15・16年当時)」についての、細かい記述が心がけられている。「第5篇 経済」には300頁が割かれ、その第1章は署名入りの論説が並ぶ。経済関係の部分を中心に、日本占領時代の様子が統計等を比較的多く掲げて説明される。
 「第7篇 居留民」では、日本人の南京への植民の様子、日中戦争における「南京攻略史」も項目として立てられている。「第8篇 雑録」に「南京の風習」「南京の言葉」「中国の祭日」等の項目が並び、次の「附録1 旅行案内」と共に日本人一般に南京およびその周辺を卑近な例から紹介することが努められている。そして最後の「附録2 南京日本商工会議所」でも発足間もない同会議所の紹介が行われている。
 南京に関する基礎データを網羅しながら、総じて日本人が南京で活動する際の手引きとなるような(その割には大部で詳細な内容)つくりとなっている。また附録2の最後に「業種別会員名簿」が収録され、これは個人営業者まで含み、本書全体の内容と相まって、当時の南京における日本人の活動(特に商工業)が詳細に追うことができる。その意味で本書からは、南京(及びその周辺)における日本人の植民活動の実態も浮き彫りとなる。

【目次】
概 説
第1篇 地 理
第2篇 歴 史
第3篇 交 通
第4篇 政 治
第5篇 経 済
第6篇 外 交
第7篇 居留民
第8篇 雑 録
附録1 旅行案内
附録2 南京日本商工会議所