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文化人の見た近代アジア 全24巻

文化人の見た近代アジア 全24巻

[監修] 竹松良明

揃定価289,300円(揃本体263,000円) 
ISBN 978-4-8433-0697-0 C3393
A5判上製/函入り
刊行年月 2002年09月

関連情報

本書の内容

※第4巻「わが風土記」・第5巻「満洲旅日記」・第9巻「魔都」・第10巻「新しき上海のプライヴェート」・第11巻「支那人・文化・風景」・第13巻「新台湾行進曲」はオンデマンド版のため、ご注文より製作に3~4週間ほどお時間をいただいております。

作家、画家、ジャーナリストなど、文化人らが自由な眼でとらえた近代アジア像。
収録地域:樺太・千島・朝鮮・満洲・北京・モンゴル・上海・香港・南支・台湾・パラオ・ヤップ・フィリピン・ビルマ・タイ・ベトナム・マレーシア・インドネシア・インド・イラン・ペルシャ・アラビア・トルコ。

【本書の特色】
● 大正期から昭和戦前期にかけての、文化人によるアジアの旅行記、ルポルタージュを精選しました。
● 作家、評論家、画家、ジャーナリスト、外交官などの著作を幅広く収録しました。
● 収録地域は、樺太・千島・朝鮮・中国・モンゴルから、東南アジア・南アジア・中近東までを網羅しました。
● 近代におけるアジアの人々の生活・風俗を知る上での一級資料です。
● 近代日本とアジアとの関わりが広い視野で俯瞰できる書目をラインナップしました。
● 各巻の巻末に第一線の研究者による解説(作家紹介、作品の背景、歴史的価値など)を付します。
● 文学のみならず、植民地・占領地の歴史研究にも大いに有益な資料です。

推薦のことば

北進論・南進論の内実を知るために
神谷忠孝
明治政府が唱導した「北守南進」政策は「偽満州」帝国の樹立以後、急速に南進政策に重点が置かれ太平洋戦争へと拡大していったという歴史事実がある。その過程に文化人がどのように関与したかについては、多くの著書があったにもかかわらず人々の目にふれることなく長い間埋もれたままになっていたのである。
「文化人の見た近代アジア」全二十四巻に収められた著書は古書店でもめったにでないものであり、歴史の実態を知るうえで貴重である。近年盛んになってきた日本の植民地、占領地の研究に多いに寄与することはまちがいない。
文化人の現地報告が貴重なのは、為政者の目論みを見抜きながら現地の人々の生活を冷静に観察しているからである。総体的に見れば、アジアの人々が何に苦しんでいるかということが浮かびあがってくる。
自主的に出かけた人、徴用された人、文化使節として派遣された人など動機はさまざまであるが、初めて接したその国の人々の生き方に共感し、異文化を積極的に学ぼうとする姿勢が共通している。
時代は今、アジアの人々と日本人がどのように共生するかという段階にきている。かかるおりしも、異文化に最初に接した文化人の記録を読むことは将来のアジア理解を深めるために大事であることを確信する。
(北海道大学名誉教授・北海道文学館理事長)


アジアとの〈共生〉を目指すために
木村一信
「21世紀はアジアの時代」との声があたりに満ちている。たしかに、世界の人口の半数近くを有し、大陸や半島、島嶼などからなる広大で豊かな地域を考えあわせると、アジア地域の盛衰が世界の動向を左右するといっても過言ではない。さまざまな面において多様さを持っているこの地域の〈共生〉を目指すことは、いまの私たちにとっての一大課題であるだろう。ひるがえって考えてみると、実は20世紀もまたアジアの時代であったとみなしうるのではないだろうか。近代化の苦闘期にあった東アジア地域、西洋列強の植民地支配からの脱却を目指し、国民国家形成に尽力していた東南・西南アジアの地域などは、いくつかの大きな戦争を経験する中で、その命運が世界のそれと重なっていたと捉えられよう。こうした「アジアの時代」の諸相を、日本のいわゆる文化人たちはどのような思いでもって見つめ、考え、表現し、かつ、いかなるアジア体験を有したであろうか。それらを一度はトータルに考えなければ、私たちは、アジアの時代についての認識を持つことも、それを進展させることもできないであろう。いまここに、竹松良明氏の監修・編集により、また、氏と問題意識を共有する気鋭の研究者たちの解説によって、それらの言説が私たちの前に提示された。現代では入手することの困難、かつ貴重な文献が多く含まれている。20世紀のアジアと日本との関わりを、文化的、歴史的、社会的、文学的に鳥瞰しうると共に、21世紀のアジアとの〈共生〉を示唆する言説を手にしうることは大きな喜びである。
(立命館アジア太平洋大学教授)

文化人の見た近代アジア 第1巻 ツンドラ警備 〔樺太〕

定価11,000円 (本体10,000円) ISBN978-4-8433-0698-7 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]霜野二一彦 [解説]村田裕和

酷寒とツンドラのなかで、兵士として北方の警備にあたった画家がとらえたサガレンの風土や原住民の姿。現地のスケッチを多数収録。
昭和一七年 鶴書房

文化人の見た近代アジア 第2巻 千島 北方探険記 〔千島〕

定価12,100円 (本体11,000円) ISBN978-4-8433-0699-4 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]吉尾なつ子 [解説]田村修一

ハマナスの花香る択捉島を単身訪れた女性作家と、鮭鱒漁や捕鯨に従事する島民との心の交流。千島の人々の生活や産業の貴重な記録。
昭和一七年 三崎書房

文化人の見た近代アジア 第3巻 半島の朝 〔朝鮮〕

定価11,000円 (本体10,000円) ISBN978-4-8433-0700-7 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]湯浅克衛 [解説]真銅正宏

日韓併合後、急速に近代化の波が押し寄せた朝鮮。「心田開発」のスローガンの下で、半島農民の生活はどのように変化したかを描く。
昭和一七年 三教書院

文化人の見た近代アジア 第4巻 わが風土記 〔朝鮮・満洲〕

定価9,900円 (本体9,000円) ISBN978-4-8433-0701-4 C3393
A5判上製

[監修]竹松良明 [著]張赫宙 [解説]許南薫

※オンデマンド製作 3~4週間
日本に帰化した朝鮮人作家・張赫宙の随筆集。故郷の追想記や朝鮮紀行のほか、満洲移民や朝鮮文学について論じたエッセイを収録。
昭和一七年 赤塚書房

文化人の見た近代アジア 第5巻 満洲旅日記 〔満洲〕

定価11,000円 (本体10,000円) ISBN978-4-8433-0702-1 C3393
A5判上製

[監修]竹松良明 [著]井上友一郎 [著]豊田三郎 [著]新田潤 [解説]黒田大河

※オンデマンド製作 3~4週間
特急「あじあ」、馬車、トラックなどで、それぞれに満洲各地を巡る三人の作家の行動的旅日記。三者三様にとらえた満洲国の諸相。
昭和一七年 明石書房

文化人の見た近代アジア 第6巻 大陸に生きる 〔満洲〕

定価14,300円 (本体13,000円) ISBN978-4-8433-0703-8 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]望月百合子 [解説]宮内淳子

開拓移民村のルポのほか、満洲婦人の問題について論じた文章を収める。著者は満洲新聞婦人部長として、建国事業に情熱を注いだ。
昭和一六年 大和書店

文化人の見た近代アジア 第7巻 現代支那の文化と芸術 〔北京〕

定価13,200円 (本体12,000円) ISBN978-4-8433-0704-5 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]一戸務 [解説]小川直美

日中戦争下の中国における芸術・文化政策・日本文化の影響等についてまとめたもの。当時の日本人に中国理解を呼びかけた書である。
昭和一四年 松山房

文化人の見た近代アジア 第8巻 北支蒙疆戦線 〔北京・モンゴル〕

定価9,900円 (本体9,000円) ISBN978-4-8433-0705-2 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]長谷川春子 [解説]西村将洋

特別通信員として北支とモンゴルを巡った際の体験記。画家である著者が挿絵も描き、現地の民衆等の姿が女性の眼から活写される。
昭和一四年 暁書房

文化人の見た近代アジア 第9巻 魔 都 〔上海〕

定価13,200円 (本体12,000円) ISBN978-4-8433-0706-9 C3393
A5判上製

[監修]竹松良明 [著]村松梢風 [解説]和田博文

※オンデマンド製作 3~4週間
あらゆる秘密と罪悪が渦巻く「魔都」上海。その魅力の虜となった著者の筆は、国際都市として知られた上海の風俗を詳細に再現した。
大正一三年 小西書店

文化人の見た近代アジア 第10巻 新しき上海のプライヴェート 〔上海〕

定価12,100円 (本体11,000円) ISBN978-4-8433-0707-6 C3393
A5判上製

[監修]竹松良明 [著]吉行エイスケ [解説]和田博文

※オンデマンド製作 3~4週間
上海事変勃発の前年、上海に遊んだ著者がかつての花咲ける都を回想した書。上海の色彩的な都市の魅力を余すことなく描出したもの。
昭和七年 先進社

文化人の見た近代アジア 第11巻 支那人・文化・風景 〔上海〕

定価12,100円 (本体11,000円) ISBN978-4-8433-0708-3 C3393
A5判上製

[監修]竹松良明 [著]小田嶽夫 [解説]大橋毅彦

※オンデマンド製作 3~4週間
上海に逗留した際の見聞記と、魯迅・茅盾らの上海を拠点とした現代中国作家論を収録。巻末に上海を舞台にした小説「泥河」を付す。
昭和一二年 竹村書房

文化人の見た近代アジア 第12巻 香 港 〔香港・南支〕

定価12,100円 (本体11,000円) ISBN978-4-8433-0709-0 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]中野実 [解説]平野晶子

主として香港・広東で宣伝報道の任に当たった著者の事変下の記録。表題作は、香港の実情を暴いた中国青年の手記を基にしたもの。
昭和一六年 蒼生社

文化人の見た近代アジア 第13巻 新台湾行進曲 〔台湾〕

定価16,500円 (本体15,000円) ISBN978-4-8433-0710-6 C3393
A5判上製

[監修]竹松良明 [著]北村兼子 [解説]平野晶子

※オンデマンド製作 3~4週間
婦人文化講演会講師として台湾に招かれた著者は、わずか半月の滞在で精力的に各地を取材。鋭敏な観察眼で台湾の諸相を描く旅行記。
昭和五年 婦人毎日新聞台湾支局

文化人の見た近代アジア 第14巻 南洋群島 〔パラオ・ヤップ他〕

定価12,100円 (本体11,000円) ISBN978-4-8433-0711-3 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]丸山義二 [解説]黒田大河

昭和一五年、著者は南洋群島を一ヶ月間周航。その見聞をまとめたもの。パイナップル栽培を営む農業移民の生活などを活写している。
昭和一七年 大都書房

文化人の見た近代アジア 第15巻 比島日記 〔フィリピン〕

定価12,100円 (本体11,000円) ISBN978-4-8433-0712-0 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]阿部(三宅)艶子 [解説]竹松良明

著者が陸軍省の要請で、視察報告のためフィリピンに渡ったさいの日記。現地の人々・景色・習俗への身近な愛情に満ちている佳品。
昭和一九年 東方社

文化人の見た近代アジア 第16巻 萬 歳(チャイヨウ) 〔ビルマ・タイ〕

定価13,200円 (本体12,000円) ISBN978-4-8433-0713-7 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]岩崎栄 [解説]土屋忍

太平洋戦争中、陸軍報道班員としてビルマ・タイに徴用された作家の、宣伝戦活動記録。戦争の中の日常がユーモラスに描かれている。
昭和一九年 泉書房

文化人の見た近代アジア 第17巻 仏印・泰・印象記 〔ベトナム・タイ〕

定価8,800円 (本体8,000円) ISBN978-4-8433-0714-4 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]木村彩子 [解説]竹松良明

フランスの植民都市として発達したサイゴン。その都会的な洗練を若き日本女性はどのように受容したか。家族に宛てた書簡も併録。
昭和一八年 愛読社

文化人の見た近代アジア 第18巻 仏印への途 〔ベトナム〕

定価13,200円 (本体12,000円) ISBN978-4-8433-0715-1 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]小松清 [解説]真銅正宏

仏印文化工作において、安南民族が現実に何を必要としているかを理解することの必要性を説く著者の、人間的な真情が溢れた旅行記。
昭和一六年 六興商会出版部

文化人の見た近代アジア 第19巻 マライの静脈 〔マレーシア〕

定価11,000円 (本体10,000円) ISBN978-4-8433-0716-8 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]寺崎浩 [解説]土屋忍

著者がマレーに報道班員として従軍したときの記録。シンガポール陥落後、占領下のペナンにおける現地人への宣撫の様相が描かれる。
昭和一八年 春陽堂書店

文化人の見た近代アジア 第20巻 爪哇(ジャワ)の旅 〔インドネシア〕

定価16,500円 (本体15,000円) ISBN978-4-8433-0717-5 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]加藤朝鳥 [解説]和田桂子

ジャワに渡った英文学者が、現地の習俗、芸術、宗教などに触れながら、故国日本に繋がれた自己を見出す。「爪哇渡航案内」を併録。
大正十一年 新光社

文化人の見た近代アジア 第21巻 ジャワ日記 〔インドネシア〕

定価11,000円 (本体10,000円) ISBN978-4-8433-0718-2 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]三雲祥之助 [解説]宮内淳子

昭和一六年、高見順とジャワ、バリ島方面を旅行した際の感想紀行文。インドネシアの文化的な様相を伝えた書として貴重なもの。
昭和一七年 大日本出版

文化人の見た近代アジア 第22巻  印度は語る 〔インド〕

定価13,200円 (本体12,000円) ISBN978-4-8433-0719-9 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]野口米次郎 [解説]和田桂子

インドに講演旅行に赴いた際の記録。ガンジーやタゴールとの会見や、仏教美術への感動を通じて、インド文化の偉大さを伝えた書。
昭和一一年 第一書房

文化人の見た近代アジア 第23巻 黄色い沙漠―画家の見たイラン― 〔イラン〕

定価13,200円 (本体12,000円) ISBN978-4-8433-0720-5 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]磯田蓉工 [解説]村田裕和

旅の驢馬、水売り商人など、沙漠を旅する画家の絵心を唆る幾多の風物。スケッチと共に語られる、見たまま感じたままのイランの姿。
昭和一七年 岡倉書房

文化人の見た近代アジア 第24巻 波斯(ペルシャ)より土耳古(トルコ)まで 〔ペルシャ・アラビア・トルコ〕

定価6,600円 (本体6,000円) ISBN978-4-8433-0721-2 C3393
A5判上製/函入り ※在庫僅少

[監修]竹松良明 [著]縫田栄四郎 [著]志賀重昴 [著]山岡光太郎 [著]笠間杲雄 [解説]西村将洋

第一次大戦後、石油の資源地として注目された中近東。ペルシャ・アラビア・トルコの近情や、イスラム教徒の生活についての講演録。
大正一五年 文明協会